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【要約・読書記録】インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。:菅付雅言

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今回は「インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。」の要約と書評をしていきます。


1.本を読んだきっかけ


本屋を歩いている時に、一際目立つ自己啓発本を見つけました。何冊か自己啓発本を読んだことがある私は、他の著者が書いている内容と大して変わらないだろうと思いつつも、手にとってみました。目次を見て、「あ、これは読みたい」と直感的に思ったので、実際に買いました。直感的に惹かれた理由は、インプットを様々な観点から深めることができると感じたからです。

2.著者紹介


菅付雅言(すがつけ・まさのぶ)
編集者/株式会社グーテンベルクオーケストラ代表取締役。1964年宮崎県生まれ。「コンポジット」「インビテーション」「エココロ」の編集長を務め、現在は編集から内外クライアントのコンサルティングを手がける。写真集では篠山紀、森山大道、上田義彦、マーク・ボスウィック、エレナ・ヤムチュック等を編集。坂本龍一のレーベル「コモンス」のウェブや彼のコンサート・パンフの編集も。アートブック出版社ユナイテッドヴァガボンズの代表も務め、編集・出版した片山真理写真集 『GIFT』は木村伊兵衛写真賞を受賞。著書に「はじめての編集」「物欲なき世界」等。
教育関連では多際美術大学の非常勤講師を4年務め、2022年より東北芸術工科大学教授。
1年生600人の必修「総合芸術概論」等の講義を持つ。下北沢B&Bにてプロ向けゼミ<編集スパルタ塾)、渋谷パルコにて中学生向けのアートスクール<東京芸術中学>を主宰。
2024年4月から博報堂の教育機関「UNIVERSITY of CREATIVITY」と<スパルタ塾・オブ・クリエイティビティ>を共同主宰。NYADC賞銀賞、D&AD賞受賞。

3.内容の要約

概要


クリエイティブ教育とは「いかにアウトプットするか?」を教えるものと思われています。しかし、アウトプットのやり方は、人・媒体・環境・時代とともに激しく変化します。そのため、少し前のアドバンテージも全く無効になってしまうこともあります。クリエイティブ教育の普遍のメソッドとは、「知的インプットのやり方を教えること」と著者は考えています。つまり「アウトプットの質と量は、インプットの質と量が決める」ということです。

第1章 インプットのルーティン──天才はアイデアを生み出す「仕組み」を持っている。


クリエイターは「ひらめき」に頼らず、アイデアを出す「仕組み」を持ちます。その仕組みとは、アイデアを生み出し続ける仕組みです。その仕組みを支えるためには日常的な習慣とその精度が重要になります。
大切なのは、プロでも賛否が分かれるものをインプットすること、つまり「いいもの」ではなく、「すごいもの」をインプットすることといえます。「すごいもの」とは、世に出た時に賛否が分かれるが、歴史にくさびを打つものといいます。これらを著者の経験を通して、述べています。

第2章 目のインプット・読書編──「負荷のある読書」、それに勝るインプットはない。

最強のインプットは読書であり、アスリートが筋トレによって筋肉の増大をはかるように、日々言葉を頭の中で捉え直し、有機的に組み立てていくことによって脳とそのイメージを活性化させます。つまり、本は頭のダンベルです。
また、読書によってインプットしたものを、どう分類し、保存し、活用していくか、どうやって自分の頭の「外付けハードディスク」にして、いつでも取り出せるしていくのかが、重要な課題といえます。この方法として、「フラッグ読み・スキャン・ハッシュタグ」の3ステップでアーカイブ化を紹介しています。

第3章 目のインプット・イメージ編──写真・映画・アートの「三大視覚芸術」をインプットせよ。

クリエイションとは、形のないものに形を与える行為です。言い換えると、何らかのイメージを具体的な形にすることです。この「新しいイメージを創り上げる力」を養うためには、イメージのインプットが欠かせません。また、イメージは見ればすぐに理解できると思いますが、一目見てわからないイメージも多く存在します。一目みてわからないイメージは、「見る」だけでなく、「読む」ことが求められます。
イメージを読めるようになるためには、シンプルなインプットルーティンが必要となります。現在のデジタル環境では情報が圧縮され、本来の作品の持つ豊かな情報のほんの一部でしかないのです。だから映画を見るなら映画館、写真を見るなら雑誌・写真集・写真展、アートも雑誌・アートブック・展覧会で見るのが良いとしています。

第4章 耳のインプット──音楽のセンスが悪い人間は、クリエィティヴのセンスも悪い。

現在の極めてクロスメディアで多チャンネルな情報環境で、クリエイションを発表している人は、本人が好まざるとにかかわらず総合芸術家を志向せざるをえないです。音楽の使用の有無に関わらず、音楽に何ら関心のない人の表現は人を動かす力がないとしています。
音の波だけで目に見える実態がなく、触れることもできない音楽は、概念そのものの芸術と示しています。この目に見えない概念を頭の中で組み立てて理解する作業は、イメージの創作と同時に、かなり高度な脳の活動であるとしています。

第5章 口のインプット──トップクリエイターは、なぜ「食べ方」に気を使うのか?

食べることは生きることに直結する行為であり、「食べ方は生き方」といえます。英語の慣用句で、「you are what you eat」という言葉があるほどです。また海外のトップクリエイターは、食への意識がとても高いです。さらに、食生活を続ける秘訣は、「適当さ」と述べています。様々な食事法を知り、ある程度普遍的な原理を理解しながらも、原理主義的にならず、ジェネラルな適当さを持って実践するという方向です。身体が疲れていること、頭が冴えないことの多くの理由が食に起因しているので、食に向き合うことが肝心であるといえます。

第6章 アウトプットの方程式──優れたアウトプットとは、「意外性のある組み合わせ」である。


優れたアウトプットとは、「意外性のある組み合わせ」であるといえます。クリエイティブのプロに求められるのは、まだ誰も見たことのない、聴いたことのない、読んだことのないような表現を、完成度高く実現し続けていくことと指摘しています。本書では様々な実例とともに「意外性のある組み合わせ」を紹介しています。

また最後に、今クリエイションの世界で起きている激震について触れています。AIの登場をあまり悲観することはなく、人間にしかできないことも多くあると述べています。その中で、人間にしかできないことを、「あなたにしかできないこと」を生み出した時、大きな達成感を得ることができます。

「人間にしかできないこと」ならびに「その人しかできないこと」を世に認められるものとして発表できたとき、その達成感は以前よりも大きいものになるだろうと確信している。

その時クリエイションは、趣味や余興ではなく、人間が「生きてきて良かった」とより認識する、生の実感の根源に位置するものになるだろう。

インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。

4.感想


本書を通じて、良いアウトプットを行うために、「すごいもの」をインプットしようと強く感じました。また各分野のインプットにおいて、読書のアーカイブの方法や食を意識する方法など、具体的な方法が示されているため、実践しやすいです。
特に私の印象に残ったのは、イメージを「読む」ということです。クリエイションとは形のないものに形を与える行為であるからこそ、「すごいもの」のイメージを読み取れるように、本書に記されている手段を駆使して訓練していきたいと思います。


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