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書評

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これまで読んだ本の感想とか。
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#読書の秋2020

ムンディ先生渾身の「経済の世界史」が教養となり、より「カタン」のプレイがおもしろくなる!?【山崎圭一『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 経済編』SBクリエイティブ】

ムンディ先生渾身の「経済の世界史」が教養となり、より「カタン」のプレイがおもしろくなる!?【山崎圭一『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 経済編』SBクリエイティブ】

いきなりだが、「カタン」というボードゲームがある。

土地の境目に開拓地と道路を置き、サイコロの出た目によってレンガや麦、木などの資源を獲得する。この資源が道路となり、開拓地となり、更に発展して都市となる。開拓地を多く置けばそのぶん資源もたくさん手に入り、都市として発展すればもらえる資源も2倍となる。さらにどうしてもほしい資源があれば「麦とレンガを交換しませんか?」などとほかのプレイヤーに持ちかけ

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それは20代にも30代にも必要な「ギリギリな自分を助ける方法」かもしれない【井上祐紀『10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法』KADOKAWA】

それは20代にも30代にも必要な「ギリギリな自分を助ける方法」かもしれない【井上祐紀『10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法』KADOKAWA】

このあいだ30代になったばかりだが、仕事柄10代や中高生年代に向けて書かれた本をよく読んでいる。それは別に自分の悩みに活かすためというよりかは、関わっている子どもたちに向けておすすめしたかったり、または子どもたちの悩みへ送るアドバイスの参考として読んでいる面が大きい。

だから学校の先生であったり、普段から中高生年代に関わっている大人は、こういう「10代のための~」みたいな文言がタイトルに含まれて

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まちがいない、自分も「かくれ繊細さん」の一員だ【時田ひさ子『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』フォレスト出版】

まちがいない、自分も「かくれ繊細さん」の一員だ【時田ひさ子『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』フォレスト出版】

先日大阪駅近くのジュンク堂書店に並んでいるのを見て、ついつい買ってしまった本である。決め手は「かくれ繊細さん」という耳馴染みのなかった言葉。「繊細さん」はだいぶんメジャーになってきたが、「かくれ」とははて?というその好奇心と疑問が、自分をレジへ向かわせた。

そもそもこの本で言う「かくれ繊細さん」とは、HSP全体の3割を占めると言われているいわゆるHSS(High Sensation Seekin

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