失敗したって、きっと未来の糧になる。巨人の2年目、浅野選手。積極的な守備が裏目に出て後逸。逆転負けの一因に。うなだれることはない。まずは自分の持ち味を生かして
失敗したって、きっと未来の糧になる。ミスを恐れてはいけない。19歳のプロ2年目、巨人の浅野翔吾選手に伝えたい。優勝争いを繰り広げる一戦で、積極的な守備が裏目となって打球を後逸。逆転負けの一因となってしまった。しかし、うなだれないで。まずは自分の持ち味を生かして、課題を克服していけばいい。
21日にアウェーで行われた広島戦。八回表を終えて、巨人が4-1とリード。このまま逃げ切りを図りたいところだ。
ただリリーフ投手が捕まり2点差に詰め寄られる。なお2死二、三塁のピンチ。ここで広島の4番打者にライト前へヒットを打たれる。
広島の三塁走者が生還。二塁走者も本塁を狙う。巨人のライトを守っていた浅野選手が打球に猛チャージして、捕球後にバックホーム返球を試みるはずだった。
しかし浅野選手が打球を後逸してしまった。二塁走者も生還して同点に追い付かれた。その後、広島が勝ち越して、巨人は逆転負けを喫した。巨人は優勝マジックを6としているが、減らすことはできなかった。
試合後に浅野選手はミスへのショックが大きく、ベンチに腰掛けたまま、タオルを覆ってうなだれていた。
巨人の阿部慎之助監督は「しょうがない。必死こいてのミスだから。失敗を恐れずやってほしい」と気遣った。
浅野選手は香川の名門、高松商高で夏の甲子園に2度出場。高校通算本塁打68本とパンチ力が魅力だ。50m5秒9で駆ける韋駄天でもある。
2022年のドラフト会議で巨人から1位指名されて入団した。高卒の外野手のドラ1入団はチーム初。それだけ実力を見込まれている。
今年8月の試合では10代で満塁本塁打を放った。世界のホームラン王、王貞治さんも、日米で活躍した松井秀喜さんも成し遂げられなかった10代での快挙だ。
逆転負けを喫した21日の広島戦でも、五回表の2死三塁の場面で、レフトへ適時二塁打を放つなど打撃センスは申し分ない。
チームから打撃力を買われて先発出場している。守備のミスを恐れて、持ち味のバッティングにまで影響しないか心配だ。
守備でミスした後に、浅野選手がうなだれていると、チームのベテラン、丸佳浩選手から「下を向くな」と声を掛けられたという。浅野選手の積極的な姿勢を、チームメートは分かってくれているのだ。
浅野選手は「二度と同じミスをしないように」と声を振り絞っていた。私から浅野選手にエールを送りたい。「うなだれることはないよ。まずは自分の持ち味を生かしながら、課題を克服していけばいいよ」と。
22日には首位攻防の阪神戦がある。その試合で取り返せばいい。
若い時にはたくさんの失敗をしていい。それがきっと将来の糧になるはずだから。