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ろうけつ染め作品『八百比丘尼におくる椿』
◎
過去につくったものでも出すか〜。
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『八百比丘尼におくる椿』
日本の伝説上の女僧である八百比丘尼を象徴する椿をモチーフに制作したタペストリー。
古くの日本において"首切り花"と呼ばれた椿の持つ不気味な美しさと、八百比丘尼が久遠の命を手に入れてしまったことで得た悲しみや苦しみをイメージした。
技法: ろうけつ染め
サイズ: 92×220(cm)
素材: 絹、酸性染料、マイクロワックス、カルナバワックス、蜜蝋
ワックス(ろう)の種類の違いについて、
過去のことだからちょっと曖昧ながら説明すると
・マイクロワックス→メジャーなろう。特にこだわりが無い時に使ってた。
・カルナバワックス→割れやすいので、ひび割れた表現に適している。カルナバだけで使ったり、割れ方を調整するためにマイクロワックスと混ぜて使ったりしてた。
・蜜蝋→防染力が弱め。以下の細部の写真を見ると分かるかと思うが、茶色のざらっとしたような表現がある。
一般的な染め方として、ろうを布の上に置いた後、水で溶かした染料で染めていく際にろうの上に染料が付着したら布で拭き取るのだが、これはあえてその付着したのを拭き取らずにそのままにしたもの。要は偶然を信じたということ。
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青花ペン(水で消えるペン)で布に下書きをしたあと全体に蜜蝋を置き、キリで布を破らないよう下書きに沿って輪郭など主線部分を削り出していく。ろうを削ったところは防染されていないので、作った染料そのままの濃度で布が染められる。
葉の部分は、一度全体に置いた蜜蝋を落とした後に再び葉の輪郭をマイクロワックスで防染し、その中を染めた。
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割れ方の違いがわかるだろうか。
今東京国立近代美術館でやってる展示『ハニワと土偶の近代』で13mのろうけつ染め作品を見てドヒャーとなりつつまたやりたいなと思っている。
誰かろうけつ染めできるところ紹介してくれ〜。
◎