
- 運営しているクリエイター
2023年3月の記事一覧
セラピーとしての「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」/多元宇宙というナラティブ・アプローチ
3/3公開の「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」。大好きな死体泳ぎ映画「スイス・アーミーマン」のダニエルズ監督作で、シャンチーの叔母さんが多元宇宙を行き来してカンフーで闘うという概要からしてワクワクしていたのだが、内容は実写版ボボボーボ・ボーボボと言うべきハジケ勝負のオンパレードだったし、久々に劇場で声を出して笑った映画だった。
数年前までほとんど邦画して観てこなかったので米国
生活を面白がるためのシニカル/バカリズム作品としての『ブラッシュアップライフ』
来世でアリクイになりたくないから同じ人生をやり直して徳を積むというかなりドライで現実的な願望から始まったドラマ『ブラッシュアップライフ』。最終話で辿り着いたのは今を生きることへの目一杯の人生讃歌で、思わず涙してしまった。
バカリズム作品として『ブラッシュアップライフ』を観てみると様々な発見があった。ドラマらしいドラマを拒否し、メタ的な構成で遊んだり、誰も描いてこない題材を用いたりしてきた過去のバ
二つの「ブラックアウト」〜3.5 Cody・Lee(李) × ASIAN KUNG-FU GENERATION 『HIGH FIVE 2023』@ Zepp Nagoya
昨年末にCody・Lee(李)とアジカンの対バンが発表され、その時はその組み合わせをかなり意外に思った。李の高橋響(Vo/Gt)のコメントにあった、高校1年生の時に作った「ブラックアウト」を真似て作った曲を作ったというのもなかなか想像できない。李といえばどちらかといえば、フジファブリックやandymoriを影響源とし、映画やお笑いなどカルチャー愛に溢れた青春性を強みとしているバンドだと思っているの
もっとみる笑ってしまうこと、笑わないでいること〜Aマッソ「滑稽」/劇団かもめんたる「奇事故」
空前のお笑いブームの真っ只中において頻繁にお笑いライブやバラエティ番組で"笑い"に接するとそもそも"笑い"とは何か、とふと考えることも増えた。そういう思考にさせるお笑いが沢山増えたことも影響しているだろう。この3月、たまたま同じタイミングで配信されていた2本の作品もまた何で笑い、何を笑っているのか、ということをこちらに問うてくる"笑い"だった。
Aマッソ『滑稽』Aマッソがテレビ東京の大森時生プロ