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エッセイ・詩 / 井上イロ木

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井上イロ木のエッセイをまとめました。
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#散歩日記

「視力0.03以下、乱視あり」メガネをかけ忘れ暗い中、朝ジョギングに出かけたオレ

「視力0.03以下、乱視あり」メガネをかけ忘れ暗い中、朝ジョギングに出かけたオレ

 視力0.03以下で、それなりに強い乱視も入っているのに、薄暗い中、メガネをかけ忘れて朝散歩(ジョギング)に出かけてしまった。
 毎日のお決まりコースとはいえ、犬のうんこがあったら間違いなく踏むと思った。

 目から入ってくる情報がいつもと少し違うと、いつもと少し違うことに気づけたり、いつもと違うことを考えたり、違う行動になる。

 このほんの少しの違いが、のちのち、全く違う人生、世界観に人をつく

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うろこ雲が好き。細胞が集まっているような、小さな生き物がわちゃわちゃしているような。

うろこ雲が好き。細胞が集まっているような、小さな生き物がわちゃわちゃしているような。

早朝ジョギングをしていると、空にうろこ雲がいた。
オレはうろこ雲が好きだ。たぶん雲と雲の距離感が、なんとも言えず惹かれるんだと思う。付かず離れずの隙間から見える、明るい空とのコントラスト。

細胞が集まっているような、小さな生き物がわちゃわちゃしているようなところが、かわいく見える。

たくさんの細胞からつくられた膜を、その内側から眺めているような感じもする。ひとつの生命体の内にいる、ひとつの細胞

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暗闇に紛れ込んで走る感覚と、光に晒されて走る感覚の違い。オレの中の妖怪

暗闇に紛れ込んで走る感覚と、光に晒されて走る感覚の違い。オレの中の妖怪

いつもは好きで夜明け前の4時10分くらい、足元もほとんど見えない中を走っているが、今日は試しに5時10分くらい、日の出は5時7分だから日の出とともに走ってみた。

寝たのは諸事情でいつもより遅くなり、睡眠時間もいつもより短く5時間くらい。起きる時間は、いつもは4時起きなんだけど、実験的に5時に起きてみた。目覚ましに起こされると、もう外は明るくて爽快な気分。「あれ?こんなに外が明るいだけで気分が違う

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Dragon AshのDeep impact を急に朝から聴きたくなった。

Dragon AshのDeep impact を急に朝から聴きたくなった。

20代のとき巷で大流行りしていた。ラップ界のことは今でもよくわからないが、山嵐もなんとなく聴いていた。社会を、常識をぶち壊してくれそうな彼らの曲に救いを求めていた。

今日こうしてDeep impactの音を聴きたくなったのも、何かそんな思いが出てきたのかもしれない。

彼らの曲とセットで思い出される映像がある。それは北九州市の小倉の夜の風俗街だ。当時は年に1〜2回小倉までドライブに行っていた。お

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それだけで十分なのかもしれない。

それだけで十分なのかもしれない。

朝散歩という名の、夜明け前のスロージョギングを毎日の習慣にしている。
ときどき走っていると急にテンションが数分から数十秒くらい上がるときがある。高揚感、幸福感、すべてを肯定したくなるような気持ちになる。そのままの気持ちよさをそのままウッファーっと感じる。

自分が気持ちよさそのものになっている感じだ。

走りながら両腕を広げ胸を開き、空気をいっぱいに吸い込むと同時に血液が身体中、とくに上半身に流れ

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時間の輪郭がぼやけるとき、さっきまでのあれは本当にあったのだろうかと確信が持てなくなる。

時間の輪郭がぼやけるとき、さっきまでのあれは本当にあったのだろうかと確信が持てなくなる。

夜明け前の散歩ジョギングから帰ってきて、部屋でストレッチをしリラックスしているとき、ふと、さっきまで走っていた現実が幻想のように思えた。

昼間の暑さに慣れてきた体は、逆に朝の冷え込みに対応できなくなっている。数週間前は朝の冷んやりとした空気が心地よかったのに、ここ数日は寒いと感じ体を早く温めようと走るスピードを上げる。

スピードを上げると多少きついが、体力がついてきたのか数分間はそのスピードを

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