バルクアップ・増量中にオススメの食品・食材まとめ
この記事ではバルクアップ・増量中にオススメの食品・食材についてまとめています。
もち米・もち麦
もち米・もち麦に含まれているデンプンは、ほぼ100%が「アミロペクチン」です。特にこのアミロペクチンは水に溶けない性質を持っており、これによって水を吸った時、粘り気が強くなります。尚、これは「様々な形に加工できる」というメリットにもなり、食習慣に変化をもたせる事ができます。
またアミロペクチンは分子が細かく枝分かれしています。これによって消化酵素の影響を受けやすくなり、通常の白米よりも消化・吸収がスムーズに行われます。更に「餅」として既に加工されている場合、食物繊維などの不純物が少なく、糖の吸収が邪魔される事もありません。
この事から、もち米やもち麦は非常に効率的に糖を摂取できるため、「バルクアップ」にはもちろんの事、筋肉に糖を貯蔵するための「カーボローディング(カーボアップ)」でもオススメの食品の一つです。一方、ビタミン・ミネラルの栄養価は高くないため、この点には注意しなければなりません。特に糖の代謝を補助するビタミンB1は必ず補給が必要です。
ちなみに通常のお米ではアミロペクチンが80%程度、残りの20%程度がアミロースとなっています。80%のアミロペクチンと聞くと多いように思いますが、この数%の違いが、消化のしやすさに大きく影響しています。特に玄米は更に食物繊維などの不純物が多いため、糖の吸収は悪くなります。
小麦粉を使った料理
小麦粉はビタミンやミネラルの栄養価はかなり低いですが、糖質が豊富な上、不純物が少ないため、効率的に糖を補給できます。特に小麦粉は様々な形に加工できるため、食習慣に変化をもたらす事ができます。
小麦粉を使った料理では、例えばパン、ラーメン、うどん、好み焼き、たこ焼き、パスタなどが挙げられます。前述の「餅」と合わせ、これらもバルクアップ中やカーボアップ中における主食の候補になるでしょう(カーボアップでは低脂肪である必要があるので、ラーメンの汁や調味油などには注意が必要)。
ただしそのように一般的な小麦粉はビタミンやミネラルの栄養価が低いため、別途補給が必要になります。もちろん「全粒粉」であればビタミン・ミネラルの栄養価も高くなりますが、その分、食物繊維が豊富になり、糖の吸収は悪くなります。どちらを取るかは人それぞれです。
ダッタンソバ
聞いた事がない人も多いと思いますが、ダッタンソバとは「ソバ」の品種の一種です。そのソバの実を利用した「麺類としての蕎麦」があります(画像は普通の蕎麦です)。
特にこのダッタンソバの実には、ポリフェノールの一種であるルチンが豊富に含まれています。その量は一般的なソバの実の数10倍~100倍とも言われており、それによる健康効果が期待できます。もちろん糖の補給源にもなるため、バルクアップ及びカーボアップ中にもオススメです。
ただしダッタンソバの実には、このルチンをケルセチンに分解する酵素も豊富に含まれています。特にこのケルセチンは強烈な苦味があり、水を加えるとこの酵素が活性化し、ケルセチンが増えてしまいます。このためダッタンソバを麺に加工する場合、加熱して酵素を失活させてから水を加える必要があります。加工済みの場合、質の高い商品を選ぶ必要があるでしょう(ダッタンソバ茶は大した栄養価がないので注意)。
ちなみにソバの実はそれ自体の栄養価も高く、蛋白質、ビタミンB群(ビタミンB1、ナイアシン、パントテン酸)、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅が豊富に含まれています。これは通常のソバの実も同様です。特に麺類としての蕎麦は日本人にとって馴染みが深く、日本人は意識せずに各種栄養素を摂取しているのです(もちろん欠点もある)。
またソバは切らずにそのまま捏ねる事で、様々な形に加工できます。特に全粒粉を使う場合、食物繊維が多くなり、ビタミン・ミネラルの栄養価もより高める事ができます。一方、その分、不純物が多くなり、糖の吸収は悪くなります。どちらを取るかは人それぞれです。
芋類全般
前述した穀類には負けますが、ジャガイモ、サツマイモ、里芋、山芋などの芋類も全体として糖質が豊富です。
特に芋類は全体として食物繊維も豊富に含まれていますが、それ以上に糖の量が豊富なため、糖の吸収が邪魔されるほどではありません。バルクアップ中はもちろんの事、低脂肪な事から、カーボアップ中もオススメです。
ちなみに芋類は全体としてカリウムが豊富に含まれています。またジャガイモとサツマイモではビタミンCも豊富です。芋類ではその点もメリットになります。
一方、里芋の場合、カルシウムの吸収を阻害するシュウ酸が含まれています。可能ならカルシウムを豊富に含む食品を一緒に食べ、またカルシウムの吸収を促すビタミンDやビタミンKも補給すると良いでしょう。
カボチャ
カボチャも糖質が豊富です。糖質の量は芋類には劣り、食物繊維の量は芋類と同程度なので、「糖を補給する」という目的なら芋類に軍配が上がりますが、糖を補給する一つの手段にはなります。
特にカボチャの場合、β-カロテン、ビタミンE、ビタミンK、カリウムなどを豊富に含むため、この点が大きなメリットになります。バルクアップ中はもちろん、低脂肪な事から、カーボアップ中もオススメです。
ちなみに野菜類の中では、スイカやトマトにも糖質は含まれていますが、水分量がかなり多いため、同じ重さで比べると意外と糖質の量は少ないです。その点、野菜類の中ではカボチャがオススメです。
バナナ
果物類は全体として糖質が豊富なので、糖を摂取する上ではオススメ・・・と言いたい所なのですが、水分量が多いため、同じ重さで比べると意外と糖質の量は少ないのです。
その点、バナナは水分量が少ない上、イメージとは異なり、糖の吸収を緩やかにする食物繊維の量も少なめです(果物の中では多い方ではあるが、野菜と比べて多い訳ではないという事)。このためバナナも効率良く糖を摂取できます。カリウムが豊富に含まれているという点もメリットになります。
よってバナナも、バルクアップ中はもちろん、低脂肪な事から、カーボアップ中もオススメです。
蛋白質を豊富に含む食品色々
バルクアップ中の摂取エネルギーは、消費エネルギーを上回っている必要があります。そのため高蛋白であれば、必ずしも低脂肪である必要はありません。
特に高蛋白な食品としては、例えば肉類(牛肉、豚肉、鶏のササミ、砂肝、各種レバー・マメなど)、卵(鶏やウズラ)、魚類(ブリ、サンマ、サバ、ニシン、カツオ、マグロ、タラ、サケ、シラスなど)、魚卵(タラコやイクラ)、魚介類(サクラエビ、カニ、イカ、タコ、サザエなど)、乳製品(チーズ)、大豆製品(納豆・きな粉・高野豆腐)、ナッツ類(アーモンド・ピーナッツ・カシューナッツ・ゴマ・カボチャの種・ヒマワリの種など)が挙げられます。
ここでは「高蛋白な食品」の中でも「蛋白質を摂取する以外でもメリットが大きい食品」をピックアップしています。胃の容量には限りがありますから、これらのような、できるだけ栄養価の高い食品を選ぶべきです。一方、カーボアップ中の場合、低脂肪である必要があり、これらの中では選べない食品があります。
肉類については『ダイエット・減量中にオススメの「低脂肪な肉類」まとめ』、魚類については『ダイエット・減量中にオススメの「低脂肪な魚」まとめ』や『必須脂肪酸の摂取にオススメの「脂肪が豊富な魚類」まとめ』、また魚介類については『ダイエット・減量中にオススメの「魚と海藻以外の魚介類」まとめ』、高脂肪な食品は『各種ミネラルの補給にオススメの食品・食材まとめで紹介』でも紹介しています。そちらをご覧下さい。
ちなみに糖を摂取する事で分泌されるインスリンは、蛋白質及びアミノ酸の代謝を促す事ができます。前述した糖を豊富に含む食品を食べる場合、必ずこれらの食品を一緒に食べるようにしましょう。
プロテイン
これは言わずもがなです。低脂肪であり、蛋白質を補給する上で重要です。
ただしプロテインは単独で飲むよりも、そのように糖を一緒に摂取した方が吸収が良くなります。果汁の含まれる飲み物に溶かすか、マルトデキストリンなどの糖を自分で混ぜて飲むようにしましょう。
またプロテインと言えば運動後に飲むイメージですが、運動直後よりも30分程度空けた方が吸収が良くなります。これは運動時、筋肉に血流が集中しているためです。
その他、1日に必要な蛋白質の量が多い場合、1日の食事の回数も多くなります。その場合、プロテインを飲む量や回数、タイミングも調節する必要があります。それらプロテインの詳しい利用方法については『プロテインを選ぶ際に知っておくべき「原材料による違い」』をご覧下さい。
ちなみにプロテインは普段の食事の際に飲む事もできます。その場合、前述した「糖を豊富に含む食品」を一緒に食べるようにしましょう。
良質な脂肪酸を豊富に含む油
繰り返しになりますが、バルクアップ中の場合、低脂肪である必要はありません。むしろ運動量が多くなるほど脂肪は意識的な摂取が必要です。
そこでオススメなのが、一価の不飽和脂肪酸であるオレイン酸を豊富に含むオリーブオイルやヒマワリ油などです。特に脂肪は脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)の吸収を促してくれます。摂取エネルギーの調節、及びそれら脂溶性ビタミンを豊富に含む食品を加熱調理をする際に便利です。
またMCTオイルもオススメです。MCTオイルは加熱調理には使えませんが、エネルギーになりやすい中鎖脂肪酸が豊富に含まれています。必ずしも必要という訳ではありませんが、摂取エネルギーを調節する際には便利です。MCTオイルについては『糖質制限ダイエット中にオススメの食品・食材まとめ』の方が詳しいです。
一方、カーボアップ中の場合、低脂肪である必要があるので、これらの油は利用できません。しかしながら人体にとっては必須となる脂肪酸もあるため、それに関しては最低限摂取しなければなりません。
そこでアマニ油やエゴマ油です。これらの油は不飽和脂肪酸の中でもω-3脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含んでおり、その摂取源になります。こちらも加熱調理には使えませんが、ほぼ無味無臭で癖がなく、手軽に利用できます。
尚、油など高脂肪な食品については『糖質制限ダイエット中にオススメの食品・食材まとめ』でも紹介しています。
ビタミン・ミネラルもしっかり補給しよう
筋肉を大きくしていくためにはビタミン・ミネラルも必要です。
果物類(イチゴ・柿・キウイフルーツ等)、野菜類(ニンジン・小松菜・ホウレン草・赤黄ピーマン・モロヘイヤ・カボチャ等)、キノコ類(キクラゲ・シイタケ等)、海藻類(ワカメ・コンブ・アオサ・ヒジキ等)なども食べましょう。
また前述した魚卵(タラコやイクラ)、大豆製品(納豆・きな粉・高野豆腐)、ナッツ類(アーモンド・ピーナッツ・カシューナッツ・ゴマ・カボチャの種・ヒマワリの種など)などもビタミン・ミネラルの補給に重要です。
以上です。お役に立たれば幸いです。
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