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たかぱん
2024年4月29日 10:31
(トマス・H・トロウガー;レオノラ・タブス・ティスデール・吉村和雄訳・日本キリスト教団出版局) 私にとって3000円+税とは高価な本だ。だが、気になっていた。キリスト教の礼拝説教というものに執着のある私だから、テーマが気になる、というのも事実だ。だが、この共著の一人が、トロウガーであるという点が、どうしても見逃せなかった。『豊かな説教へ 想像力の働き』を読んだからだ。日本の説教塾でも、説教と想
2024年4月23日 10:39
これは、テーマが重い。サブタイトルが「自殺の心理学」である。いまは「自死」という言い方が広まっており、すでに「自殺」という語が刺激の強すぎる語だと認定されつつある。だが、中高生にこの言葉を突きつけることになる。ちくまプリマー新書は、本来そこをターゲットに据えているからである。恐らく出版社側でも議論があったことだろう。だが、出した。その気概と向き合いたい。 著者はもちろん心理学畑の人である。まだ
2024年4月17日 11:46
原書は1960年であるというが、実はその少し後から、翻訳の話があったのだという。だが、訳者が、青山学院大学の神学科廃止の問題に巻き込まれ、翻訳へ力を注ぐことができないまま、20年が経つ。そこでようやく日の目を見るようになった。私たちに、説教に対する力強い思想がもたらされた。 リッチュルは、1929年にスイスのバーゼルで生まれた。と聞くと、やはりカール・バルトとの関係がどうか、というところが気に
2024年4月11日 11:36
岩波文庫から、ニーバーの著作が出る。そのニュースだけで、すぐに注文した。ニーバーといえば、キリスト教の世界でその祈りを知らない人はいないであろう。本書でも、訳者解説の最後の頁で紹介されている。 O God, Give us Serenity to accept what cannot be changed, Courage to change what should be chan
2024年4月5日 12:07
書館でこの本を見つけて、これは読むしかない、とすぐに借りた。佐藤優の本は沢山読んだとは言えないが、その人の経歴やよく言っていることについては、それなりに知るところがある。また、村上春樹は、その多くの作品を読んでいる。このタッグは読まねばならない。そう思って家に帰って開いたら、本書は『騎士団長殺し』のコメンタリーだった。 私はそれをまだ読んでいなかった。読む機会がないわけではなかった。読みたがっ