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せんせい、いっしょ。

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ちょっと変わった特別支援学校の先生の、ちょっと変わった特別支援教材の話。
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特別支援教材は、社会と”障がい”をつなぐツール。北野ちゆきさんに「特別支援教材ってなあに?」を聞いてみた

特別支援教材は、社会と”障がい”をつなぐツール。北野ちゆきさんに「特別支援教材ってなあに?」を聞いてみた


カラフルなリボン。
いくつもの筒の中に並んだテニスボール。
彩どりのブロック。
おもちゃのような、ちょっと違うような、そんなカードや箱、ボールなどの数々。

インスタグラムに流れてくる写真や映像を見た時、これがなんだかさっぱり分からなかった私。oowaの加藤甫さんに教えてもらい、初めて「特別支援教材」というものの存在を知りました。

主に知的障がいがある子どもたちの教材ということはわかったけれど

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問題行動には、始点と終点の学習と感覚へのアプローチ。「始点と終点」がない混沌とした世界の、終点探しのお手伝い。(『せんせい、いっしょ。-特別支援学校のちょっと変わった先生の、ちょっと変わった教材の話-』#03 北野ちゆき)

問題行動には、始点と終点の学習と感覚へのアプローチ。「始点と終点」がない混沌とした世界の、終点探しのお手伝い。(『せんせい、いっしょ。-特別支援学校のちょっと変わった先生の、ちょっと変わった教材の話-』#03 北野ちゆき)

隣を歩いていたはずの子が突然、ピュー!と走り出していく。
手をつないで歩いていたはずの子が突然、グッ!っと手を引っぱり座り込む。

隣に座っていたはずの子が突然、バンッ!と背中をたたく。
おもちゃで遊んでいたはずの子が、ガシャン!
突然、持っていたおもちゃを投げる。

突然はじまり、急に終わる行動たち。

私たちは日常生活において、始まりの点となる場面から終わりの点となる場面に向けて、持続した活動

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「注視教材」で目を自分のものにして、世界と出会う。(『せんせい、いっしょ。-特別支援学校のちょっと変わった先生の、ちょっと変わった教材の話-』#02 北野ちゆき)

「注視教材」で目を自分のものにして、世界と出会う。(『せんせい、いっしょ。-特別支援学校のちょっと変わった先生の、ちょっと変わった教材の話-』#02 北野ちゆき)

私は、現在特別支援学校教員14年目。
子どもから学ぶをモットーに、たくさんの子どもたちとかかわってきました。特別支援学校では、チームティーチングと呼ばれ、チームで指導にあたっていきます。1クラスを2~3人の複数の先生でチームで持つことが多く、小学部・中学部・高等部まである学校だと、教員の人数が100人を超えることもあります。いろいろな先生と一緒に指導にあたることが、特別支援学校の先生の醍醐味でもあ

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「快感教材」から自分の世界に没入しがちな子どもとの関わりをつくる (『せんせい、いっしょ。-特別支援学校のちょっと変わった先生の、ちょっと変わった教材の話-』#01北野ちゆき)

「快感教材」から自分の世界に没入しがちな子どもとの関わりをつくる (『せんせい、いっしょ。-特別支援学校のちょっと変わった先生の、ちょっと変わった教材の話-』#01北野ちゆき)

#01  快感教材枕の角を指でぎゅっと押すとき。
ゆで卵の殻をむくとき。
マットレスにダイブするとき。
おばあちゃん家の障子に指で穴をあけるとき。
ママの二の腕をふにふに触るとき。
真冬の霜柱を踏むとき。
ピタゴラスイッチ

みなさんの快感はなんですか?

特別支援学校の教員の仕事の1つに「教材づくり」というものがあります。100円ショップなどで材料となる日用品を買ってきて、カッターや両面テープなど

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