無我
1984年生まれ。北海道出身。東京都在住。会社員。ものを書くこと、音楽を聴くことが好き。書評と日記を織り交ぜたような文章が好きで、そんなのばかり書いています。よろしくどうぞ。
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最近小説を読んでいないことからもう一度考えてみる/三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書、2024年)
ここのところ本は読んでいるが、小説は読めていない。小説を買うことがめっきり減った。書店で小説の棚にいっても、以前より心が動かない。小説を読むことがどこか迂遠に感じられ、もっと生活に近いもの、世俗的なものに引き寄せられている。小説の、物語の世界に入るのには少し根気がいる。自分の想像力をそちらに寄せていかなければならない。たったそれだけの、フィクションに入っていく際の入口にもたどり着けない余裕の無さ。毎日の呼吸が少しずつ、知らず知らずのうちに浅くなっているのを感じる。 先日