見出し画像

「じゃない方」が生き残った。ソフトバンクの育成出身、前田純投手が3回パーフェクト投球。一昨年のドラ1、前田悠伍投手は2軍落ち。同じ左腕。いつか、2人とも主力となって!

失礼ながら、「じゃない方」が生き残ったと言えるだろう。ソフトバンクの「前田」と言えば、甲子園の優勝投手で一昨年にドラフト1位で指名された前田悠伍投手をイメージする。しかし今季のローテーション争いで生き残ったのは、別の方だ。育成出身の前田純投手。2人ともにサウスポー。いつかは2人とも主力ピッチャーとなってほしい。

前田純投手は24歳。2022年のドラフト会議では育成10位で指名された。沖縄の中部商高校時代はベンチ入りさえ叶わず。日本文理大へと進み、3年春にベンチ入りできるようになると、4年春には全日本大学野球選手権にも登板するほど成長した。

一方の前田悠伍投手は19歳。高校野球の強豪、大阪桐蔭高出身。1年秋の明治神宮野球大会、2年春には甲子園の優勝に貢献した。全国的に有名な投手だ。2023年のドラフト会議では1位指名を受けて入団した。

経歴を見る限り、「ソフトバンクの前田」といえば、悠伍投手を思い浮かべる人が多いだろう。純投手は「じゃない方」へと追いやられてしまいそうだ。

それでも純投手は昨季、育成選手から支配下登録を勝ち取って出世した。さらに9月29日には1軍デビュー。6回無失点でプロ初登板初勝利を手にした。育成10位出身の勝利はドラフト史上最下位指名投手による記録となった。

今季は1軍に定着してローテーション投手の座を手にしたい。その競争は熾烈だ。生き残りをかけて、3月4日のオープン戦に登板した。

福岡で行われたヤクルト戦。純投手は四回から2番手で登板すると、3回無失点のパーフェクト投球を披露した。四回は先頭の村上宗隆投手と相対する。ライトフェンスぎりぎりまで運ばれたが、フライアウトに取ると勢いに乗った。

オスナ選手はセカンドフライ、茂木栄五郎選手にもセカンドフライ。3者ともにフライアウトで打たせて取った。

そして圧巻だったのは五回。先頭打者を直球で空振り三振。続くバッターにも142キロのストレートで空振り三振。最後もチェンジアップで空振り三振。「ワン、ツー、スリー」の三者連続空振り三振に斬って取った。

六回も先頭をセンターフライに打ち取った後、2者連続の空振り三振を奪った。この日、3回無失点。パーフェクト投球で5奪三振。自己最速タイの144キロもマーク。首脳陣に強烈なアピールができた。

この日、悠伍投手も登板し1回無失点に抑えたものの、2軍落ちが決まった。試合前から決まっていたようだ。

「じゃない方」の純投手がローテ争いに生き残った。もちろん悠伍投手も含めて、2人ともに将来性がある。

ホークスの左腕と言えば、日米通算165勝の和田毅さん。その和田さんも昨季限りで現役引退した。「ポスト和田」へ前田2投手が奮起してほしい。

前田純投手も前田悠伍投手も、今季1軍で活躍してほしい。2人にエールを!

いいなと思ったら応援しよう!