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Pilot's note NZ在住Ashの飛行士論

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NZ在住のパイロットAshによる飛行士論です。パイロットの就職、海外への転職、訓練のこと、海外エアラインの運航の舞台裏などを、主に個人的な経験に基づいて事実と意見を織り交ぜ、毎回…
自分が訓練生だった時に、こんなレポートがあったらよかったな!と思えるような内容を意識しています。自…
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Pilot's noteの有料記事を全て「返金可能」としました!

いつもAsh のnoteをご覧いただきありがとうございます。メインで「運航」しております有料マガジン「Pilot's note」についておしらせします。 この度、有料マガジンご購入者の方々の利益を守りつつ、より多くの方に私の有料記事を読んでいただくために、有料マガジン「Pilot's note」に格納されている全ての有料記事について、本日ご購入分から「返金可能*」としました。同時に、各記事の価格の改定も行なっています。 ほとんどの記事でちょい値下げしました。 有料記事の

身体意識とセンスの話

パイロットって仕事は、普段着は伸び切って穴の空いたTシャツの40〜50歳のおっさんが、制服を着た途端に時速200キロメートル以上の乗り物を日常的に操作するっていう、ちょっと考えるとかなり異質な職業だ。 さらに言うと、飛行機は動きが三次元なので、速度と高度という二つの変数を同時にコントロールしなければならないところが、操縦の難しいところであり、面白いところでもある。 今日はおっさんが能力者になる話です。興味ありませんか。 ロッククライミングとサンプリングレート趣味でロック

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JALの飲酒問題に「怒る」ひとたち

JALのパイロットが、また飲酒問題を起こしていますね。 メルボルンとあって、身近に感じたわけですが、もっとびっくりしたのは、JALがこの便を欠航させなかったことです。飲酒検査に引っかかったパイロットを、アルコール検査の数値が下がるまで待って3時間遅れで出発させる。うちの会社だったら、考えれられないことです。 そして、この事件に対する会社の措置は、JALパイロットに対する、ステイ先飲酒の禁止。 まぁ、当面の処置として会社としてこうなるのはやむを得ないでしょう。しかし、これ

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【パイロットと運動】スクワットができれば、問題の半分以上は解決している、は暴論か

前回、パイロットのメンタルコントロールについて書きましたが、わりと好評いただいています。 この記事の最後に、運動の効用について軽く触れました。 今回は、運動のストレスに対する効用について、パイロット的観点から論じてみたいと思います。 パイロットとエクササイズ実は私自身、最近毎日運動しています。 と言っても、今まではかなりレイジーで、ビールばっかり飲んでほとんど運動していませんでした。 ところが、最近あるきっかけで軽くジョギングを始めてからというもの、毎日走るようにな

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【2024年版】パイロットのメンタルコントロール

最近、シミュレータや訓練や試験で緊張してしまって成果が出ないというご相談がわりと重なり、以前も、似たような話をこちらのマガジンに投稿してきました。 需要があるトピックのようなので、最近の私自身の経験のアップデートも含めて、もう一度この辺の話を書いておこうと思います。 私も、試験に落ちたりして悩むこともありましたが、幸いにしてリカバリーに協力的な会社に恵まれてここまでやってきている気がします。 色々経験してきた中で、個人レベルで行き着いた結論を一言で言うと、 これが全て

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パースベースに異動します

そろそろNZを出てから1年近くになる。 一年前はまだATRでNZを飛び回っていたのに、今はエアバスでオーストラリアを飛び回ってる。国際線はバリだけだけど、やってることはこの一年でだいぶ変わった。 そういえばつい先日、約一年間の日本滞在を終えて妻と息子がメルボルンに帰ってきた。朝5時半に着陸したJAL773便。1時間ほど経って日本で買った息子のおもちゃと衣類と食品とその他もろもろの生活雑貨をいっぱいに詰めた段ボール箱をカートに3つも重ね、メルボルン空港から出てきた我が妻。一

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チェックアウトから3ヶ月

2月にチェックアウト(路線審査合格)して、3ヶ月がたった。このタイミングでフォローアップチェック(路線審査)が入り、ラインに出て変な方向にいってないかチェックされる。 同期の中には、最初の路線審査よりかなりリラックスしていて、楽勝だった、と言うやつもいたが、チェックはチェックだから気は抜けない。メモリーアイテム、リミテーションその他重要なルールを基本的なところから見直して、絶対に知っていなければならないことは暗記し、覚えきれないものはどこに書いてあるかを整理しておく。 チ

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NZからAUS転職して思ったこと

NZとAUSいっしょに働いている人たちの「今日1日ぱぱっと仕事してサクッと帰ろうぜ」という基本的なノリとか、失敗に寛容だけどグレードはきっちりつける訓練カルチャーなど、NZとAUSで似ているところはたくさんある。でも、よくよく考えると私の生活はかなりの部分で大きく変わっている。 家族と離れて暮らしてる エアバス飛ばしてる 高速道路で通勤してる 早朝出勤や深夜帰宅がある 国際線飛んでる 昼休憩がない フライトタイムが長い AUS独自のATCやエアスペースの問題がある まだあ

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正常性バイアスを断ち切るのは簡単ではない、が

本日のネタはこちらになります。 FL120と言われたのに、FL130だとキャプテンに言われた。流されそうになったけれど、踏みとどまって確認したら私の方が合っていた。と言う話。当たり前の話に聞こえるかもしれないが、英語圏で飛んでいると、英語がネイティブの人たち(周りのほとんどがそう)の「英語の間違い」を指摘するのは、とても難しい。今回は踏みとどまれたけど、こういう罠はそこいらじゅうに散らばっている。 正常性バイアスを断ち切るでも、正常性バイアスを断ち切る、と言葉では簡単に言

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PPLからつづく俺の弱点とは

いやほんとにしんどかったよ。 どのレイヤーで話をするかによって異なるんだけど、一番浅いというか、短期的かつ表面的なところでは、前回も書いたジェット機の速度と高度、つまりエナジーマネジメント。 風の強いNZでATR飛ばしてきたのと、よくできている飛行機のおかげで、3000ftから下の操縦にケチがついたことはなく、割と風が強くても(訓練生の間は20ktの横風制限だから、大した風ではないんだけど)ふーん、って感じで毎回降ろしていた。 問題は、3000ftにちゃんと持ってこられ

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ベースはどこがいいかな

今日はこれについて オーストラリアに来てそろそろ半年が経つ。今はメルボルンだけど、うちの会社はベース間の動きが多いので、今のところ移ろうと思えばどこへでも行ける状態。さて。 それぞれのベースの特徴メルボルン 長所 東海岸を中心に短距離路線(=離着陸多い)が多く、面白い 大きな都会で、便利。日本への直行便(QF JAL)。子供の教育機会が充実 短所 忙しい、深夜早朝便、4セクター、馬車馬ベース 家の購入は厳しい。今の場所(高速で20-30分くらい)だと、1億はする。 オー

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ジェット機に100時間乗って感じたプロペラ機との違い

ジェット機のA320に乗っておよそ100時間。 ターボプロップ(プロペラ)機のATRから移って最も難しいと感じた違いは、やっぱり降下プロファイルとスピードの管理(エナジーマネジメント)だった。頭の整理も兼ねてちょっとまとめてみる。 プロップは運用限界高度が25000ftで、運用限界速度(VMO)は250kt。滑走路から降下開始点(TOD)にVNAVが引いた降下プロファイルは基本的にずっと3度のままで、降下開始したらパワーオンでずっとその3度を降りていけるし、巨大なプロペラ

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2023年の暮れに

今年を簡単に振り返る記事を書いた。 年の切り替わりを前に、特別なことは何もしていない。カレンダーの年が切り替わることに、実務的な意味が個人的にほとんどないのは、人生が充実している証拠だと思いたい。 最近の状況タイプレーティング、グラウンドコース、シム、と順調にこなして、路線訓練が始まった。今年1月に始まった転職だから、今年中に飛び始められたのは順調な方だと思う。訓練が忙しかったのはもちろんだが、国をまたいで転居と転職をしたのは非常に大きな変化だった。オーストラリアはNZと

衝動の対極にあるもの

先日、こんなツイートをしたら、たくさんの反応があった。 端的に言って、自分でもよくやってきたと思う。 運と、人の助けと、自分の努力が三位一体になってようやく今の生活がある。そのどれが欠けても、今の自分はないわけだけれど、最も大事なのはリスクを取ることを、最終的に自分で選択したこと。 大人が子供に教えるべきことリスクを取らずに、何かを変えようとすることは、もはや狂気と同じ。なぜなら、「リスク」とは将来の不確実性の大きさを示す言葉だから。その不確実性には、当然将来が「いいこ