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鈴懸ねいろ
2024年8月31日 23:23
誰かに寄り添う方法は人によってさまざまである。優しく手に触れたりハグをしたり、温かい言葉をかけたり、ただただそっと隣にいたり、あなたのことをちゃんと見てるよとメッセージを伝えようと試みたり。あの人にとって寄り添うことは、どこにいても必ず歌を届ける、ということなのだろう。ステージが見えない『参加席』の人たちに向けた巨大モニターが用意されていたことに、私はひどく心を揺さぶられた
2024年3月17日 23:20
この世に生まれ落ちた瞬間から、命はすでに死を孕んでいる。そして、どんな出逢いにも必ず別れが含まれている。意思を持って別れようとするのか、あるいは死によって分けられてしまうのか、理由は様々だけれどこれは抗うことのできない生きるものの宿命だ。清々しいまでに平等なこと。✴︎藤井風さんの新曲"満ちてゆく"(Over flowing)のMVが公開された。映画のサントラとしてオ
2023年11月25日 16:00
風は死んだ。花もいつかは必ず枯れる。永遠の命など存在しない。だが今までの自分を脱ぎ捨てさよならしたとしても、それは【終わり】ではない。何かが果てる時には、別のどこかで新しい花が咲く。始まりの瞬間でもあるのだ。(風が死んだというのはMVの中での表現としての事象)♢藤井風さんの『花』のMVが公開された。今まで経験したことのない震えがやってきて心の底から私を揺さぶったので
2023年10月15日 22:45
花がほしくなった。部屋に花を絶やさない暮らしをしていたのだけれど、(毎月初めにいつもの店にカジュアルなミニブーケを買いに行くのだ)この夏は暑すぎる部屋の中ですぐに弱ってゆく花が不憫で、飾ることができなかったのだ。また花のある暮らしがしたい。そう思い出したのは秋の空気に入れ替わったからだけではなく、藤井風さんの新曲『花』を聴いたからだろう。藤井風さんの曲は、節まわしが独
2023年7月28日 18:33
人は変わってゆく。とどまり続けることなどできない。体の細胞は日々生まれ変わっていて、いつのまにか背が伸びたり皺が増えたりしている。昨日の自分とそっくりではあるけれど、実は今日の自分はほんの少し何かが違う。ぐんぐん成長したり緩やかに役目を終えようとする容れ物の変化とは別に、日々経験することで内面も変わってゆく。良くも悪くも経験は学びとなって気持ちの変化を促す。自分の中で気
2023年1月16日 16:00
その人は近くて遠い場所で歌っていた。ピアノの前に座りしなやかな指で奏でてゆく。小さく見えているその人から届く音楽をひとつも漏らさず聴きたくて、目と耳と心で集中する。その人が声を発する瞬間、歌に心を乗せる直前のブレスの音もちゃんと私の耳に届いた。息をしてる。生きている。なんて美しい時間なのだろう。その人は真っ白い光そのものだった。♢藤井風LAATツアーのさいたまスー
2022年3月23日 14:22
影ができるのは、照らす光があるから。ただただ底抜けに陽気な空間も悪くはないけれど、足元を見て自分の影ができることを確かめながら歩き続けることは、大切な行為のように思う。♧藤井風のニューアルバムを聴いた。花の舞う美しいガーデンで穏やかに安らかに生きていけたらいいのに。けれども人生には辛いことや悲しいこと、迷いや悩みもつきまとう。それらを抱いて目指す場所へと一歩ずつ
2020年10月14日 20:01
神様。藤井風という人をこの世に遣わしてくださって、ありがとう。この音楽を聴く前の世界にはもう戻れないよ。私が息をして歩いて感じるこの世界。今までいた世界がどれほど幼稚で気の毒な世界だったかを知ってしまったんだ。この人の音楽のせいで。♧心はメロディに導かれてゆく。決して明るいわけじゃない詞がこのメロディと出会う時、夜の中の灯火が見えてくる。秋の夕暮れの靄のような