あがらない話し方―文節を意識する―
今回も、「あがり」の原因の一つと、その対処法について。
人と話すと緊張する、人前でプレゼンをするとすごくあがる、という方は少なくないのではないでしょうか。
緊張せずになるべくリラックスできる話し方を研究していますが、その一つを紹介します。
まず「あがり」の原因の一つは、「交感神経優位」の緊張状態です。
自律神経の副交感神経が優位になるとリラックスした状態になり、交感神経が優位になると緊張状態になります。
緊張すると、心臓がバクバクしたり、呼吸が早くなったり、手や声が震えたりという「あがり」の状態になるのです。
リラックスして話すにはどうしたら良いのか?
リズムを整えて話すのです。
リズミカルな音楽を聴いていると、あるいは歌を口ずさんでいるとリラックスしませんか?
リラックスにはリズムが重要な要素になるのです。
リズムを整えて話すために提案したいのは、
「文節を意識して話す」ということです。
「文節」とは短く文章を区切ってもおかしくない所。
文章の間に「ね」を入れてもおかしくない所です。
例文(先述した文)
/で区切っている箇所。
ここまで細かく区切らなくても、2~3個つないだ長さでも楽に話せます。
文節で区切って話すメリットは、リラックスの他にもあります。
・あがり症特有の早口を回避できる。
(息継ぎができて呼吸が乱れにくくなる)
・身振り手振りなどのジェスチャーを入れやすくなる。
(体を動かして話すと筋肉の緊張が解ける)
「読点」( 、)で区切ってもリズミカルに話せます。
ただし、少々長めなので、あがり症の人は緊張して噛むことが十分考えられます。
いつもこのように短い区切りを意識して話さなくても良いと思います。
ただし、これだけは伝えたいという一文は文節や読点を意識して話しましょう。
プレゼンは結局のところ、自分が本当に伝えたいことを伝えられればOKなのです。
逆に伝えたいことが曖昧のまま話すと、緊張するものです。
まず、何を伝えたいかをしっかり決めます。
そして、これだけは必ず伝えるぞ、とその一文については集中して話すのです。
その時に短くゆっくりとリラックスして相手に届くように話してください。
リズミカルに話すことにはセロトニンの分泌効果があります。
自律神経のバランスを整える役割のあるセロトニン。
それは、リズム運動によっても分泌されます。
リズム運動とは、ウォーキング、ダンス、咀嚼などの一定のリズムのある運動です。
文節や読点を意識して話すことはリズム運動になります。
ただし、話し始めてすぐにセロトニンが出るわけではないので、長い時間プレゼンする場合などに意識して取り入れるとよいでしょう。
今回は、あがらない話し方として、文節や読点を意識してリズムを整えるという話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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小林いさむ|公認心理師
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