タレの仕込みの「8割」を短縮。日中に閉店する必要がなくなり、来店客数も増えて売上UPへ。
都心のオフィス街を彩る、活気あふれる韓国屋台『豚大門市場』。多くの飲食ブランドを世におくりだす株式会社バイタリティが運営しています。ランチどきから深夜まで客の絶えないこの人気店に、仕込みのための閉店時間はありません。シコメルのOEM導入によりランチタイム後に設けていた閉店時間をなくし、売上拡大を実現されています。これまでの軌跡について、グループマネージャーの松江芳栄氏にお話を伺いました。
タレの仕込みが従業員の負担となり、
屋台ならではの接客に陰りが差し始めた。
韓国の首都ソウルの中心部に、数千の屋台が軒を連ねる広蔵市場(クァンジャンシジャン)があります。そこで食事するとなぜか元気をもらえる。そんな広蔵市場の活気を日本にも再現したいと始めたのが、この韓国屋台『豚大門市場(トンデムンシジャン)』です。仕事帰りの人が気軽に集まって飲めるようにと、東京のオフィス街に馬喰町1号店を構えたのが2011年こと。ここ馬喰町2号店は2021年にオープンしました。
『豚大門市場』のコンセプトは「元気な韓国屋台」です。どう営業していけば元気な韓国屋台を演出できるのか。そう考えてたどり着いた答えがフレンドリーな接客でした。フレンドリーでありながら、挨拶や礼儀をきちんとわきまえた接客をすることで、ほっと落ち着けるリアルな韓国屋台をお客様に体験してもらえるお店を目指したんです。
接客サービスを心地いいと感じてもらうには、従業員がお客様と接する時間がある程度必要になります。そこで鍋料理はもちろん、石焼ビビンパを混ぜたり、サムギョプサルを焼いたりするような工程はお客様任せにせず、あえてスタッフが客席で調理することでお客様と接する時間を作るようにしました。まるで本物の屋台のように、従業員がお客様とお喋りする機会をつくり出すことでファンを増やしていく。こうした心地いい接客サービスと本格的な韓国料理は『豚大門市場』ならではの魅力となり、来客の絶えないお店へと成長していきました。
うちはタレもすべて手作りです。これまでに20種類以上のタレを開発。ランチ営業が終わると夕方まで店を閉め、各店舗で毎日タレを仕込んでいました。それでも夜にはタレが足りなくなり、お客様にご迷惑をお掛けすることも。多種類のタレを大量に仕込むには、膨大な時間と労力がかかります。タレの種類が増えるたびに従業員の手が仕込みに取られるようになり、他の準備に時間を割くことが難しくなってきました。それにより『豚大門市場』の魅力である、十分な接客時間を確保することも難しくなってきたんです。
そんな状況のときにシコメルさんを紹介されました。種類の多いタレをOEMで製造してもらえれば仕込みの手間が省け、従業員たちは接客に力を入れられます。シコメルさんのOEMサービスを導入することに迷いはありませんでした。
OEM製造されたタレを活用して、
デリバリー事業やFC事業を始動。
OEMの導入では、私がシコメルさんにタレのレシピをレクチャーしました。わずか2日間の駆け足でのレクチャーでしたが、完成度の高いタレが出来あがったときは驚きましたね。シコメルさんには味を再現できるプロの方たちがいて、何度も微修正を繰り返しながら妥協せずに完成させてくれました。味再現のプロフェッショナルがいるからこそ、短期間でのOEM製造が実現したのだと思います。
完成したタレを試食してみると、店舗で仕込んだタレとまったく遜色ありません。シビアに食べ比べても違いはわかりませんでした。ましてお客様には絶対にわからないレベルです。これならいけると、タレをすべてシコメルさんでOEM製造することにしました。
タレを使った料理の中でよく出るメニューNo.1はヤンニョムチキン。濃厚で甘辛いタレがさらなる食欲をそそる人気メニューです。韓国定番のスープ料理、スンドゥブチゲもよく出ますね。イイダコを使ったチュクミも人気があり、いずれも実際の韓国屋台でよく食べられる本場のメニューです。
2020年初頭にタレ作りに取り組みはじめ、馬喰町1号店ではコロナ前からOEM導入をスタートさせました。2021年7月からは馬喰町2号店でもOEMを導入。コロナ禍で営業自粛の日々が続いたときは大変でしたが、当社ではコロナ禍から韓国料理のデリバリー事業に力を入れ、今でもデリバリーブランドの中でトップを占めるのは韓国料理のカテゴリです。OEM製造していたタレを、コロナ禍のデリバリー事業へ展開できたのは不幸中の幸いでした。
2021年からは『豚大門市場』ブランドのフランチャイズ事業がスタート。シコメルさんでOEM製造されたタレもトータルパッケージにしてフランチャイズ化しました。仕込み済みのタレがあるため「少ない人数で運営可能」「仕込みが楽」という利点がフランチャイズパッケージの大きな売りになっています。
OEM導入によりサービス品質が向上。
顧客満足度も上がり、売上UPを実現。
毎日タレの仕込みに追われていた労力を10とすると、OEM導入後は2~3程度の負荷まで軽減されました。今は仕込みといっても、食材を切ったりタレとあわせたりするのみとなり、作業の精度もUP。OEM導入直後は時間が空いたのがとにかく嬉しくてね。従業員たちにも心の余裕が生まれ、以前よりしっかりしたサービスがお客様に提供できるようになりました。何より、お客さまに向きあう接客時間が増えたんです。
OEM導入前に設けていた、仕込みのための閉店時間はもうありません。お客様が絶え間なく来られても一貫したサービスを提供できるようになり、時間的な余裕が生まれたことでサービス品質も向上しました。それがお客様満足にもつながったのだと思います。OEM導入後は売上がUPしましたから。1号店も2号店も連日満席の状態が継続し、営業時間を深夜まで伸ばしました。建物の老朽化が理由で馬喰町1号店は閉店しましたが、この春には東日本橋店として新たにオープン。フランチャイズ店も順調に増えています。
仕込み時間が激減したら人手を減らすという選択肢もあると思いますが、うちは同じ人数のまま日中の閉店時間をなくし、夜営業の準備を整える時間に充てました。従業員たちの休憩時間がしっかり取れるようになったのも大きな利点です。おかげさまでお店の運営もスムーズになり、接客やメニューのクオリティも上がりました。
春夏と秋冬でメニューをごっそり変えるのですが、そのメニューは店舗で働く社員たちが考えています。新しいメニューを本社にプレゼンしてOKがでたらメニュー化。このメニュー開発にかける余裕が生まれたことで、より良いものを、よりお客様目線で提供しようと、価格も見た目も今まで以上にベストなものが提供できるようになりました。
こうした本格的な韓国料理や接客が人気を集め、馬喰町2号店ではランチだけでも1日に100名以上のお客様がご来店されます。夜間には人の少なくなるオフィス街ですが、『豚大門市場』には深夜までたくさんの人が集い、にぎわいある場所になりました。経営理念である「人と街の繁栄」を、『豚大門市場』をとおして実現するためにはさらなる店舗展開が必要です。
今後はさらにフランチャイズ店を増やし、全国の街に人の集まる場を、にぎわいを広げていきたい。そのためにもシコメルさんには良きビジネスパートナーであり続けてほしいと願っています。
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