獲物の分け前~堀内久彦「大滝詠一 レコーディング・ダイアリー VOL.1」編。
先日、「大滝詠一 レコーディング・ダイアリー VOL.2」に書いた時に近々、VOL.1についても書きたいとしたのですが、さほど間を空けずに書くことにしました。
じゃ、行ってみよー。
・堀内久彦「大滝詠一 レコーディング・ダイアリー VOL.1」(リットーミュージック)
と、まずは「大滝詠一 レコーディング・ダイアリー VOL.2」について書いた記事のリンクから始めてみました。
個人的に興味があった「ビックリハウス音頭」について長めに書いたのは、あがた森魚さん、鈴木慶一さん、白井良明さんに佐藤奈々子さんが参加していることがとにかく大きいですね。
あがた森魚さんのリリース・ラッシュは今年も続いてまして、ヴァージンVSの発掘音源が近々発売予定です。
ムーンライダーズと佐藤奈々子さんの1979年の録音が昨年夏に発売されたことも含めて、「ビックリハウス音頭」を取り上げる意味があると判断しました。
勿論、『NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK』に収録されたのを聴いて、感動したことも理由のひとつですが。。
で、VOL.1についてですが、VOL.2のプレ・ロング・バケイションといいますか、プレ・CBSソニーからナイアガラ・CBSソニー時代の大瀧(笛吹銅次)さんのエンジニアリング中心の構成なのに比べて、笛吹銅次さんのエンジニアとしての活動スタートからナイアガラ・コロムビア時代の活動を詳細に触れています。
笛吹銅次(?)さんというべきか?大瀧詠一さんのエンジニア・デビューとされている、はちみつぱいのシングル「君と旅行鞄(トランク)」(カップリングは「酔いどれダンスミュージック」)についての鈴木慶一さんのコメントがメチャクチャ興味深いです。
ムーンライダーズ~はちみつぱいの熱心なファンなら、これだけで買う価値がありますね。
エレック~コロムビア初期の大滝詠一さんのレコーディング・セッションのメンバーはティンパンアレーやシュガー・ベイプが中心だったのが、ナイアガラ・リズム・セクションといえる(かもしれない)ドラムス上原裕さん、ベース田中章弘さん、ギター村松邦男さんにキーボードの井上鑑さんやホット・ランディングのキーボード上田メリー雅人さん、ドラムス井上敦さんにベース光永巌さんたちが加わる形だと思います。
ペダルスティールやアコースティック・ギターなどで参加した駒沢裕城さんもいましたが。
この本には上田さん(ライオンメリーとしてご存知の方の方が多いはずですが)のメモがかなり引用されていますし、光永さんのインタビューも載っていますから、ホット・ランディング~メトロファルスの熱心なファンの方も買うしかない内容ですね。
上田さんと光永さんのあがた森魚さんとの関係もまた濃密なものがあるのですが、それはまた別の機会に。。
ムーンライダーズのメンバーがナイアガラ・コロムビア時代に参加するようになったのはドラムスの上原裕さんがアルバム『ナイアガラ・カレンダー '78』のレコーディングに参加できなくなったため、かしぶち哲郎さんが「泳げカナヅチ君」と「真夏の昼の夢」に参加したことから始まるように思うのです。
その後、アルバム『多羅尾伴内楽團VOL.2』やベスト・アルバム『DEBUT』にはギター白井良明さん、キーボード岡田徹さん(岡田さんはナイアガラ以前の大滝さんのライヴにも参加していたことを付け加えておきます)、ギターとキーボードで鈴木慶一さんが参加していますね。
それともう一人、ムーンライダーズのサポート・メンバーで多大な役割を担っていたパーカッションの木村誠さんも参加していたのでした。
(木村さんは慶一さんプロデュースのアルバム『Science Fiction』ではリード・ヴォーカルを担当したり、ムーンライダーズのライヴにも出演していたのです)
と、ムーンライダーズやメトロファルスのファン必読の内容だと強調しておきますね。
勿論、大滝さんのファースト・ソロ・アルバム『大瀧詠一』や『ナイアガラ・ムーン』、『ゴーゴーナイアガラ』に『LET'S ONDO AGAIN』についての読みどころも満載です。
ちなみに1978年頃に駒沢さんと鈴木慶一さんたちが同じレコーディングに参加してから、1987年のアート・コンサート(あがた森魚さんと鈴木慶一さんがメインでカーネーション+駒沢さんがバッキングを担当したライヴ)まで一緒にやることはなかったと雑誌「Chart」のインタビューで語っていました。。
こうしたことを考えると色々興味深いですね。
長くなってしまったので、今日はこの辺にしておきます。
ではまたー。