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大学入試/進路指導関連

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私が書いた入試や進路関係の記事のまとめ。九州の受験事情も。
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2022年7月の記事一覧

「偏差値」で大学を選ばせないという担任、進路指導担当者の矜持

「偏差値」で大学を選ばせないという担任、進路指導担当者の矜持

生徒の進学指導を行うとき、「偏差値」で大学の良し悪しを論ずる風潮は非常に強いです。

もちろん、高偏差値大学に記憶力や論理的思考力の優れた学生が多いことを否定はしません。

実際、私の勤務校の卒業生を見てもその傾向はありますし、方々から聞こえてくる話からも同様です。自身の経験則から考えても、それほどずれた認識ではないでしょう。

「偏差値」とは何かでは「偏差値」とは何でしょうか。「偏差値」の定義を

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志望大学が決まらない生徒への進路指導

志望大学が決まらない生徒への進路指導

私は私立高校の教員として、生徒の進路指導に関わっています。

私が担当するのは主に進学、それも4年生大学への進学を考える生徒がほとんどです。

そのため必然的に大学で学ぶことや、そこからの就職に関して情報を収集し、全体に向けてアナウンスしたり、個別に相談を受けて助言したりしています。

大学は4年間ではなく、その先10年を見据えるべき大学進学を考える生徒には常に10年後を考えるようにアドバイスをし

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なぜ進学校の教員は浪人を勧めないのか

なぜ進学校の教員は浪人を勧めないのか

私は私立高校の教員をしています。私の勤務校でもそうですし、いわゆる「自称進学校」と呼ばれる学校の先生の多くは生徒が現役で進学することを勧める傾向があります。

こうした傾向に対し、YouTubeやSNSなどで「生徒の気持ちを分かっていない」、「視野が狭い教員だから地元の国立しか知らない」、「予備校に手柄を取られたくないのだろう」といった批判が多いようです。

しかし、浪人を勧めないという理由はそう

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熊本県公立高校の学科再編に関する雑感

熊本県公立高校の学科再編に関する雑感

熊本県の県立高校で学科再編を行うとのニュースが出ていました。

さらに、定員割れの続く学校に関しては募集定員を減らすようです。

学科再編校の入学状況の実態高等学校が学科の再編を行う場合、恒常的に定員割れを起こしている状況のテコ入れでしょう。

今回は気になるポイントで第一候補である「マンが学科」には触れないで話を進めますので気になる方は↓からどうぞ。

定員数を削減するという、北稜、八代農業、岱

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無償化が必要なのは「大学」ではなく「大学院」

無償化が必要なのは「大学」ではなく「大学院」

一昨年前から「高等教育の修学支援新制度」(大学無償化)が実施されています。

所得制限が現状では所得制限が厳しく、多くの人が利用できる制度ではないものの教育機会の平等化に大きく貢献する制度と言えます。

しかし、それと比較して大学院への進学に対しての支援はいまだ充実しているとは言えない状況です。

どうにかなる大学の学費以前書いた記事でも紹介しましたが、学生支援機構の奨学金(実質は借金ではあります

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