あいまいな過去 11 引きこもりの日々を綴って
「ちょっとだけの勇気があればいいのである」
唯一の彼が来なくなって
僕は時間を持て余していました。
やがて、あてもなく外の世界を知りはじめます。
ようやく僕は、一人で動ける事を知るのです。
そうして僕は、拡がった世界に触れていきました。
なんとなく僕は、変化を求めるようになっていました。
…それは不思議な感覚でした。
このままでなくても良いのではないか
きっかけはわからない。
気が付くと僕は探していた。
それが探していたものだったのか
一人で行けるようになった古本屋。
ふと手にした本の最後の一行。
その一言は僕に突きつけられた。
僕の今に必要なもの
僕の今に足りないもの
それは実に平凡な言葉。
そんな事はわかっている
そんな僕の思いを置いて、僕はその本と帰った。
その本の全てを読むのは
ずいぶん先の事となるのだけど。
熊本市で、ひきこもり自助グループ「かこかり」の運営をしています。 居場所作り活動中。