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大学入試/進路指導関連

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私が書いた入試や進路関係の記事のまとめ。九州の受験事情も。
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2022年6月の記事一覧

看護系大学進学への基礎知識

看護師志望者は想像以上に多い私の勤務校には看護師を志望する生徒が複数います。

全国でも女性の新卒者の10人に1人は看護師資格を取得していると言われており、非常に多くの人が選択肢に考える進路です。

九州は土地柄、医療系の志望者が多いのが特徴です。特に女子生徒の看護、医療系志望者の割合は非常に高いです。

これは九州の男尊女卑が残る文化や高所得な職業が少ないということが原因とも言われますがどうなの

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「貧しいからこそ、四年制大学に奨学金を利用してでも進学すべき」という考え方

多くの学校と同じように、私の勤務校にも多様な生徒が在籍しています。

そうした生徒達を送り出し、その後の彼らの人生の続きを伝え聞くたびに、四年制大学へ進学すべきと強く感じることがあります。

高卒と大卒の収入や社会的立場の差その理由として挙げられるのが、高卒と大卒の生涯賃金の大きな格差です。

私が最初に送り出した生徒はすでに30半ばを迎え、今の時点でも卒業後の進路によって経済格差は広がっているの

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大手予備校校舎削減に見る大学受験業界の群雄割拠時代の到来と学校教員に求められるもの

大手予備校校舎削減に見る大学受験業界の群雄割拠時代の到来と学校教員に求められるもの

駿台校舎削減のニュース先日、大手予備校の一角を担う駿台予備学校が首都圏の小規模校舎を中心に閉校しているというニュースが話題になりました。

ここ数年、大手予備校が苦戦しているという話は業界では話題になっていました。

私の勤務校に通う現役生の場合、大手に通っている生徒はほとんどいないのが実情です。

もちろん、私の勤務校から大手予備校までは多少の距離があるため、以前からそれほど多いわけではありませ

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「進学ガイダンス」に見る、オンラインの弱点

「進学ガイダンス」に見る、オンラインの弱点

本日、私の勤務校の高校3年生は業者主催の進路ガイダンスに参加しました。

これは就活時の合同説明会のように、各大学や専門学校がブースで個別相談会を行うというものです。

ここ数年は感染症の影響であまりきちんと実施されていませんでしたが、今回は数年ぶりに大規模な実施がありました。

やや無理矢理に参加を促した私の担任のクラスの生徒には半ば強制的に参加を勧めていました。

なぜならば、現在の高校3年生

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「一学年80万人」となる時、大学全入時代は来るのか?

減少し続ける18歳人口先日出生数が81万人という過去最少を記録していたことが話題になりました。

教育業界に身を置く一人としては、少子化はダイレクトに影響する問題です。

特に18歳人口は仕事上の影響が大きい数値になります。勤務校の入学者数にも関係しますし、何より大学進学に関して直接的なデータとなるからです。

最近は100万人強が18歳人口とされていたので、20年後はさらに2割減少することになり

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一般入試は本当に平等で公平か

一般入試は本当に平等で公平か

私の勤務校では、そろそろ推薦型や総合型選抜の準備が始まる時期です。

この手の筆記型で無い試験に対して抵抗感のある人は多いようです。

教員の中でも賛否が別れます。

自分が努力して一般入試で大学に行った人ほど、批判的に考える傾向があるように感じます。

筆記試験が平等的に見えるそれと比べると、筆記試験は一見すると極めて平等なシステムに見えます。

学力は努力をしなければ身につきませんし、実際、高

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