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3回、死ぬかと思った旅日記

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#チベット

”チベットの山越え” ~世界一周旅日記~ チベット編 【第三章:第10話】雲と地平線の間

これまでの旅日記はこちらをご覧ください↓ (前回までのあらすじ) ヒッチハイクでチベットを抜けてネパールを目指す。 しかし、エベレストの近くで、ヒッチハイクする車の通過がほとんど無くなり、極寒の地帯で2日間、立ち往生してしまう。 人生終わったか、と落ち込んでいる時、遠くに、通過しようとするバスの姿を発見する。 バスを見据えて、僕は、一直線に走り出した。 100メートルくらい走っただろうか? 鼓動がおかしくなってきた。 心臓が飛び出しそうだ。 しかし、たった100メート

”スカボローフェア” ~世界一周旅日記~ チベット編 【第三章:第9話】雲と地平線の間

これまでの旅日記はこちらをご覧ください↓ 12/29(心強い3人の味方)朝7:30 ティンリ行きのバスに乗り込む。 8:30 8時出発の予定だが、 まだ出発しない。 人数が、まだ、そろってないのだろうか? 9:00 警官がバスに入ってきた。 おっとっと。 いそいでフードをかぶり、 平静を装う。 警官はキョロキョロまわりを見回し、 2,3分ほどでバスを出ていった。 9:30 やっと出発。 バスから撮った風景 13:00 ラツェに到着した。 検問がある! 警官

”鳥葬の山” ~世界一周旅日記~ チベット編 【第三章:第8話】雲と地平線の間

これまでの旅日記はこちらをご覧ください↓ 12/28(鳥葬の山)今日、ネパールに向けて出発する。 本当はもっと長い間チベットにいたいけど、 ビザの期間(滞在できる期間)がもうそろそろ終わるので、 チベットをあとにすることにした。 ラサからネパールまで直接行くツアーもあるのだが、 あらかじめ出来上がっているツアー的なものには興味はない。 独力で行くことにした。 ルートは以下の通り。 拉薩(ラサ)→シガツェ →ラツェ(非開放地区)→ティンリ(非開放地区)→ニャラム(非開放

”混乱” ~世界一周旅日記~ チベット編 【第三章:第7話】雲と地平線の間

これまでの旅日記はこちらをご覧ください↓ 12/25(辺境の聖地ラサ)こんな場所に僕がいて、 いいのだろうか? 俗なものとは対照的なこの世界。 ここには、仏教と、それを信仰する人々が存在している。 今、混乱をしている自分がいる。 本当は、 こういう世界が本当のあるべき姿であり、 現代社会は欲望の世界なのだろうか? それとも、 現代社会が、当然の世界なのであれば、 ここは天国なのだろうか? いろいろ考える。 ここは、 あまりにかけ離れすぎている。 ジョカン寺院この寺

”これが僕の歩く道” ~世界一周旅日記~ チベット編 【第三章:第6話】雲と地平線の間

※前回までのあらすじ 外国人の入域が許可されていないチベット非解放地区。 そこを突破してチベットの中心地、ラサに辿り着こうと、 スミアキ、rio、デイブの3人は、 警察の目を逃れながら、 ヒッチハイクでラサを目指す。 これまでの旅日記はこちらをご覧ください↓ 12/16(これが僕の歩く道) 朝5:00に起きた。 6:00 寒い。 マイナス10度くらいはあるんじゃないだろうか。 震えながらバスステーョンでバスを探す。 ない!!どこを探してもバスが見あたらないぞ!!

”無くしたもの、もらったもの” ~世界一周旅日記~ チベット編 【第三章:第5話】雲と地平線の間

※前回までのあらすじ 外国人の入域が許可されていないチベット非解放地区。 そこを突破してチベットの中心地、ラサに辿り着こうと、 スミアキ、rio、デイブの3人は、 警察の目を逃れながら、 ヒッチハイクでラサを目指す。 途中、警察の検問に引っ掛かるも、 どうにか突破、しかし、急に車がストップしてしまう。 これまでの旅日記はこちらをご覧ください↓ 12/15(無くしたもの、もらったもの) 12:00 「ドゥロロロ……ドゥ、ドゥ、ド……」 車のエンジンが、突然、止まった。 坂

”警官との接触” ~世界一周旅日記~ チベット編 【第三章:第4話】雲と地平線の間

これまでの旅日記はこちらをご覧ください↓ 12/14(中国警官との接触) ※前回までのあらすじ 外国人の入域が許可されていないチベット非解放地区。 そこを突破してチベットの中心地、ラサに辿り着こうと、 スミアキ、rio、デイブの3人は、 警察の目を逃れながら、 ヒッチハイクでラサを目指す。 しかし、とうとう警察の検問に引っ掛かってしまう。 僕の肩をたたく者がいる。 ふりかえる。 警官だ!! しまった。 ここは検問ゾーンだったようだ。 さっき車が乗り上げたところが、 検

”衝突” ~世界一周旅日記~ チベット編 【第三章:第3話】雲と地平線の間

これまでの旅日記はこちらをご覧ください↓ 12/12(高山病)高山病のため日記を書く気がおきない。 チベット人の民家でごちそうになり、 チベット仏教の寺院(リタンゴンパ)を訪ねた。 リタンでめっちゃいい写真が撮れた チベット人の家にある仏壇 曼陀羅、かっこいい〜 四天王、かっこいい〜 リタンの子供、髪がナチュラルドレットヘアでかっこいい〜 ここリタンまでは開放地区。 明日からは非開放地区に入る。 とりあえず、ゆっくり寝ることにする。 12/13(非開放地区

”不安” ~世界一周旅日記~ チベット編 【第三章:第2話】雲と地平線の間

これまでの旅日記はこちらをご覧ください↓ 12/10(郷愁)ラサへ向けて旅がはじまった。 ルートは以下の通り。 成都(チョンドゥー)→カンディン→リタン→バタン→マルカム→ ゾゴン→ポムダ→パシュ→ラウォ→ポメ→タンメ→ ルナン→ニンティ→パーイー→拉薩(ラサ) 太字のマルカムからパーイーまでの都市が非開放地区になる。 今まで会った、たくさんの旅人が、 僕が、冬にラサを目指すことに反対した。 "やめたほうがいいんじゃない" "オレだったらそんなことやらないけどね"

”チベットについて” ~世界一周旅日記~ チベット編 【第三章:第1話】雲と地平線の間

これまでの旅日記はこちらをご覧ください↓ チベットに入域する前に、 旅日記をより理解がしてもらいやすいように、 チベットについて書きます。 ダライラマ自伝より1959年3月31日、 チベットを脱出して以来今日まで、 わたしはインドに亡命している。 1949年から50年にかけて中華人民共和国は 軍隊を派遣しチベットを侵略した。 それからほぼ十年間、 わたしはチベット人民の政治的、精神的指導者であり、 両国の平和的関係を復活させようと努力してきた。 しかし、それがとうてい不