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🐝みなしごハッシの大冒険:第12話「やさしき繭娘」大気汚染と環境破壊。そして資本主義経済の闇までも
工場が吐き出す煙で汚染された空と、枯れた大地が映し出され
苦しみながら倒れるハッチ
今までとはかなり違う流れで始まる、第12話
失神し、倒れるハッチを見つけたカイ子が助ける事に
しかし、カイ子は奴隷のような環境で育てられている身
ハッチを助けた事で、自らの命に危険が及ぶも
その事を顧みる事なく、ハッチを支え続ける
カイ子の献身的な支援のおかげで助けられたハッチ
ところが、カイ子は瀕死の状態になってしまう
今度はカイ子が自由の身になれるよう、闘う事に
勝負には何とか勝つ事は出来たが
周りの仲間が全て蛾になり、自由に羽ばたいていくものの
カイ子だけが全く変化が無く、ハッチのせいだと仲間達に責められる
責任を感じつつ、しばらくカイ子を見守るも、諦めて去って行く事に
そして、しばらくするとカイ子に変化が・・・
今までと全く雰囲気の違う冒頭
子供が見やすいよう、昆虫世界に置き換えたアニメですが
社会派アニメである事がはっきりと解るこの回
70年代というと、高度経済成長の副産物として
大気汚染や水質汚濁、環境破壊が問題になっている頃で
水俣病やイタイイタイ病など、四大公害病も大きな話題になり
各所で裁判が行われ、73年には公害健康被害補償法が制定
当時の状況を反映した内容で、短い時間ながらも
昆虫目線で解りやすく映像として見せるというのは
かなり効果があったと思います
何度も言うようですが、当時のアニメは本当に素晴らしく
子供向けのエンタメという枠内で、とても大事なメッセージを伝えてくれ
教養アニメと言える番組が本当に多かったように感じます
あ、すいません。本題に戻ります
今回は助けられる側になるハッチですが
助ける側のカイ子も、イロイロと問題を抱えています
多くの仲間達と共に、奴隷のように囲われ
最後は殺されてしまう運命
弱者は、どんなに足掻いても強者に勝てず
数では勝っていても、団結して闘う事もせず
知恵や知識を武器として使う事もできません
今でこそ、労働者や消費者、弱者と呼ばれる方々でも
いろんな法律・規則などに守られ
支援してくれる組織や団体、サービスも多岐に渡り
以前から比べれば、格段と良くなっています
たまに、『犯罪が増えた』とか『凶悪犯が増えた』と言われる方が居ますが
明らかに、世界は良くなる方向に進もうとしていますし
社会的弱者や障がい者に対しても、様々な事が改善され
間違いなく、住みやすくなっていると思います
ただ、改善や改良の余地は沢山あり
一つの問題が解決しても、また新たな問題が出てくるので
何時まで経っても、全ての問題が解決する事はありませんし
貧富の差が益々広がり、この問題は根が深く難しいとは思います
そして、カイ子もまた搾取される側
アニメの世界だけではなく、現実の世界でも
カイコというのは、牛や鶏
昆虫の仲間でいえばミツバチやコオロギのように、家畜化された生き物
ですが、カイコは野生で生きる事ができず
人が世話をする事で、生きていけます
家畜という事で、もう一つ
カイコの数え方は、一匹・二匹…ではなく
一頭・二頭…と数えるそうです
そういえば、チョウも一頭・二頭…と数える事があり
数え方の違いで言えば、ウサギの ”羽” やクジャクの ”面” とか
色々とあって奥が深いですよね
ただ、カイコの場合は完全に家畜化された生き物で
人間によって改良されたというか、作り出された生き物
近年も研究が進み、ゲノム情報が解読され。遺伝子組み換えも行われ
再び、人間による新たな進化を求められています
なので、アニメでもカイ子は逆らう事を許されず
延々と食べる事だけを要求され、理不尽な扱いを受け続けます
何となく、カイコの存在そのものがちょっと切ない気も
本来なら、弱者は弱者を助ける余裕は無いはずですが
多くの場合、弱者を支えるのは似た境遇の弱者
もしくは、それを利用しようとする強者で
自分が過去に、生活に困窮し本当に困っている時
今まで何度も自分に助けを求め
『友達じゃん!』と、お金の無心を繰り返したり
自分の忠告を無視し、反社と揉め
自身も危険を冒し、仲裁に入った事のある人や
仕事の斡旋や、住む場所を探し提供した人達は
逆の立場になると全くと言っていい程無関心に
まぁ、別にその人達は全く悪い事は無いし
自分も最初から過度な期待はしていなかったので、割り切っていますが
逆に、自分からしたら、その方も支援を受けないといけないような
そんな状態にも関わらず、自分を助けようと動いてくれた方々が居たり
普段は冷たく素っ気ない態度の方が、予想外にも凄く相談にのってくれたり
かなり昔の話しですが、反社の方にも、どんな意図があるかは別として
助けようとしてくれた方が居ました
本当に飢え死にしそうな時
関わりたくないと離れる、世間的には ”イイ人” と呼ばれる人が居る一方
世間では反社と呼ばれていても
優しい言葉を掛け、暖かい食糧を与えてくれる ”悪い人” が居たとしたら
そこで、冷静に判断する事は難しいと思います
自分が困った時、身近に居る存在が誰なのか。そこがとても重要で
その次に、情報検索能力と行動力。だと思うんですよね
今回のハッチの場合、1人で闘いに挑み、運よく勝つ事が出来ましたが
現実の世界ではほぼ無理
理想を言えば
🐝みなしごハッシの大冒険:第6話「泣くなハッチ」いや、泣きたい時はめいっぱい泣かせてやれよ!知識や教養より大切な事|たこハシロウ【日本で一番移動販売を愛する男】
この時のように、正々堂々と闘うのではなく
旅で得た知識や経験を踏まえ、機転を利かせた行動で闘う方がベスト
”最小の労力で最大の効果” これがやっぱり理想
元々、二ホンミツバチというのはとても賢く
自身よりも大きく狂暴なスズメバチが襲ってくると
集団で一匹のスズメバチに集まり、内部の温度を上昇させ
スズメバチを蒸し焼きのような状態にして殺すという
自己犠牲の精神と、戦略的行動ができる昆虫で
二ホンミツバチより少し大きいセイヨウミツバチには
このような行動は見られないそうです
ただ、ハッチの行動は自己犠牲そのもので
アニメとはいえ、ミツバチを題材にした事の意味は大きく
タツノコプロの着眼点は流石です
カイ子の為、命懸けで闘ったハッチ。しかも相手は2匹
『カイ子と一緒に飛びたかった』というハッチの望みを叶える事なく
その場を後にしてしまい
それからしばらくして、カイ子が繭から立派な成虫になるという
何とも言えない、本当に切ない最後
前回も、ちょっと悲しい最後で
🐝みなしごハッシの大冒険:第11話「坊や泣かないで」まさかの、バッドエンド!?|たこハシロウ【日本で一番移動販売を愛する男】
そろそろ、ハッチの元気で幸せそうな笑顔が見たいですね。
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