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教育問題に関する私見と雑観

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私が書いた記事のうち、教育全般に関する個人的な意見などのものをまとめています。
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#オンライン

教育委員会主導の「難関大受験」特化のオンライン講座は一人一台端末の無駄遣いの最たる例

教育委員会主導の「難関大受験」特化のオンライン講座は一人一台端末の無駄遣いの最たる例

福岡県教育委員会は、東大、京大などの難関大学を志望する県立高校の生徒を対象に入試対策のオンライン講座を実施したそうです。

この取り組みは1人1台端末の活用と、学校横断型教育プログラムの最初の試みとのことです。

難関大学の受験指導に卓越した教員による指導?この県の広報資料に関してはいろいろと突っ込みどころがあります。

まずは「県立高校の中で難関大学の受験指導に卓越した教員による指導」というとこ

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学校の統廃合問題を解決する手段はオンライン授業の導入

学校の統廃合問題を解決する手段はオンライン授業の導入

全国の過疎地域では小中学校の統廃合が進んでいます。

岐阜県の恵那市では5校統合が計画されており、その通学域は名古屋市よりも広い範囲になるということです。

スクールバスで往復2時間の通学時間になることも問題視する意見が出ています。

極端に無理な統廃合か?この話を聞くと、住民の意向を無視した行政サービスの悪化である、という印象を抱きます。

しかし、実際のところ、その合理性はどの程度あるのでしょ

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大阪教育大学の「OKUTEP」がなかなか良い学びになる件

大阪教育大学の「OKUTEP」がなかなか良い学びになる件

大阪教育大学がオンラインの学習サイトの運営を始めました。

基本的には教員向けの学習プログラムがオンライン動画として準備されており、登録後に視聴することができるというものです。

デジタルバッジ制度「OKUTEP」ではデジタルバッジシステムを採用しています。

これは動画視聴、小テストの受験などによって学習の履歴を証明するシステムです。

デジタルバッジには知識バッジと能力バッジの2種類が存在しま

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大学入学共通テストの出願、ようやくオンライン化(と言っても2025年から)

大学入学共通テストの出願、ようやくオンライン化(と言っても2025年から)

大学入学共通テストの出願手続きがようやくオンライン化するようです。

このニュース自体は歓迎すべきものではありますが、正直な感想としてはあと5年は早くできたのではないか、という感想を抱きます。

従来の出願現役の高校生の場合、大学入学共通テストの出願は学校を通じて行います。

まずは学校が紙の出願書類を大学入学センターに必要部数を注文し(多くは最寄りの実施大学から取り寄せる)、それを生徒に配布しま

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紙の辞書とネット検索、どちらが効果的かは議論すべき本筋ではない

紙の辞書とネット検索、どちらが効果的かは議論すべき本筋ではない

ICTが学校現場に普及する事で以前から度々議論となっていた辞書問題が再燃しました。

電子辞書と紙辞書のそれぞれの推進派はこれまでも多くの白熱したバトルを繰り広げ、決着が付かないままこう着状態となっていたように感じます。

紙辞書は時間がかかるが類語や用例、目的外の単語に出会える可能性がある。電子辞書は検索が速いが類語の数が少なかったり、例文の数に不安が残るといったものです。

ネット環境につなが

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GIGAスクール3年目、ICT利用の持続化の分かれ目

GIGAスクール3年目、ICT利用の持続化の分かれ目

2020年、感染症拡大の懸念から全国一斉休校が実施されました。

その流れの中で、GIGAスクール構想の前倒しが決定され、日本中の小中学校にはタブレットPCなどのICT端末が配備され、ネット環境の整備が進みました。

こうした流れはICT普及の起爆剤となって、停滞していた日本のICT教育政策を一気に推し進める形になったわけです。

1、2年目は休校で、ICT機器の利用を余儀なくされた2020年の夏

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「リモート面談」が捗り過ぎる

「リモート面談」が捗り過ぎる

私の勤務校では夏休み期間に課外授業が行われます。

昨日、終業式が終わり、課外授業は来週からというこの数日は主に面談を実施するために使われています。

夏は山だ、海だ、三者面談だ夏と言えば三者面談の時期です。

高校生のこの時期の三者面談は、高1の場合は初めての高校生の夏休みの時間の使い方や先取り学習を中心に話します。

高2の場合、受験に向けての具体的なスケジュールと数学と英語の範囲学習や文法語

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