第五幕「一杯のコーヒー」
湾岸をとばす。私のバイクは久しぶりの遠出に、歓喜の声を上げていた。晴れた濃い青い空に朝日の黄色が広がっていく中、トンネルを抜け、長い直線を走る。まだ、まわりにはクルマは少ない。スロットルをさらに開けた。シフトアップ。メーターは九十のあたりをふらついている。
長い準備期間を終え、私達惑星開拓団は一週間後、この地球を捨て去る。後二〇〇年もすれば、この地球に人は住めなくなるという。住めなくなる、というのは大袈裟で、生存維持が可能な環境が破綻してしまう、というのだそうだ。これだか