【読書会_開催報告】第6回_Yokohamaゆったり読書会(24年9月8日(日)開催)
▽はじめに
2024年9月8日(日)第6回 Yokohamaゆったり読書会を開催しました。今回初参加の方5名を含む8名で開催しましたが、脱線トークも含め楽しい時間となりました。(ご参加者の皆様ありがとうございました!)以下、開催報告になります。
▽開催場所
今回も桜木町のレンタルスペースをお借りしました。桜木町駅徒歩1分でアクセスも良く、キレイな内装であったので、また利用したいと思っています('ω')
▽自己紹介・アイスブレイク
まず自己紹介とアイスブレイクを行いました。
アイスブレイクのテーマは「秋に食べたいもの」。栗、焼き魚、なし、スタバの季節限定カフェなどのコメントを頂きながら、穏やかな雰囲気になりました。
▽ご紹介頂いた本
今回以下8冊の本をご紹介頂きました。
①「ノッキンオン・ロックドドア」青崎有吾 (著)
(概要)
密室での事件や、容疑者全員にアリバイがある「不可能」犯罪を専門に捜査する巻き毛の男、御殿場倒理。そして、ダイイングメッセージや奇妙な遺留品など「不可解」な事件の解明を得意とするスーツの男、片無氷雨。この二人は相棒でありながらライバルでもある探偵で、彼らが経営する探偵事務所「ノッキンオン・ロックドドア」には、今日も奇妙な依頼が舞い込んできます。新時代の本格ミステリ作家が贈る、二人の探偵が活躍する物語が始まります!
(感想)
著者の代表作に「地雷グリコ」がありますが、本書も同様に、事件解決のロジックが凄く、こうだと思ったら裏切られ、でもまたそれが爽快な内容とのこと。また性格や特徴の異なる2人の主人公(相棒)の絡みも魅力的ということです!2巻完結のようで、ドラマ化もされたみたいですね('ω')。ご紹介頂いた方のご説明が分かりやすく、また、本に対する愛情も感じられたので、この本読みたくなりました!
②「明智恭介の奔走」今村 昌弘 (著)
(概要)
神紅大学のミステリ愛好会の会長である明智恭介は、小説に登場する探偵に憧れ、事件を求めて名刺を配り歩いています。彼はミステリ小説のような謎に出会えるのでしょうか?大学のサークル棟で起きた不可解な盗難事件や、商店街で噂される日常の謎夏休み直前に起きた試験問題漏洩事件など、全五編の物語が収録されています。『屍人荘の殺人』の前に、助手で唯一の会員である葉村譲とともに挑んだ知られざる事件を描く、待望の〈明智恭介〉シリーズ第一短編集です!
(感想)
個人的に、気になっていた作品で、ご参加者にも同じ気持ちの方がいて、ご紹介頂き嬉しかった1冊でした('ω')。『屍人荘の殺人』などに登場した明智さんが、猫探しや不倫など日常の些細な事件に挑む短編集とのことで、表紙ではクールな外見の明智さんもどこか可愛らしいキャラのようで(笑)。これは読まねば!ご持参した本が、今村昌弘さんのサイン本で「おぉ!」と盛り上がりました(^^)/
③「13歳からのアート思考」末永 幸歩 (著)
(概要)
この本は、中高生向けの「美術」の授業を基にして、次のような「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説しています。「自分だけの視点」で世界を見つめる/「自分なりの答え」を見つける/それによって「新たな問い」を生み出すこの本を通じて、「自分だけの視点」で物事を見て、「自分なりの答え」をつくりだす考え方を身につけられます。
(感想)
物の見方を色々な角度から見ていこうという趣旨の本で、芸術だけに留まらず、物事や人の見方にも通じるなあと思いました!中学生一年生くらいの13歳という年齢は、図工から美術に学校教科も変わり、丁度興味を失う時期ということもあり、その時期の思考の大切さを綴ったようです。本書から、美術・アートにまで雑談が広がり楽しい時間となりました。面白そうな本でした!
④「掏摸(スリ)」中村 文則 (著)
(概要)
東京で活動する天才スリ師が主人公です。ある日、彼は「最悪の男」と再会します。その男、木崎はかつて一緒に仕事をした闇社会の人物です。木崎は彼に、「これから三つの仕事をこなせ。失敗すればお前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」と脅します。運命とは何か、他人の人生を支配するとはどういうことか、そして社会から外れた人々の切なる祈りとは何かが描かれます。絶対悪と天才スリ師の戦いが、今、始まります!
(感想)
天才スリ師、面白そうなテーマです!中村文則さんは、個人的に「教団X」を読みましたが、本書はそのテイストとは異なり、比較的読みやすそうです('ω')。悪の組織の存在も気になります!ご紹介頂いた方は、紙の本と、電子書籍の2冊購入され、電車読書をされているようで、本に対する愛着が感じられました。スリの手口も巧妙だそうで、電車内で振り返りそうです(笑)これは、読んでみたい1冊です(^^)/
⑤「ギヴァー 記憶を注ぐ者」ロイス ローリー (著)
(概要)
この物語は、近未来または現代の管理社会での人間の葛藤を描いたディストピア寓話です。物語はシンプルな設定ながらも、家族、職業、愛、生と死、幸福、歴史と未来などの重要なテーマを深く掘り下げています。主人公はもうすぐ12歳になる少年ジョナス。彼が住むコミュニティは、苦痛も不便もなく、安全で平穏な理想郷のようですが、何かが欠けていると感じています。12月に行われる「12歳の儀式」で、ジョナスは「記憶の器」に任命され、コミュニティの秘密に迫ることになります。
(感想)
映画にもなったSFファンタジーで、このコミュニティを支配する何人かの長老がいて、そこの住民は何不自由なく暮らしてはいるものの、感情を無くしながら暮らしています。生きるとは何か?の本質を考えそうです。レシーバーとなったジョナスが過去の記憶から、外の世界、知識、楽しみなどを知り、閉塞感のあるコミュニティから解放されていく展開に、壮大さと、希望を感じました。昔の作品だそうですが、これもまた面白そうな作品です(^^)/
⑥「100万分の1回のねこ」 複数著作
(概要)
佐野洋子『100万回生きたねこ』への、13人の作家によるトリビュート短篇集。江國香織「生きる気まんまんだった女の子の話」/岩瀬成子「竹」/くどうなおこ「インタビューあんたねこ」/井上荒野「ある古本屋の妻の話」/角田光代「おかあさんのところにやってきた猫」/町田康「百万円もらった男」/今江祥智「三月十三日の夜」/唯野未歩子「あにいもうと」/山田詠美「100万回殺したいハニー、スウィート ダーリン」/綿矢りさ「黒ねこ」/川上弘美「幕間」/広瀬弦「博士とねこ」/谷川俊太郎「虎白カップル論」等
(感想)
絵本『100万回生きたねこ』のトリビュート短篇集だそうです。内容的には独立短編集のようで、繋がって一つの物語になる形式ではないのですが、各話には、"ねこ”らしきキャラが登場しているようです('ω')ご紹介頂いた方は、言葉・言い回し・表現などにご興味を大変お持ちでして、そのような本の読み方っていいなあと思いましたし、本書も面白そうだと思いました!大人になって絵本を読むと、子供の時とはまた違う気持ちになりますよね('ω')
⑦「源氏供養」森谷 明子 (著)
(概要)
寛仁三年、西国で「刀伊の入寇」と呼ばれる騒乱が起こり、それが原因で流行病が広がり、都でも噂になっていました。紫式部(香子)は出家して宇治の庵で一人暮らしをしています。小一条院妃の延子から『源氏物語』の続きを書くように頼まれますが、手の痛みで筆を持つことができません。そんなある日、庵の近くで毒を盛られたと思われる猫の死体が見つかります……。この物語は、王朝時代の推理絵巻の完結篇です。
(感想)
紫式部が探偵役となり、事件を解決する話とのことです。個人的に大河ドラマ「光る君へ」にハマっていて、平安時代の面白そうな小説を探していたので、本書は非常に興味を持ちました(^^)/。あと、源氏物語は、光源氏の後に、息子の話があり、それがあるが故に、本書も続編が出るか!?の噂もありつつ、なかなか出ないとの事でした(苦笑)。私も歴史小説大好きなので、お話を聞いていて楽しかったですし、手に取りたい1冊でした('ω')!
⑧「サロメの断頭台」夕木 春央 (著)
(概要)
油絵画家の井口は、元泥棒の蓮野を通訳として連れ、祖父と縁のあったオランダの富豪ロデウィック氏を訪ねます。ロデウィック氏は美術品の収集家で、翌日、井口のアトリエで彼の絵を見て「そっくりな作品をアメリカで見た」と言います。未発表の絵がどうして盗作されたのかを探るうちに、井口の周りで戯曲『サロメ』に見立てた連続殺人が発生します。
(感想)
私が紹介した作品です。「方舟」や「十戒」で有名な夕木さんの最新作で、実はこの作品はシリーズの3作目だったということを読んでから判明(笑)でも単体でも十分楽しめる内容です。事件の展開が、贋作犯・盗作犯探しから、戯曲「サロメ」の見立て連続殺人、失踪した美術家の妹の行方、謎の女優岡島あやの過去など、バラバラの事件が一本の線で繋がるラストは断頭台の意味と合わせ、不気味かつ圧巻です('ω')!
▽最後に
第6回は、3名の方が読書会自体が初めてということでしたが、皆さん初読書会とは思えないほど、しっかりお話をされ素晴らしかったですし、私の読書会を最初に選んで頂いて、大変嬉しかったです(^^)/
また、お菓子片手に楽しい雰囲気で、本の話はもとより、芸術、アートなどの雑談にも発展したことも良かったです。
あと今回は本当に読んでみたい本のオンパレードでした!
次回は、読書会+ミニカードゲームの企画を検討中です('ω')。開催日が決まり次第、アップしますので、是非ご参加いただけると嬉しいです('ω')!