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自分と向き合った先に、まばゆい光。プロ4年目の巨人、岡田選手が心身ともに急成長。2軍キャンプから唯一1軍へ合流。実戦4試合で12打数6安打。うち長打が5本
自分と向き合った先に、まばゆい光が差し込んできた。プロ4年目の巨人、岡田悠希選手が心身ともに急成長だ。2軍キャンプから唯一、1軍へ合流した。実戦では12打数6安打。しかも長打が5本とパワーアップした姿をアピールしている。昨季のセリーグ王者は打線強化を図っている。レギュラー争いへ強烈なアピールだ。
岡田選手はプロ4年目の25歳。右投げ左打ちの走攻守三拍子がそろっている。ただ、プロ入り後、打撃で満足いく結果を残せていない。
ルーキーイヤーは1軍の33試合に出場し、打率は0割9分5厘。2年目は26試合で打率1割6分7厘。昨季にいたってはたった4試合にしか出られなかった。7打数1安打で打率1割4分3厘。
このままでは、いつ戦力外通告を受けてもおかしくない。岡田選手は自分と向き合った。そしてシーズンオフに例年以上の覚悟で臨んだ。
肉体改造に取り組む。これまで面倒に思っていたプロテインをしっかり管理して飲むことに。ウエートトレーニングの効果とマッチして、体重は5キロ増の95キロ付近に。
自分と向き合い、ずっと野球のことを考えた。この姿勢が確かな成長となって表れる。今月13日までの宮崎キャンプ中に1度だけの紅白戦。ここで岡田選手は3本の長打で3打点と猛アピール。15日からの沖縄県那覇市での2次キャンプに2軍から唯一加わった。
22日段階で、岡田選手は実戦の4試合で12打数6安打。うち5本が長打とパワーアップした姿を見せている。「しっかり準備したことが結果につながっている」と納得顔だ。
岡田選手の1軍合流を認めた阿部慎之助監督にも確かな手応えがあるようだ。「体重もすごい増やして入ってきたし、やってやろうというのがよく見えましたね。いいアピールをしてくれた」とうなずく。
巨人は昨季セリーグ王者に返り咲いた。しかし、クライマックスシリーズ(CS)の最終ステージで敗れて日本シリーズ進出を逃した。リーグ3位のDeNAに下剋上を許した理由は、打撃の低迷だった。
巨人はCS計6試合でわずか9得点。1点以下の試合が4試合あった。レギュラーシーズンでも、巨人のチーム打率は2割4分7厘。トップのDeNA(2割5分6厘)より下回っていた。
今季は打撃面の強化がマスト案件だ。それだけに岡田選手の急成長を、阿部監督も頼もしく感じているだろう。
岡田選手は龍谷大平安高(京都)2年春に選抜の甲子園に出場。初戦の明徳義塾(高知)戦ではホームランを放っている。パワーは元々、持ち合わせている。肉体改造でさらなる長打力を身に着けた。
巨人の外野手レギュラー争いは厳しい。外野3人の枠に10人近くがしのぎを削っている。その中に岡田選手も飛び込んだ。心身ともに急成長を遂げた岡田選手がレギュラーの一角に食い込めるか。
自分と向き合った先に、まばゆい光が差し込んできた。そんな岡田選手にエールを送りたい。