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【こころがととのう】和敬清寂(茶道の理想空間を示す禅語)

 最近、心豊かな生活を送るために、どのような思考と行動をすればいいのか、読書や動画、それ以外にも人との会話を通じて学ぼうとしています。そんななか、最近は仏教や禅についてとても関心を持つようになりました。
 私がいままで読んできた本の内容や動画で言っている内容、最近のわかりやすい考え方でいうと「ミニマリスト」「シンプルな生活」等は、結果的にはこの仏教の思想や禅の考え方に繋がっているのではないかと私は考えています。
 そのなかで、日本が誇れる文化である「茶道」において、茶道の理想空間を示す【禅語】が、私のこころの中にとても印象に残り、一つの理想的な考え方だったので紹介させていただきます。


和敬清寂の大意

和敬清寂の大意について、1文字ずつ分けると以下の意味があるようです。

  • 和:強い個性とその融合

  • 敬:礼儀と節度のある付き合い方

  • 清:清潔で余計なもののないさま

  • 寂:静かであること。無言の親交

和:個性の融合、敬:敬うこと、清:清らかさ 寂:静けさ

和:個性の融合
 これは和やかということで、互いに尊重しあった、いわゆる仲良し状態のことですが、禅ではもう少し踏み込みます。
第一に禅は自己を大切にするので、自分の個性が十分に発揮されていることが前提になります。
 つまり、強い自我や個性がそのまま表現されて、それが互いに尊重される状態です。

互いに様子をみてほどほどに付き合うということではなく、互いの真が相まみえるような状態。

「和(あ)え」は、日本料理でよく用いられます。
ゴマ「和え」はゴマがゴマらしく、ほうれん草がほうれん草らしくしていないと、よいゴマ和えになりません。
いずれも独特の強い風味があります。それぞれがそれぞれらしく。
ゴマがほうれん草にらしくしたり、ほうれん草がゴマに遠慮するようではゴマ和えは美味くありません。

敬:敬うこと 敬けんであること
敬は一転、序列や社会的役割をしっかりと守った状態で、節度ある関係性のことです。
茶室では、主人と客人の関係性のことを指します。
和の和やかに対して、明確に区別するべきという緊張関係を示すのが敬で、前後では「賓主歴然」と表現されます。

先生と生徒、上司と部下など、同じ部分もあるけれど、立場の違いなどをしっかり認識する分別があるべきというのが敬です。このように「融合すること」と「線引きをすること」の両方を採る考え方は、禅にみられる特徴的な思想です。

差別即平等、平等即差別などと言ったりします。深淵なる真実は、複雑にして単純一なるものである(如)という考え方に行きつきます。

円相(〇で表された墨蹟)も如も、禅でよく使われますし、茶掛けにも使われることが多いですね。

清:清らかさ
清潔さは茶道の基本であり、最重要テーマです。岡倉天心の、茶人そして文化人としての卓越した視座が現われている一節です。

『茶の本』
茶室や茶道具がいかに色あせて見えてもすべての物が全く清潔である。
部屋の最も暗いすみにさえ塵ちり一本も見られない。
もしあるようならばその主人は茶人とはいわれないのである。

清掃は日常実践が容易ですし、大切にしたいキーワードです。
清掃を技術を要するとしている点、この点も岡倉天心が実践的に達していた様子が伺えますね。
自分でやっていないと出てこない言葉だと思います。

キレイさっぱりしましょう
清潔さや磨くことは、禅文化そのものであり、和敬清寂のなかでもこの1文字と言われたならば、「清」が特別かもしれません。
岡倉天心もそうするのではないでしょうか。

寂:静けさ
茶室の大切な決まり事の1つに静けさがあります。
不要なおしゃべりは控えることとされます。
これも明確に禅の価値観から来ています。

言葉に頼らない
禅では言葉を軽視し、言葉では分かり合えないし、教えることも学ぶこともできないと考えます。

言葉のない豊かさ
禅も茶道もその伝授においても教科書的なものは重要視されません。
茶室は、言葉のない空間として設計され、運用されます。
言葉のないことの豊かさは、茶道の重要な考え方の一つです。

座右の銘は和敬清寂(わけいせいじゃく):茶道の理想空間を示す禅語。日常生活での実践を目指しましょう

和敬清寂を日常生活に小さく取り入れていく

 すべてを一気に取り入れていくことは簡単ではないと思います。ただ、小さくも何かを取り入れていくことで、自分の人生が既に良い方向に進んでいればより良く、芳しくない方向に進んでいっているように感じていれば、良い方向に進める可能性が生まれる。そんな気がしてなりません。
  
 今ここで、和敬清寂をそれぞれどのような状況で意識的に取り入れていこうかと考えると、パッとすぐには出てきませんが、この考え方は、仕事においても私事においても、自分を内省するだけでなく人間関係を良好にするうではとても重要であり大切な考え方だと感じました。
 あえて、すぐに出てくるとしたら、【清】の清潔さであり日々の物理的・または非物理的な整理整頓、こころをととのえるというところでしょうか。

 今回は、引用ばかりとなりましたが、とても心にのこり、私の今後の良い生き方の1つになると思い紹介させていただきました。
 
 最後まで読んでいただいた方に感謝申し上げます。ありがとうございました!







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