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#創作怪談
「青い数珠を持った老女」
これはとある住宅街での話。
私が長期間の水道工事の警備員( 正しくは交通誘導警備員というが、ややこしいので、警備員とする )としてを配置されたときのことである。
その住宅街は小さな山を切り開いて作られており、そのせいで緩急様々な坂で囲まれている。
こういう住宅街ではわりとよく、その一角に小さな墓地があったりする。
おそらく、昔からそこに住んでいた人の墓地。
夜深くともあれば、不気味に映るかもしれな
雪の降る土地には住まない
これは友人のBさんから聞いた話だ。
彼女が通った高校にある噂があった。
『雪の降る日に屋上に行ってはいけない。
明日に飛ばされてしまうから。
明日に飛ばされて、昨日に帰ることはもうできない。』
多くの生徒、少なくともクラスメイトはこの噂を知っていたはずだとBさんはいう。
ただ、そもそも屋上に行くための扉の鍵は締まっているし、大雪の日であれば休んでも大目に見てもらえるくらいには緩い学校だった。
墓地の警備(局長の話)
私が遠縁のあるおじさんがから聞いた話。
おじさんは数年前まで、とある霊園の事務局で局長として働いていた。
当時も今も夏になると肝試しをしに墓地に来る若者たちがいて、また、そういう人達に限ってゴミを散らかし放題で帰っていくのだそうだ。
肝試しそのものももちろん困った話ではあるのだけれど、ゴミが一番の悩みの種だった。
場所が場所だけに放っておくわけにもいかなかった。朝早くからお墓参りに来る人たちも少な
ビルの地下にあったもの
とある建築現場の監督から聞いた話。
大手の建設会社に勤めていた男性は、もともとはオカルトには半信半疑の人だったらしい。
ただ、とある工事をきっかけにすっかり信じるようになってしまった。
その工事は5階程度のあまり大きくはない会社ビルの建設だった。
工期通りに工事は進んでいて、ビルの基礎、つまり土台ができれば、あとの工事も順調に進むだろうと思われていた。
そんなときだった。
ある一区画が、雨が降っ
トンネルの夢(朗読:酒処あやかし 絢河岸 苺様)
その夜、私はトンネルの夢を見た。
幼いころを過ごした家の近くにあったトンネル。高架橋の下にある、短いが大きくて広い。電線込みで電車が十分に通れそうなほど縦にも横にも広がっていて、しかし長さは10メートルと少しくらい。
当然、向こう側の景色は見渡せるほどに(といっても梨畑だけだったが)開けていて、昼間でも多少薄暗くはあっても明かりに困るようなことはなかった。
しかし、その夢の中で私は“向こう側”を
道路標識(朗読:絢河岸 苺様)
これは私が大学生の頃の話です。
その日、私はとある山道を走っていました。
すでに時間は真夜中。自分もそんな時間に走りたくはなかったのですが、大学での実験がうまくいかず、レポートを提出するために遅くまで実験を繰り返していました。
この山道はいわゆる曰くがある道で、地元の人なら出来る限り、夜遅くは通らないようにしている道だったのです。
その道は山道とは言っても、しっかり整備もされていて道幅もありま