今でも忘れない12年前の5月③

「え、やめてくださいよ」

『どうする?聞くのやめとく?』

「え、もう怖いけど聞くしかないです」

『俺お前の部屋の真下じゃん?お前が住む前1年間空部屋だったんだけど、わりと毎日真上から足音聞こえてくんのね。最初は管理人が掃除でもしてんのかなー、って思ってたんだけど夜中でも足音聞こえてくるからやばいとおもってたんだよね。次の一年であの部屋住むやつかわいそーだなって思ってたんだよ。それがお前』

体中から寒気が止まらなかった。

「え、ちょっとまってくださいよ、絶対事故物件じゃないですか。」

『一年前に一般の人住んでたけどその人も割とすぐ引っ越したよ。あと、もう一個』

「まだ、なんかあるんですか泣」

『お前の部屋お前が住む前ずっとお札はってあったよ』

「もう実家に帰ります」

割と本気で実家に帰ろうと思っていた。

『まあ、まだ大学入ったばっかりなんだし、そういうなよ。もし夜部屋にいるのが嫌なら俺の部屋きてもいいし、夜勤のバイト紹介してやるよ。』

部活に勉強に大変だったが夜部屋にいるのが怖すぎて、先輩の言う通り俺は夜のバイトを始めた。

つづく

#日記 #小説 #note

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