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質問163:豪雪で自主練習が出来ない。良い練習方法はある?
(力んでしまう問題に関して)
先日の下記のアドバイス ありがとうございました。
本人たちには、アドバイスいただきましたこと伝え実践させています。
ただ、クラブ内での打ち合い練習が主で、なかなか1球ごとに感じることは難しいのでは?
と見ていて思います。
実際の練習として、本人が
「打った瞬間に、打球衝撃が「大だった!」「小だった!」、
強く打とうとした意識が「大だった!」「中だった!」と感じるだけでいい。」
と感じる余裕があるような、球出し練習とがをやった方がより良いでしょうか。
こちらは30年ぶりの豪雪で、外コートがまるで使えないため、
なかなか自主練習が出来ない状況ですが、
良い練習方法はあるでしょうか?
よろしくお願いいたします。
回答
▶力む「な」だから
「力むな」というと、余計に力みを意識化させて、力みを誘発しかねないから注意が必要です。
「青い象は、絶対に思い浮かべるな」といっても、青い象が意識化されてしまうようなもの(関連記事「考えないようにしようとすると『考える』」)。
「力むな」というアドバイスは、「力む」というイメージが入った後に「な」という打ち消しが加わるだけなので、先にどうしても力むイメージが形成されます。
▶内的→外的
力を入れすぎず抜きすぎず、バランスよくリラックスするには、力みを意識しないこと・させないこと。
その一手段として、力みと相関のある打球衝撃を、大・中・小で感じ取る「だけ」という練習をご提案させていただきました。
前回お伝えしましたとおり、力みなく真芯で捕えてスコーンと打ち抜けたときというのは、「打ち応え」がないですからね。
とはいえ、意識的に力を抜こうとするのではありません。
意識を、内的(主観的)な力感(筋肉)に置くのではなく、外的(客観的)な衝撃(インパクト)に向けてみることで、心身のフィードバックを活用する狙いがあります(関連記事「運動能力の差はこれ! あなたは『外向的or内向的?』」)。
▶練習の「意図」を明確にする
この練習は、ショットの結果はどうでもよく、ミスしても構いません。
上手く打てなくて構わない。
ただ感じる「だけ」ですから簡単なのですけれども、確かに練習の意図を汲んでいない相手とのラリー中に行なうのは、不向きなのかもしれません。
特に「強く打とうとした意識」の強弱を自覚化するほうは、球出しなど簡単な練習でないと難しいでしょう。
私はよく、ボールを集中して見るために、あるいは打ちやすい打点に入れるように、ボールを打たずに「見送る練習」なども提案しますけれども、これも練習の意図が明確でないと、まったく効果がありません。
傍で見ている人からは、「ボールを打たずに見送るテニスなんて、何の意味があるの!?」などと訝られます。
▶意識的なリラックスは誰でもできる
もちろん、意識的にリラックスすることは誰でもできます。
手のひらの力を抜く、肩の力をストンとさせる、など。
だけど、頭で意識的に考えて調整しようとすると、どれだけ力を抜けばいいのか、抜けるところまで抜けば際限なく、フニャフニャというところまでいくと思います。
▶気づき続ける
この練習の眼目は、ただ客観的に打球衝撃について気づき続ける「だけ」です。
「今はこうなっている」「今はこうだな」と気づき続ける力(念力)によって現状が心身にフィードバックされます(関連記事「『念力』は苦しい感情の『万能薬』」)。
このフィードバックを通じて気づき続けていると、力を入れよう・抜こうと意識しなくても、自然にバランスの取れた力感に打ち方が、「変えよう」としなくても、改まります。
頭で変えようと意識すると、バランスよく調整できません。
心身の反応として変わるのを待つのです。
▶日常生活の力感は?
リラックスするといっても、人によって、状況によって、毎回その力感はコントロールされる必要があるわけで、「7割の力で打てばいい」とひとくくりにできないところが難しい点ですね。
なお、力感に関する練習は、日常生活でもいろんなシーンで応用できそうです。
これなら豪雪でテニスコートを使えなくても大丈夫。
水道をひねるとき、歯を磨くとき、櫛で髪をとかすとき、硬いスルメを噛むとき、柔らかな豆腐を噛むときなどの感覚を敏感に捉えて客観化する。
客観化する力が培われると、テニスにも、日常生活にも、好ましい影響が現われるかもしれません。
特に歯磨きなどは、ごしごしと力みがちではないでしょうか。
力は抜くと、効果的に発揮されるのが「タッチ感覚」です(関連記事「『歯ブラシの真価』を発揮する」)。
▶つらい感情も点数化するとやがて「消える」諸行無常
あるいはテニスプレーヤーにとって(いえ、そうでなくともあらゆる人にとって)、生きるうえで大事な感情コントロール。
「怒りの感情が10点満点のうち7点だな」「この悲しみは10点満点のうち9点くらい」などと客観化します。
つらい感情に飲み込まれると、とても苦しくなります。
それはそれで心身を立て直すにあたって「必要なプロセス」なのだけれど、客観化(ここでは点数化)すると、その感情は永続せずやがて消える諸行無常と気づけるので、乱高下せず穏やかな心持ちを形成しやすいと思います。
ただし「怒りが10点満点中10点満点だからダメだ!」などと主観的に評価を下すのではありません。
感情そのものをどうにかして「消そう」とするのではなくて、気づくことで「消える」。
消そうとすると、青い象と同様、より意識化されてしまいがちです。
打球衝撃と同じように、ただ気づき続ける「だけ」というのが眼目です。
気づき続けていると、強まったり弱まったりしながらも、やがて消えます(関連記事「その時々の感情や気持ちは、絶対に永久保存できない」)。
冬は冬の情緒を楽しみつつ、やがて移ろう雪解けの春を迎えられますように。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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