橘皐
ちょっと一服。いろんなあれこれをお話しする場所
過去作品に陽の目を見せる場所。ン年前の同人誌などで発表済みのモノもあります。
その当時にあったひたすら書きたいシチュエーションをつなげていったらこうなりました。この作品もン年前に書いたものなので、未熟さがありありと感じられる作品ですね(白目 剣道自体少しかじったことがあるのは本当なのですが、表現力が追いついていなくてよくわからない描写になっています。また、Webで公開するにはちょっと長めなのですが、分割しづらくて、結局全部載せました。体裁を整える程度しかいじってません。 懐かしさよりも恥ずかしさがこみ上げてきますね…
『……いつもそうなんだね、貴方って』 「え?」 『気の無い返事ばかり。仕事熱心なのは解るけど、いつもそうだと、私もつまらないよ』 午前一時の電話。僕はまた自己嫌悪に陥ってしまった。いつまでこんなことやってるんだ、まったく。 「……ごめん、そんなこと、言わせるなんて……」 そうだ、よっぽど思い詰めていなければ、こんな事を口にするはずないというのに。受話器を持ち直して、一人暮らしの部屋を眺める。彼女がここに来てくれたのは、もうどれくらい前になるんだろう。 『そう謝られても、私
最近仕事から帰ってきた深夜に映画を見てることが多いです。インプットしないとね(いいわけ
書きたいシーンとシチュエーションがあるんだけど、構想を練る時間がなかなかとれなくてゴロゴロもだえてる今日この頃
如月の 陽光差す部屋 揺れる影 珈琲の湯気と 確定申告 (´・ω・`)るーるるー
#文字書きさん達の書き方が知りたい見た人もやる ってタグが(一部で)流行ってるみたいだけど、皆さんはどうなのかなー。私はシーンとシチュエーションが頭に浮かぶタイプで、キャラとか設定は後付けが多い感じ? まあそれだけじゃないけど(´・ω・`)
かれこれン十年前に書いたSF小説なんですが、某ソノケンアニメにインスパイアされたなんてとてもいえないモノ(言っちゃった 単話構成でありつつも緩やかに絡み合う物語になりましたけど、実は前半と後半でトーンというか雰囲気が少し違っています。まあ単純に制作時期がかなり離れているからなんですが。 悲壮感というかそれでもにじみ出る感情とか、いろんなモノを書きたかったことを覚えてます。それもカッコよく、ね。まあワンパターンな展開はご愛敬ってことで。 前半はなんとなーく単体でも読める内
透明なもの 冷たいもの 抱かれて気持ちのいいもの まとわりついてうっとうしいもの 私を生み出すもの 私を犯すもの さらりとする水と 貴方の心
ヘッドライトを消すと 前の車のテールランプで 貴男の顔が赤く染まる 私たちの空間が赤く染まる じっと見つめた貴男の横顔 昨日観たSF映画のような 緊急事態みたいで 訳もなくどきどきする 満ち足りているはずなのに 何故こんなに切ないのだろう 伝えたいことはいっぱいあるのに 言葉がその邪魔をする 寂しく流れるジャズの調べだけが 私たちをつなぎ止めているだけのよう ゆるりと車が動き出す 赤い世界は終わりを告げた その瞬間 もう戻れないという思いが 私を支配した 一緒にいたいのに 早
夜空を見上げてふと足を止めます 綺麗な星々が輝いています 満月の光に負けない位に輝いています しんと冷えた空気の中 私は我を忘れて見ています 嫌な事も忘れます 星座を見つけて嬉しくなります 数々の神話をその魂として 星座の宴は朝まで続きます 私もオリオンと一緒にステップを踏みたいな 虫の吐息も聞こえてきそうなほど 静かに澄みきった夜なのです こんな私の呟きは 貴方にははっきり聞こえているでしょう それなら物静かな貴方でも 少しは妬いてくれるかしら
青く晴れた空。羽ばたく白鳩。舞い散るライスシャワー。鳴りやまぬ拍手。輝く笑顔。揺れるヴェール。俺が見ているのはマリコのウェディングドレス姿とその横に立つ男の白い歯。鐘の音が、聞こえる。ブーケが、空に跳んだ。 「サトウ! おい、しっかり!」 揺さぶられて、はっと目を開ける。薄汚れたカートの顔が間近にあった。鼻につく煙に眉をひそめ、銃声で自分の存在を認識し、揺らぐ頭を左右に振って、水の臭いを嗅いだ。 「Shit!」 カートを突き飛ばして自分もごろごろと地面を転がる。みちゃ
通信機からの陽気な声がなくなって今日で二週間。いくら食糧が備蓄されてるとはいえ、独りでジャングルの中にいることがこんなにも辛いとは思わなかった。濡れた草の上に座り、背中を預けている惑星活性化装置を見上げて、俺は嘆息した。その向こうに見える鬱蒼とした木々の葉の隙間に、夕空がこれでもかといわんばかりに輝いていた。 この、計器板丸出しでそそりたつ高さ三メートル超の奇怪なオブジェが、実は何百年も前からこの星にあり、稼働し続けていたなんて、三流SF映画の題材にもなりゃしない。前近代
夕闇迫るほの暗い空を、爆音と共に炎の軌跡が切り裂いてゆく。湾内に突き出たシャトルの発射台では、風に流される白い煙が不気味に形を変えて消えてゆく。施設を警備している厳つい軍人の肩からのぞくライフル銃の銃口がきらりと光り、あたしにはそれが、死刑の宣告のように思えた。 周りで、同じように空を見上げる人々に目には、涙と、憤怒と、羨望と、諦念と、祈りが見て取れる。身に纏っているものはしかし、みすぼらしい、ほつれた裾や繕った後が幾つもある、レベルAの人間から見れば雑巾にも使わないよう
今日もパパとママはけんかをしていた。夜になるといつもだ。おじいちゃんもおばあちゃんももう知らんぷりしている。 「それがあの子のためだって言ってるんだ!」 「あの子はまだ十歳にもなってないのよ。早すぎる」 何だかわたしのことでけんかしてるみたいなんだけど、何でかは聞かせてくれない。前にけんかをやめてもらおうとパパの背中にとびのって、わたしがどうかしたの、ときいてみたことがある。 「あっちに行ってなさい!」 二人とも大きな声でわたしにそういった。わたしはびっくりして、こわく
夢を、見ていた。長い長い、夢だった。 意識が少しずつ覚醒していくのが、何故か私には感じられた。重く、ねっとりとした闇からまるで眠り姫が目覚めるような、奇妙な喪失感が私を包み込む。浮き上がってくる。「私」が浮き上がってくる。 最初に目に入ったのは、曇ったプラスティックのカバーだった。ひんやりとした空気が充満した、まるで棺桶の蓋のようだと感じた。ぷしゅうーという音と共にそれが離れていき、生温かい外気が肌を撫で回していく。ひどく気分が悪い。青白い光だけが、私の虹彩を刺激して
湾岸をとばす。私のバイクは久しぶりの遠出に、歓喜の声を上げていた。晴れた濃い青い空に朝日の黄色が広がっていく中、トンネルを抜け、長い直線を走る。まだ、まわりにはクルマは少ない。スロットルをさらに開けた。シフトアップ。メーターは九十のあたりをふらついている。 長い準備期間を終え、私達惑星開拓団は一週間後、この地球を捨て去る。後二〇〇年もすれば、この地球に人は住めなくなるという。住めなくなる、というのは大袈裟で、生存維持が可能な環境が破綻してしまう、というのだそうだ。これだか