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『medium 霊媒探偵城塚翡翠(著:相沢沙呼)」

【内容】
売れっ子推理作家の香月が、美人霊媒師の翡翠による霊媒能力によって事件を解決する推理小説。

※思いっきりネタバレします。

【感想】
気持ちいい裏切りの爽快感を楽しむエンタメ作品でした。

白人系の血を引く人形のような美少女と、人気の高いイケメン小説家、そして死者の霊媒というオカルト要素。これらの要素を、リアリティのある霊視の設定と描写で巧みに結びつけ、嘘っぽくならない範囲でドラマを作り上げています。
ラノベのような魅力的なキャラクターと、キャッチーな設定の連続に引き込まれながら読み進めていくと、中盤から物語は一気に面白さを増していきます。そして、終盤には信頼できない語り手の告白が2度続き、読者の予想を裏切る2段階のどんでん返し。小説家の香月史郎が実は連続殺人鬼であり、城塚翡翠が霊媒師ではなく天才的な詐欺師だったという衝撃の事実が明かされます。
特に印象的なのは、小説の表紙に描かれた翡翠がラストシーンを予感させるような作りになっている点です。ベストセラーとなった『成瀬は天下を取りに行く』のように、表紙の主人公の印象が作品のポジティブな印象をより強くしていました。この小説では、作者がどこまでこの表紙について指示をしていたのか気になりました。多分、ここまで周到に作り込んだ小説なので、表紙に関してもかなり突っ込んだ指示をしていたのではないかと思いました。

https://kodanshabunko.com/medium/

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