20241106「お前はもう...」
ひとりは弓を持ち
ひとりは銃を持って
片方は茶色
片方は白色
わたしはどちらでもないが
どちらにも加担している
わたしの照準は
既に狙いを持っていて
その中心を撃ち抜こうとしている
それが正しいのかは
既に気にしていないのだが
命中したのなら
それは幾つかの本望の一部
誰も倒れたくはなかったはずでも
既に言い渡されているのは
お前はもう死んでいるという宣言
撃たれたのはほんの一瞬
その過程の裁断を更に細かくしながら
ゆっくりと倒れていく時間を
更に遅延させつつ
その間に合わない間合いを遠退かせ
同時に失われて行っている
どれもがゆっくりなら
せめていいだろうに
届かないその瞬間を
まざまざと観ているだけ
目の前のことなのに
今と過去を前後させ
更には未来とも交錯しながら
命を差延させ
無常の軌道を
のっそり進んでいる
亡くなりつつ生きて
生きつつ亡くなって
どの時間を解釈すれば
届かない遅さを
更に肯定できるのだろうか
いついつまでもと
誰かが歌って
悲しみと寂しさを胸に
明日にはそのニュースを忘れ
いつのことだか
それが本当に在ったのか
名も知らないそれぞれの存在
確かに生まれ
確かに亡くなり
その欠片を残しながら
時間の彼方を誰某が包含している
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