ショートショート「音がいいドライヤー」
「遠くでドライヤーを聞きながら」深夜。
仕事が終わりやっと帰宅した会社員、音無奏(おとなし かなで)。
扉を開けるなり、ソファーに倒れ込む。
「疲れた……。ああ、でも明日も仕事か……。」
動きたくない。
倒れ込んだまま、部屋中に視線を泳がせる。
散らかった部屋が眼中に飛び込んできたが見て見ぬ振りをして
浴室へ目を向ける。
「そうだ。」
スクッと立ち上がり浴室へ向かう。
「このドライヤー。よし!シャワー浴びよ!」
先ほどまで、ソファーと一体化していた奏を動かしたのは
「音のいい