20241228「わたしの前後」

わたしの前後を
入れ換えて
さっきまでのそれらを
誰彼の雰囲気で
選択を与え
望むものを得ている
記憶の今を忘れつつ
在るものを保管しながら
遠くまで放って
その地点まで到達する
知らない所だとしても
自分がそう思っていれば
既に変容の眼差しで
それらを観ている
今を遅らせ精緻に濁る

何度も繰り返し
その失敗の連続
誰かが気づいて
ひとつを学び
それらを敷衍させ
恩恵の欠片を享受している
跳びの連続であっても
その地点で思考して
思ったものとは違うとしても
入れ換え可能なカードをめくり
出た目の分だけ
遠くへも近くへも移動して
別の視点を複数化させ
わたしはそのわたしに
近づくのだろう

わたしたちの前後で
誰かが問うて
答えらしき解を
訝しげになぞり
これからの出来事を
楽しんでおこう
揺さぶりの連続であっても
既に傾げたノブを弾き
ぴんと来た間合いで
後ろからのひかりをもって
長い影を伸ばしておこう
それらを踏みながら
歩いていれば
きっとそのわたしは
誰かの役になるかもしれない