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動物愛護 (1分ショートショート)
ジョンソンは、MVPを4回獲得しているメジャーリーガー。
犬猫、馬や羊たちを、広大な庭で多頭飼いしている。
「牛たちは、何も悪いことをしていないのに、人間に搾乳され、肉を食われ、革をスポーツ用品にされ、何十年も酷い目にあってきた」
ジョンソンは、合皮で野球用品を作るよう、スポンサーに要請。
何十作か試作品を手にした彼は、ある日、しっくりとくる合皮ボールと合皮グローブに出会った。
木製バッドで打ってみると、合皮ボールは大きな弧を描き、場外へと消えていった。
「公式試合に採用される日も近いな」
【10年後】
今や、スポーツ用品の合皮は当たり前。財布やバッグ、靴も人工物になり、ビーガンも急増。
動物愛護運動は、ますます高まっている。
いつものように、ジョンソンがスタジアムで練習していると、家畜から開放された牛が、10頭入ってきた。
天然芝を食べ、気ままにウンコし、寝転がる牛たちと、それを眺める人間たちを見て、ジョンソンは確信した。
ヒンドゥー教を広める時が来たのだ、と。