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今でも忘れない12年前の5月

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今でも忘れない12年前の5月⑩

そのお婆さんに一部始終話した。

そして、霊視?のようなものをしてもらった。

「あんた、別に怖いだけで害はないでしょ?」

『あ、確かにないです』

そのお婆さんいわく、俺についている霊は俺の二個前に住んでいた人(大柄な髪の長い男性)で少し前に事故にあって亡くなっているらしい。

楽しかった思い出が多かったこの部屋に出てしまってはいるものの、悪い霊ではなく気にしないでいればすぐに怪奇現象もなくな

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今でも忘れない12年前の5月⑨

漫画を読んでいると相席してくる人がいた。

「よう、学校はどうした。浮かねえ顔してるな」

H先輩だった。

俺はさっき起こった事を話して地元に帰りたいと伝えた。

それに対してH先輩は反応しなかった。

「お前今日バイト?」

『いや、今日ないです』

「だったら俺の働いてるバー飲みに来いよ。毎週火曜日にこの前言ってた霊感あるお客さん来るからさ。おごってやるよ。」

その日は火曜日だった。

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今でも忘れない12年前の5月⑧

部活から帰宅した俺は一限があったのですぐ練習着を洗濯機に放り込み素裸でシャワールームへ向かった。

トイレバスが一緒になっているユニットバスタイプのシャワールームのためとても狭い。

急いでシャワーを浴びようとカーテンを開けた。

俺は愕然とした。

そこには女性のものと思われる長い髪の毛が5.6本落ちていた。

その当時俺は地元静岡に彼女がいたが部屋に遊びにきたことはない。

部屋に入った事があ

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今でも忘れない12年前の5月⑦

体が動かない。

今まで金縛りに何度か会ったことはあるが一人暮らしを始めてからの金縛りは初めての事だった。

パンっパンっパンっ

部屋中からラップ音がする。

そしてつけっぱなしのテレビからは温水洋一さんらしき人物の喋り声が聞こえる。

寝てるところから玄関が見えるのだが、すごく大柄な影が見える気がする。男の人のような気もするし髪が長いような気もする。

とにかく怖くて目を瞑ったまま、くるな、く

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今でも忘れない12年前の5月⑥

怪奇現象が続き、友達の部屋に寝泊まりさせてもらってから約1週間が経過した。

友達にも迷惑がかかるしこの辺で自分の部屋に戻ることにしよう。そう決めた。

エレベーターで部屋に向かっているとH先輩に遭遇した。

「おい、お前昨日の夜中足音うるさかったぞ笑何してたの?」

自分で背筋が凍るのがわかった。

『あ、いやあの昨日自分の部屋で寝てないです。あれからも怪奇現象が続いてたんで最近Yの部屋泊まって

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今でも忘れない12年前の5月⑤

 今回は性的描写が含まれるため有料記事と致します。また、読み終わった後に返金していただいてかまいません。読まなくても物語の内容には支障ありません。

 朝5時。いつものようにバイトが終わりヘトヘトになりながら家に着いた。

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今でも忘れない12年前の5月④

 先輩に紹介されて始めたバイトは居酒屋のキッチンだった。

 とても大変ではあったがみんな良い人で賄いもついていて一人暮らしの身としてはかなり助かっていた。

朝部活→昼授業→夜〜朝までバイトそしてまた→朝部活という今思うと考えられないくらいハードスケジュールの毎日だった。

ほとんど寝てなかった。というか夜部屋で寝るのが怖くて仕事をしていた感じだった。本当に今では絶対にできないと思う。

ここで

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今でも忘れない12年前の5月③

「え、やめてくださいよ」

『どうする?聞くのやめとく?』

「え、もう怖いけど聞くしかないです」

『俺お前の部屋の真下じゃん?お前が住む前1年間空部屋だったんだけど、わりと毎日真上から足音聞こえてくんのね。最初は管理人が掃除でもしてんのかなー、って思ってたんだけど夜中でも足音聞こえてくるからやばいとおもってたんだよね。次の一年であの部屋住むやつかわいそーだなって思ってたんだよ。それがお前』

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今でも忘れない12年前の5月②

がちゃっがちゃっ

「あれ?鍵が開いてる」

あー朝寝ぼけてたから鍵閉め忘れて部活行っちゃったんだな、
なんて思いながら特に気にも止めずに授業に向かった。

しかし鍵は次の日も開いていた。
そしてその次の日も。

こんなに締め忘れる事があるのか、自分ドジだな、なんて思いながら迎えたある日。

必ず鍵を閉めたのを確認して部活へ向かう。

しかし、原付の鍵を忘れた事に気づき部屋に鍵をとりにかえる。

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今でも忘れない12年前の5月

はじめに。これは真実に基づく物語ではない。真実の物語である。

よって大したオチはない。

大学生成り立ての俺の身に実際に起こった出来事である。

2008年4月。俺は大学生となり一人暮らしを始めた。

静岡から名古屋へ引越し、大学で野球部に所属していた俺は新生活に期待と不安を同居させながら心躍らせていた。

チームメイトにも恵まれて大変な事もあったけれど本当に充実した毎日を過ごしていた。

部活

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