恋をした実験マウス(グロテスクな描写を含みます)
「恋をすると世界が変わる」と、誰かが言っていた。
僕はその言葉を肯定する。
彼女と初めて会ったあの日、生まれ変わった僕の世界は冷たく、そして僕に優しくない世界だった。
僕の中に予め内蔵されていた運命がギリギリと嫌な音を立てた。
警告音だった。僕には戻るという選択肢があった。
だけど、僕はそれを選ばず、破って捨てた。
びりびりになった紙が僕に問いかけた。
「後悔はしないか?」
僕は答えた。
「もちろん」
紙は返事をしなかった。
ただの紙切れになり、冷たい世界の一部と