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異世界と、訪問者。
……朝からずっと、動いていない。
ソファに座り、テレビを見続ける。
朝のニュース。ワイドショー。
録画していたドラマ、バラエティ番組。
映画のDVD、コンサートのDVD。
…ふと、気がつけば、もう午後3時。
遅めの昼食を買いに、
コンビニに行こうとした、その時、
…家のチャイムが鳴った。
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……ピンポン、ピンポーン。
ドンドンドンドン、、、(ドアを叩く音。)
「ねぇねぇ!!開けてぇ!
お願いだから…!! …助けてよぉ…!」
小さな穴から外を覗くと、
小学生くらいの男の子が、叫んでいた。
……ひとまず、
怖い大人ではないことが分かり、安心する。
そして、その安心感から、
玄関のドアを、そーっと、開けてしまった…。
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ソファにちょこんと座る、謎の男児。
…何も言わず、じっと、一点を見つめている。
肌は白くて、整った顔立ち。
目は、透き通るようなブラウン。
汚れた体操服に、光り輝くダイヤのネックレス。
そして、小学生が使わなさそうな、
高級ブランドの、リュック。
…まるで、、、異世界から来たみたいだ。
………そして、何か、違和感を感じる…。
私は、しばらくの間、
その不思議な男児に、見とれていた。
………そしてその後、
私は冷静に、大人の対応をする。
『 "助けて" って言ったのは、、なんで? 』
優しく、小さな声で聞いた。
しかし、何も答えてくれなかった。
……子どもが、大人に助けを求める時。
それはイジメか、虐待か、、
……理不尽なことだろう、と、考えていた。
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……結局、何も話してくれず。
夕方5時。日が沈み始めた頃。
不思議な男児は、急に立ち上がり、
私に向かって、ゆっくりおじぎをした。
そして、
そのまま一言も発さず、振り返らず、、
家の外へ、出て行った。
…………これは、何だったんだ……?
…私の夢か? …幻想か……?
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その夜。
私は再び、テレビを見ていた。
薄暗い部屋、午後11時。
ニュースをぼーっと見ながら、ビールを飲む。
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「……えっ、、と、ここで、
今、入って来たニュースをお伝えします。
今日、午後2時頃、
東京都〇〇区の住宅で、
女性が、胸から血を流して倒れているのを、
近くの住人が発見しました。
女性は、近くの病院に運ばれましたが、
まもなく、、死亡が確認されました。
……しかし、
女性の子どもと思われる、男児(11歳)が、
現在、行方不明の状態。
警察は、男児の捜索を続けています…。」
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…ピンポーン。
ドンドンドンドン、、、(ドアを叩く音)
「 あのー……っ、夜分にすいません。
ちょっと、開けてもらえますか? 」
「 …〇〇県警、警察です。 」