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朗読フリーの作品

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こちらにある作品は基本朗読フリーとなっています。 ※朗読する際はこちらのアカウントにDMでご連絡ください。(https://twitter.com/jamasin6) 語尾の変更…
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#創作怪談

「青い数珠を持った老女」

これはとある住宅街での話。
私が長期間の水道工事の警備員( 正しくは交通誘導警備員というが、ややこしいので、警備員とする )としてを配置されたときのことである。
その住宅街は小さな山を切り開いて作られており、そのせいで緩急様々な坂で囲まれている。
こういう住宅街ではわりとよく、その一角に小さな墓地があったりする。
おそらく、昔からそこに住んでいた人の墓地。
夜深くともあれば、不気味に映るかもしれな

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陽光

その日の夕方、私は疲れ果てた体で帰宅しました。

都合よく体調を崩した同僚のせいで前日の夜勤から続けてそのまま日勤に。とうの彼女は課長の部屋のベットでさぞやスヤスヤと寝ていたことでしょう。

私が眠りについたのと自室のベットに倒れこんだのとでは、どちらが先でしたのか。辛うじて化粧だけは落としたはずでした。

ふと目を覚ますとカーテンの隙間から日の光が漏れていました。

疲れすぎて朝まで寝てしまった

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雪の降る土地には住まない

これは友人のBさんから聞いた話だ。
彼女が通った高校にある噂があった。

『雪の降る日に屋上に行ってはいけない。
明日に飛ばされてしまうから。
明日に飛ばされて、昨日に帰ることはもうできない。』

多くの生徒、少なくともクラスメイトはこの噂を知っていたはずだとBさんはいう。
ただ、そもそも屋上に行くための扉の鍵は締まっているし、大雪の日であれば休んでも大目に見てもらえるくらいには緩い学校だった。

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やまがえし

賞金付き怪談募集企画『集まれ!怪談作家』第5回目発表会※上記の企画にて、1位をいただいた作品となっております。
動画の32:54より当方の作品を朗読をしていただいています。
ご興味のある方は、よろしければ他の方の作品、ともども聞いていただけると幸いです。

その日も私は暑い中での仕事を終えて、へとへとになりながら簡単な晩御飯の用意をしていた。
夏はなかなか去ろうとせず。暦の上で秋が来ても暑い日が続

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ある村の記憶(朗読:絢河岸 苺 様)

私が成人するまで住んでいたのはいわゆる、都会の田舎だった。
生活の一通りは近所で十分に揃い、東京が近いのが便利。
ただそれだけのところだった。
そこを離れて二十余年経つが、遠くに引っ越しわけでもない。
今でもたまに通りがかるが相変わらずあまり開けてはいない。
子どもの頃はそれがさらに顕著で、近所に養鶏場や小さな果物畑がところどころあり、最寄りの駅からは水田が見えた。

小学校低学年のころ、私は今よ

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祖父の傘 (朗読:冥賀小夜日)

※怪談募集企画『集まれ!怪談作家』第三回目にて「ゲスト賞」として読んで頂きました。

私の家には一本の傘があります。
祖父の遺品である特注品の和傘。
生前の祖父がそれはそれは大事にしていたものでした。
木造家屋の平屋に住み、和装を好んだ祖父でしたが、なにより好んだのは雨の日の散歩でした。
多くの人には陰鬱になる鈍色(にびいろ)の空も、空気を重たくするそのじめじめとした雰囲気でさえ、祖父は趣き深く感

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墓地の警備(局長の話)

私が遠縁のあるおじさんがから聞いた話。
おじさんは数年前まで、とある霊園の事務局で局長として働いていた。
当時も今も夏になると肝試しをしに墓地に来る若者たちがいて、また、そういう人達に限ってゴミを散らかし放題で帰っていくのだそうだ。
肝試しそのものももちろん困った話ではあるのだけれど、ゴミが一番の悩みの種だった。
場所が場所だけに放っておくわけにもいかなかった。朝早くからお墓参りに来る人たちも少な

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墓地の警備

これは俺が年上の従兄弟から聞いた話。
従兄弟がある霊園で働いているんだけど、ある年警備員が夜、墓地を巡回することになった。

「肝試しに来て余計なことをする若者たちがいてね」
墓地で花火をしたり、勝手に飲食をしてごみを捨てて帰る人はもともといたけれど、その年は特に多かった。
従兄弟も正直今更だよなと思いつつ、巡回が始まることは歓迎していたらしい。
ところが、あるとき妙なことに気が付いた。
頻繁に警

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ビルの地下にあったもの

とある建築現場の監督から聞いた話。
大手の建設会社に勤めていた男性は、もともとはオカルトには半信半疑の人だったらしい。
ただ、とある工事をきっかけにすっかり信じるようになってしまった。

その工事は5階程度のあまり大きくはない会社ビルの建設だった。
工期通りに工事は進んでいて、ビルの基礎、つまり土台ができれば、あとの工事も順調に進むだろうと思われていた。
そんなときだった。
ある一区画が、雨が降っ

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ケンさん

※怪談募集企画『集まれ!怪談作家』第二回にて第二位に選んでいただきました。以下、こちらにてその作品を公開しています。

最初にケンさんと出会ったのは5年ほど前のことだったと思う。

その日、私は仕事の処理がうまくいかず、憂さ晴らしと気分転換に隣町の飲み屋街に繰り出していた。
一軒二軒と行く間にだんだんと記憶が曖昧になり、最後に行った店で酔い潰れた。
そこがケンさん馴染みの店だったらしく、酔い潰れて

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子の不幸を願う神社

自分はあちらこちらに旅をしてはその土地の不可思議な話を集めることを趣味にしている。
古くからの友人などには「いつかろくでもない目に遭うからやめておけ」などと言われているが、所帯も持たず、誰に迷惑をかけるでもない趣味。いささか呆れられつつも本人は淡々と怪奇な話の蒐集を楽しんでいる。
しかしそういったことでも長く続けているとあちらこちらから色々な話が集まってくるようになる。
ある時、友人伝えで知り合っ

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コインロッカー(朗読:かすみみたま様)

その日、僕は駅の構内で友人を待っていた。
スマホに視線を落とすと時間は12時25分。
約束まではあと5分。友人から28分着の電車に乗ったとLINEがあった。
友人はいつも、時間どおりにくる。らしいと言えばらしいが、いつも早めにくる自分に少しは合わせてくれてもいいような?と思わないでもない。
ま、自分も友人に合わせる気がないからどっちもどっちか。

『ここを開けてくれ……』

突然、背後から男の声が

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トンネルの夢(朗読:酒処あやかし 絢河岸 苺様)

その夜、私はトンネルの夢を見た。
幼いころを過ごした家の近くにあったトンネル。高架橋の下にある、短いが大きくて広い。電線込みで電車が十分に通れそうなほど縦にも横にも広がっていて、しかし長さは10メートルと少しくらい。
当然、向こう側の景色は見渡せるほどに(といっても梨畑だけだったが)開けていて、昼間でも多少薄暗くはあっても明かりに困るようなことはなかった。

しかし、その夢の中で私は“向こう側”を

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道路標識(朗読:絢河岸 苺様)

これは私が大学生の頃の話です。

その日、私はとある山道を走っていました。
すでに時間は真夜中。自分もそんな時間に走りたくはなかったのですが、大学での実験がうまくいかず、レポートを提出するために遅くまで実験を繰り返していました。
この山道はいわゆる曰くがある道で、地元の人なら出来る限り、夜遅くは通らないようにしている道だったのです。

その道は山道とは言っても、しっかり整備もされていて道幅もありま

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