しん@かこかり中の人

熊本市で毎月第三日曜日にひきこもり定例会を行っている「かこかり」運営者。常設の居場所作りに動いています。アイデア、協力者、募集中。

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マガジン

  • あいまいな過去 ひきこもりの日々

    引きこもりの日々の事を綴っています。 少しでも引きこもりや生き辛さについて考えてもらえたら幸いです。

最近の記事

【あとがき】 あいまいな過去 13~15

ひとまず、番号つきのあいまいな過去はこれで終わりに。 この後も、当時の思いをボチボチ書いていくかしれないけど、それはまた別のあいまいな過去として。 これまで読んでいただきありがとうございました。 ではでは、 13) 集団療法に参加した僕はそこで新しい友達ができます。 そこには一人の力強い(半ば強引な)コミュニケーションもありました。 当時の僕は、それこそ人見知りのひきこもり、おまけに社交不安障害もちだったので、グイグイ来る彼に戸惑いの部分も大きかったです。 それでも

    • あいまいな過去 15 引きこもりの日々を綴って

      そうして始めて こうして綴って あれからもう何年 僕は今こうして その時間を生きている 僕には思い出の無い時間がある 振り返る事の無い時間、降り返るモノの無い時間 その時間を埋めるように 今まさに青臭い事を経験して苦しい春をおくっている 精神年齢なんてモノがあるなら実年齢の半分も行かない 今のちぐはぐな自分をあの時代に送り返したくなる そうしてまっとうに年相応の経験を気兼ねなく積んでもらいたい 何も無かった時間を僕はもう埋められない 幸か不幸か、今の

      • あいまいな過去 14 引きこもりの日々を綴って

        その空間は狭くて暑くて楽しかった 小型テレビと兄の顔 隣の部屋の親の声 もぐりこんだ布団の中で 僕たちはその世界をつくっていた 僕には一人、兄がいる。 兄は、共働きだった両親の代わりに僕の面倒をよく見てくれた。 前に僕は、勉強もせずにテレビや新聞なんかで学んできた と書いたけど、兄からの影響もとても大きい。 趣味や、そこからの知識、身の周りにあるもの 僕に影響を与えてくれた兄はいつもそこに居てくれていた。 不登校になっても、ひきこもりになっても、僕がどうなろう

        • あいまいな過去 13 引きこもりの日々を綴って

          新たな場所と新たな出会い 気が付くと知り合っていた 友達になっていた これも求めていたものだったのだろうか 何となく話すようになった 人と 半ば強引に話すようになった 人と 時に僕の意思とは関係なく 少しだけ 少しずつ 世界は広がっていった そして 繋がっていく 最後までの友達 最後の友達 僕は唯一の彼と再会する 繋がりは思わぬ形で 僕達はまた笑い合う事になる あの時までとは違う ちょっとした話でまた

        マガジン

        • あいまいな過去 ひきこもりの日々
          21本

        記事

          【あとがき】 あいまいな過去 10~12

          こうして振り返っていると いかに自分が誰にも話さず(話せず)誰にも頼らず(頼れず)に過ごしてきたかが分かります。 もし、誰かに話せて聴いてもらえたなら そうして一緒に考えられたなら、助かったことは多かったのではないかと思います。 だから、もし今あなたに抱えているものがあるのなら誰かに話して欲しい。 そして、あなたが少しでも誰かの力になりたいのなら、まず話を聴いてほしい。 10) この時は本当にきつかったです。 いよいよ、自分は壊れてしまう、いや壊れてしまったと恐怖してい

          【あとがき】 あいまいな過去 10~12

          あいまいな過去 12 引きこもりの日々を綴って

          僕は精神科のお世話になっていました。 それこそ、不登校になっての早い時期からだったでしょうか。 入院を勧められたり、薬を勧められたり 先生は先生らしい事をしてくれようとはしていましたが 僕は思い通りに動いてはいなかったでしょう。 精神科医としてなのか人としてなのか  診察初期の頃に起こった出来事から僕は 先生を信頼できなくなってそっれきり。 それはもう診察なのか何なのか それでも関係は続いて行きました。 それから… 治療とは関係なく一人で過ごせるように

          あいまいな過去 12 引きこもりの日々を綴って

          あいまいな過去 11 引きこもりの日々を綴って

          「ちょっとだけの勇気があればいいのである」 唯一の彼が来なくなって 僕は時間を持て余していました。 やがて、あてもなく外の世界を知りはじめます。 ようやく僕は、一人で動ける事を知るのです。 そうして僕は、拡がった世界に触れていきました。 なんとなく僕は、変化を求めるようになっていました。 …それは不思議な感覚でした。 このままでなくても良いのではないか きっかけはわからない。 気が付くと僕は探していた。 それが探していたものだったのか 一人で行けるよ

          あいまいな過去 11 引きこもりの日々を綴って

          あいまいな過去 10・2 引きこもりの日々を綴って

          ・・・そう、「僕」は震えていたんだ 僕は考える。 なぜ、僕は震えている? 恐れているからだ。 何を? 狂気に走る自分を。 自分の事なのに? 自分の事だからだ。 心がこの狂気を肯定している?    僕の本心はこの狂気なのでは。 僕はどっち? 求めるものを感じて恐怖するだろうか? 僕を震えさせるこの想いは 震えている「僕」を教えてくれた。 そう、「僕」は震えている 僕と感じるのは震えている「僕」 湧き上がる狂気を感じる「僕」 僕は思った

          あいまいな過去 10・2 引きこもりの日々を綴って

          あいまいな過去 10・1 引きこもりの日々を綴って

          僕は震えていた ガタガタと… その事に気付いたのは何時だったのだろうか 僕は楽になりたいと思っていた それは間違いない その思いに取り付かれたのだろうか その思いに取り付いたのだろうか 毎日の様に流れていたニュースは違う方法を教えてくれた それは簡単な方法 求めるのは 僕を苦しめる世界からの解放 僕は世界を壊せる 僕は世界を壊せてしまう 当時の僕の世界は家族だけだった これさえ無くなれば世界は壊れる 想像は僕を魅了した

          あいまいな過去 10・1 引きこもりの日々を綴って

          【あとがき】 いあいまいな過去 7~9

          あたり前ですが、こうして綴っている話は僕にはすでに知っている話です。 実のところ、知っていればこその書き方になっているのではないかと思います。 読んだ人にどう伝わるのか 僕の意図する所とは違う伝わり方をしていたとして、それはそれで良いのです。 こうして書き綴っている奴が居るって事だけでも伝われば幸いです。 7) この時、と言うか暫くのあいだずっと僕は毎日本当に祈ってました。 寝る前の布団の中で 「明日も何事もありませんように」 「無事に平和に過ごせますように」 と神

          【あとがき】 いあいまいな過去 7~9

          あいまいな過去 9 引きこもりの日々を綴って

          僕の家はちょっとした溜まり場になっていた。 何人もの友達がよく遊びに来ていた  これは、学校に行かなくなっても変わらず  そうして遊びに来てくれる事は嬉しかった。 この状態を維持したい 友達と、遊び、話し、笑い合う 楽しい時間は僕を現実逃避させてくれた。 この時間が無くなるのは嫌だ 次第に僕は、友達といる時間に依存していった  生きる意味、と言っても大袈裟じゃないほどに。 遊んでいる時、話している時、笑っている時 楽しい時間は、無くす恐怖をつねに伴な

          あいまいな過去 9 引きこもりの日々を綴って

          あいまいな過去 8 引きこもりの日々を綴って

          「誰にも言わない。だから安心して話をして」 不登校になった僕は、病院に連れて行かれた。  何故、病院に行くのか 僕には解らなかった。 病院で治す事なのか 病院で治る事なのか …僕は病気なのか そこは、大学病院の精神科 先生は何冊も本を出している専門家 そんな、人。 僕は先生に少しだけ 誰にも話していない話をした。    話しても無駄だと思う話を 先生にだけ、先生しか聞かないから話した。    話して楽になりたかったのか 先生を試したのか な

          あいまいな過去 8 引きこもりの日々を綴って

          あいまいな過去 7 引きこもりの日々を綴って

          悪い事の後には、良い事がある では、その逆は… 僕は変化を恐れていた 状況が好転するとは思えなかった 変化は苦しみしか生み出さない ぬか喜びはしたくない 世界は不安定で その危うさに震えていた 僕は日々祈っていた 対象は何でもよかった ただ平穏な日々を望んでいた 悪い事はもちろん 良い事すら恐れて 期待はつねに裏切られ 喜びはいつも悲しみを生みむ 世界は僕の予想を肯定していった そうして今あるものに依存して。 意識して僕は 硬い殻を作

          あいまいな過去 7 引きこもりの日々を綴って

          【あとがき】 あいまいな過去 4~6

          この「あいまいな過去」、元になる記事をmixiに書いたのはもう十年前の事でした。 そして、その記事の中の話自体はそこからさらに十年以上も前の話。 いま、書き足したり削ったりしながら当時の事を思い出しています。 もう大丈夫かなと思っていましたが、思い出すと今も少し辛いですね。 (3と6は今回noteで初めて書いた話) 4) 遊びに来ていた友達と、登校を促していた同級生。 今思えばどちらもありがたい存在ですが、当時は登校を促されても困るばかりで、促してくる存在は正直迷惑だと思

          【あとがき】 あいまいな過去 4~6

          あいまいな過去 6 引きこもりの日々を綴って

          相談先は次々と 母親に連れられて 話は僕を置いていく 両親は共働き 僕はいわゆる鍵っ子だった。 母は夜勤のある仕事をしていた 不規則な勤務 僕に構う時間は限られていた。 他の家は違うようだ 僕の家もそうあってくれたら 他の家庭を知るたびに 悲しさと寂しさをおぼえた ここでも普通は語りかけてくる 無いものねだりはどこまでもあった。 不登校になった僕 母と過ごす時間は増えた。 各種相談機関、精神科と僕を連れて 様々な大人に僕は紹介された。 ある相談機関の運動が出来る

          あいまいな過去 6 引きこもりの日々を綴って

          あいまいな過去 5 引きこもりの日々を綴って

          あなたはどこを見ていますか あなたは誰を見ていますか 何を見せたいのでしょうか 何を見てきたのでしょうか 中学校に所属が変わった当初 先生が何人か家に来た。 中にはこんな先生もいた。 いきなり部屋に入ってきて 寝ているぼくに馬乗り なれなれしく話しかけてくる こっちの事はおかまいなし。 一人で盛り上がっている 彼は考えただろうか 突然、知らない男に襲われて 布団の中で恐怖する子供のことを。 中学の思い出はこれと 後は最後の日のこれと。 卒業証

          あいまいな過去 5 引きこもりの日々を綴って