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旅で向き合う、隠れている自分

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旅の中で気づかされた、感じたことをできるだけまっすぐに。
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#38 風景に溶け込むデザイン

#38 風景に溶け込むデザイン

6月の写真記事を別ブログで書いたので、ぜひご笑覧いただければという。
宣伝になるんだか、ならないんだかわからないものの、旅日記をnoteであまり書く気にならないのでこうするしかない。

前まではg.o.a.tを使って、のびのびと誰も見ていないであろうところに、写真ばっかり中心のブログを作っていたのだけど、noteは写真が小さくなるから文章を見せる方向けなのだろうと。

写真の見せ方について、悪あが

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#15 空を駆ける鉄道。

#15 空を駆ける鉄道。

ポーーーーッ!!とこだまするSLの汽笛。
遠くからでも聴こえる汽笛は、少しずつ近づいてきているのがわかる。
こんなにも居場所がわかる列車はあるだろうか。
でもこんなに人間くさい存在も、最近では見なくなった気がする。

登り坂では一生懸命煙を吐き、どんな坂、こんな坂、と意気込みながら走る。
中では石炭を焚べ、SLが蒸気を作るためにエネルギーを与える。
それに応えるようにSLは走る。踏みしめるように走

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#11 夕焼け雲の下で中庸を感じる。

#11 夕焼け雲の下で中庸を感じる。

夏の新潟。
稲は青々と育ち、山々が見守る中、雲はもくもくと青空を隠す。
夕刻、太陽は海に沈むために山の向こうへ。
雲は太陽が沈むのを許さんとばかりに、橙色の光を広げる。

空を見上げれば、どんな嫌なこともどうでもよくなってしまいそうな、そんな世界が目の前にあった。
こうした風景を日常見ていたら、どんな気持ちで過ごすのだろう。
豊かな気持ちで居られることが嬉しいと同時に、普段の気持ちの動かなさを感じ

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#10 小さな一歩。

#10 小さな一歩。

夏の青森。とことこと走る汽車。
海の香りがする西津軽、哀愁感じる青森を通って、今日の宿は弘前のようだ。
目の前のレールだけを見てまっすぐ走る。
雲一つない快晴。照りつける日射し。
こうべが重くなってきた稲が時より吹く風に揺れる。

太陽はどこでも一緒。ずっと地球を照らし、光とエネルギーを与える。
写真を撮るときは条件を左右する存在だけど、被写体にするととても神々しい。
太陽はエジプトでは「太陽神ラ

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#09 姿で語る。

#09 姿で語る。

ちっこい赤い力持ちが秋田から走る。
レールを乗せてゴトゴト走る。
小さいけれど力持ち。
そろそろ生まれて50歳。
人間だとそろそろ偉くなるのかな?
部長が見えてきた?いやいや、まだまだ課長でしょ。なんて。

自分の階層なんて小さいことを気にせずに、自分の職責をしっかり担うベテランさん。
今となっては裏方ばかりになったけれど、昔は東北を背負った主役だった。形あるものいつかはと言うけれども、いつまでも

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#08 初夏、魚沼。

#08 初夏、魚沼。

5月のGWごろになると一斉に田植えが始まり、夏が近いことを知らせてくれる。
こうして四季を感じる光景があることが、今年も確実に時間を生きていることに気づかせてくれている。

陽が高く、長くなったことに夏の気配を感じ、パッとしない雨が続くことに梅雨を感じる。

気づけばキチガイになるような暑さをお日さまが照らし、夏に入ったことを教えてくれる。

米どころ、魚沼にも水が入り始めた。
新潟、三条、長岡あ

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#07 上越国境を越える。

#07 上越国境を越える。

新潟と群馬の県境には谷川岳があり、そこを上越線は越えていく。

今回は国鉄時代の古い車両が検査のために埼玉県の大宮へ向かう道中。
現役最後の検査に向かう姿を見て、意匠、カラーリング等デザインについて考え事。

最近の利用者が置いてきぼりになっている、巨匠たちの発表会のようなデザインと、スクラップ&ビルドが主流の日本の考え方に疑問を持つ。

ただ、一番の筆者の望みはこの素敵な意匠の車両が、作品として

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#06 なぜ急ぐ。

#06 なぜ急ぐ。

伸びる新幹線を横目にトコトコ走る在来線。
ゴールの金沢まであと少し。
ここもあと何年かすれば普通列車しか走らないローカル線に変わってしまうだろう。

青々と育つ稲はもう曇り空かとため息交じり。
せっかくのびのびとしようと思ったのに。

私は鉄道の旅が好きで、乗っている時間は全く苦にならない。
ちょっとの不便と贅沢に過ごせる時間がいいのにと、急ぐ人の気が知れない。

でも、社会人になってしばらくして

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#05 空が青いととても嬉しい。

#05 空が青いととても嬉しい。

富山生まれの関東育ちなのだから、お日様をたくさん浴びて育ったはずだが、どうも私は北陸育ちを気取りたいのか、鉛色の空がスタンダードなようだ。
数年前から新潟へ出向くことが多くなり、予報通りの冬の曇り空を見ると富山での幼少期に見た、雪、鉛色を思い出し、裏日本の冬なんてこんなもんだ。と思っているのだった。

冬に限らず、天気予報はあてにならないというのか、結果にシビアすぎるのか、薄曇りの中「これで晴れマ

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#01 空を見上げたか。大きく息をしたか。

#01 空を見上げたか。大きく息をしたか。

 新潟に撮影で通い始めて3年くらいの2020年の11月。
記録写真としての鉄道写真よりも、新潟のいろんなところに行くことで、季節や風景を感じることが心地よく感じられるようになった頃。

魚眼レンズをつけたカメラのファインダーから覗く風景は、肉眼で見るのとはまた違った表現ができて楽しかった。
空の大きさを表現したり、小さいものにフォーカスしたり。
プログラムの中では実現できない、円の中に収める表現な

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