漫画みたいな毎日。「長男、昆虫食を語る。」
「時空を越えたやなぎだ家の子ども」だといってくださっている、おぬきのりこさんの昆虫食の話題。
私のnoteを読んでくださっている方はご存知かもしれないが、長男は昆虫が好きである。将来は、昆虫のこと、もしくは、生き物や生態系の研究をしたいのだそうだ。私の育児書は、養老孟司さんの「虫捕る子だけが生き残る」である。
長男に、タガメはどう?と話題をふったところ、
「あぁ、タガメ?香辛料として人気があるらしいね。」と。
黒胡椒っていいよね、くらいの軽い感じで返ってきた。
昆虫へのハードルの低さよ!
食べてみたいとか思うの?と聞いたら、
「機会があれば。」と。
昆虫食が最近、話題になっているが、これはどいうことなの?
何か力が働いているの?と訪ねたら、
「昆虫は肉より高タンパクだし、牛や豚を育てるよりも、エネルギーがかからない。そういう意味では環境にやさしいってことになるんじゃない。」
でも、人間は愚かだから、昆虫食は流行って高く売れるとわかったら、
必要以上に飼育とかして、たまたま逃げちゃたりして、生態系が崩れたりとかしそうじゃない?
「あぁ、そういうことも可能性としてはあるけど、海外のコオロギとかは、人工飼育で簡単に増やせるから、難しいことではないかもしれないけどね。」
で、昆虫食でもいいの?
「それしかないっていうんなら、いいよ。そもそも、本当にそれが環境の持続の為になるのならそれでもいいと思うし。美味しければもっといいけど。」
自然環境の為なら昆虫食も厭わない人との会話であった。
長男がお友達に遅いバレンタインに持っていくから教えてといわれ、〈豆腐のチーズケーキ風〉を一緒に焼いている。豆腐のチーズケーキは、レモンの果汁と皮をたくさん使うので、部屋中がレモンの香りに包まれる。
現在、長男と私は、爽やかなレモンの香りに包まれ、ケーキを作りながら、この会話をしている。
いつの日か、昆虫オートミールクッキー(チーズケーキの土台はオートミールクッキー)とか昆虫チーズケーキ(どんな昆虫が合うのだろう?)などがスーパーの棚に所狭しと並ぶ可能性もあるかもしれない。
コオロギ・・・厳しい。タガメも無理だ。イナゴだって無理だった私には、想像がつかないが、もしも、昆虫が肉に替わる日が来て、どうしても食べなくてはならないのであれば、昆虫が美味しくてたまらない!と思えるような料理を開発しよう!と心に誓うのだった。
そういえば、ヘビの餌になる冷凍マウスを初めて見た時は驚いた。「衛生的には、他の肉よりも綺麗な環境で育てられているから。」と言われ、現在も冷凍庫で他の食品と共存している。慣れとは、人の順応性とは、恐ろしい。
我が家の食品庫に昆虫が並ぶこともそう遠くないのかもしれない。
そんな話をしているうちに、ケーキが焼き上がった。
昨夜は天気が荒れ、重たい雪の雪掻きに疲弊しているが、レモンの香りは一足早い春を運んで来てくれている。
そして、間もなく啓蟄。虫たちの目覚めの季節である。