柿の実が連れてきた、母の愛のむこうがわ
大学生のころ、母からよく食べ物や生活必需品を詰め合わせた段ボールが送られてきた。いわゆる「仕送り」というやつだ。
大人になってしみじみと思う。あの仕送りの段ボールほど、手間と愛情のこもった贈り物はほかにない。
段ボールはいつも、大きくてずっしりと重たかった。
よく入っていたのは大学生がなかなか手に取らない季節の果物。それから私の好きなちょっといいお菓子とか、食べやすいレトルト食品とか、いくらあっても困らない洗剤とか。
私にとっては福袋や宝箱みたいなもので、ものすごく特別なも