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昔むかしの物語

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過去作品に陽の目を見せる場所。ン年前の同人誌などで発表済みのモノもあります。
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#小説

とある風景

『……いつもそうなんだね、貴方って』 「え?」 『気の無い返事ばかり。仕事熱心なのは解るけ…

橘皐
5年前
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第十幕「約束の場所」

 青く晴れた空。羽ばたく白鳩。舞い散るライスシャワー。鳴りやまぬ拍手。輝く笑顔。揺れるヴ…

橘皐
5年前
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第九幕「まもるべきもの」

 通信機からの陽気な声がなくなって今日で二週間。いくら食糧が備蓄されてるとはいえ、独りで…

橘皐
5年前

第八幕「港町」

 夕闇迫るほの暗い空を、爆音と共に炎の軌跡が切り裂いてゆく。湾内に突き出たシャトルの発射…

橘皐
5年前
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第七幕「おじいちゃんといおばあちゃん」

 今日もパパとママはけんかをしていた。夜になるといつもだ。おじいちゃんもおばあちゃんもも…

橘皐
5年前
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第六幕「白昼夢」

 夢を、見ていた。長い長い、夢だった。  意識が少しずつ覚醒していくのが、何故か私には感…

橘皐
5年前
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第五幕「一杯のコーヒー」

 湾岸をとばす。私のバイクは久しぶりの遠出に、歓喜の声を上げていた。晴れた濃い青い空に朝日の黄色が広がっていく中、トンネルを抜け、長い直線を走る。まだ、まわりにはクルマは少ない。スロットルをさらに開けた。シフトアップ。メーターは九十のあたりをふらついている。  長い準備期間を終え、私達惑星開拓団は一週間後、この地球を捨て去る。後二〇〇年もすれば、この地球に人は住めなくなるという。住めなくなる、というのは大袈裟で、生存維持が可能な環境が破綻してしまう、というのだそうだ。これだか

第四幕「囚われるもの」

 睨み合っている男が二人。一人は屈強な黒人の大柄な男。もう一人は、俺と同じ黄色い猿らしい…

橘皐
5年前
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第三幕「鎮魂歌」

 そびえ立つ巨大なビル。見上げる僕自身が、人間に対する微生物のような感じだ。大気変動のお…

橘皐
5年前
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第二幕「揺れる明日」

 女は恋に生きるものだ。  幾世紀も昔のことだが、地球上で流行った言葉だそうだ。恋。わた…

橘皐
5年前
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第一幕「終末への始動」

 惑星活性化装置。俺の目の前にあるこいつを動かせば、すべてが終わる。内臓を思わせるチュー…

橘皐
5年前
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