あいまいな過去 10・1 引きこもりの日々を綴って
僕は震えていた
ガタガタと…
その事に気付いたのは何時だったのだろうか
僕は楽になりたいと思っていた
それは間違いない
その思いに取り付かれたのだろうか
その思いに取り付いたのだろうか
毎日の様に流れていたニュースは違う方法を教えてくれた
それは簡単な方法
求めるのは
僕を苦しめる世界からの解放
僕は世界を壊せる
僕は世界を壊せてしまう
当時の僕の世界は家族だけだった
これさえ無くなれば世界は壊れる
想像は僕を魅了した
僕は想像する
台所で用意をし実行に移す僕を
楽になる
想いとは裏腹に
僕は震えていた
こんな事を想う自分が怖かった
こんな事に魅了される自分が
こんな事を出来てしまうであろう自分が
怖かった
怖いと思えば思うほど
僕の頭はこの想いに埋め尽くされた
常に浮かぶ狂気に走る自分
目を瞑れば事を終えた自分が立っている
日々リアルになって行くもう一人の自分
繰り返される狂気の妄想
この妄想は僕の本心ではないのか
実行を止める必要が有るのだろうか
僕はわからなくなっていた
楽になりたかった
この思いの暴走を受け入れ始めていた
夜、僕は胎児のように布団の中で丸まる
震えるほど寒いのに全身は汗で覆われていた
湧き上がる想像
やってしまえ
囁きかける
お前が望んだと
閉じた瞼に映る自分を見ながら
僕は震えていた
ガタガタと・・・
熊本市で、ひきこもり自助グループ「かこかり」の運営をしています。 居場所作り活動中。