読書ノート(167日目)
本日も前回に続いて、三枝匡さんの四部作の一冊目
「戦略プロフェッショナル」の紹介です。
本書は三枝匡さんが実際に事業再生をされた実話に基づいた物語で、主人公の名前は「黒岩莞太」となっており、三枝さんが32歳に経験された話です。
より詳しいことや手掛けている事業の概要はこちらのnoteもお読み頂けると理解がスムーズだと思いますので、もしお時間があればこちらからどうぞ。
それでは今回のテーマ「全体俯瞰の詳細」「プロダクト・ライフサイクル」についてです。
・プロテック事業の全体俯瞰(詳細)
・黒岩莞太の視点と戦略方向性
以上の全体俯瞰を基に、黒岩莞太は自社が今後とるべき戦略方向性を整理していきます。当時の感想も交えながら、以下に黒岩莞太の心情や考え方を整理してみました。
黒岩莞太の全体把握の流れを改めて整理すると、
業績 → 市場の規模・成長率 → 競合 → 当社の強み・弱み
の順番で分析し、今後とるべき戦略を考えるというもの。
それぞれポイントとなる視点は…
【業績】
・売上高の伸長から「注目すべき製品群」と「負け商品」を特定
・形勢逆転を期待できる粗利益率が高い「特に注目すべき製品」を特定
【競合】
・マーケットシェアから自社の位置づけを確認
・ダントツ1位が自社、競合とも存在しているかの確認が重要
・トップ企業の王道の「勝ちパターン」であり「栄光ルート」
・市場の成長期のうちにダントツ1位のポジションを確保できれば、
市場成長率が落ち着いた時点で収益が安定し「金のなる木」が完成
・この資金源を活用して第二のヒット商品づくりに再投資する
・このサイクルが回る組織風土を作り上げた企業こそが
エクセレント・カンパニーと呼ばれる
黒岩寛太はプロテック事業部の全体把握から「新製品ジュピターに千載一遇のチャンスを見い出しつつ、でもそれは圧倒的1位の競合企業ドイツ化学が類似品を発売するまでの、残り時間が限られる短期決戦が勝負の分かれ道」という戦略の方向性を導き出しました。
この後の展開も非常に面白いので、ぜひ本書も読んで頂きたいです✨
(この面白さがこのnoteで少しでも伝わっていると良いのですが…😂)
・三枝さん視点でのプロダクト・ライフサイクルについて
プロダクト・ライフサイクルの理論については、多くのビジネス書でも紹介がされていますが、三枝さんは「この理論を決して馬鹿にしてはいけない」
「経験がある人も基本に戻って、『完璧に』理解することをおすすめする」
と本書でも語っているほど、競争戦略の根幹となる重要な考え方です。
本書では以下の図で紹介されています。
ここでの重要な学びは、導入期・成長期・成熟期で競合に勝つための要素が変化していくというもの。
このシェアトップの王道の勝ちパターンとなる栄光のルートを記したのが、以下の図です。(合わせて、ドンジリのルートも紹介されています)
・より深く理解をしたい方向けに、三枝匡さんのWEB記事
プロダクト・ライフサイクルと事業成長の栄光ルート・ドンジリルートについては、三枝匡さんご自身が書かれたWEB記事がありますので、より理解を深めたい方は、ぜひこちらもご覧ください。
ということで、今日はこの辺で!
それではまたー!😉✨