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『エッセー』いつも何かを考えていた

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雑記、昔のこと、ふと思ったこと、考えたこと、とりとめのないことです。
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遊覧船にゆられて

遊覧船にゆられて

大人になるまで船に乗るという機会があまりなかった。

子供の頃から乗り物自体に興味がなく。電車だとか車だとか飛行機だとか、好きな周りの男の子たちを眺めながら『ただの乗り物だろ』と思っているタイプの少年だった。

時が経ち大人になって、否が応でも移動手段で様々な乗り物に乗らざるを得なくなり『人を運ぶ乗り物』というものに面白みを抱けるようになってきた。

乗り物というのは不思議なものだ。
乗っている間

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価値観の違いは甘いものでは癒せない。

価値観の違いは甘いものでは癒せない。

弱気。

あまり弱気ってやつは面白いものとは捉えられないけれど、見え方によっては面白い。

うそ、そう思いたいししんどいけど、しんどさを面白いと感じたいのだ。

わたしは人を支援する仕事をしている。そうした専門職の資格を取ったし、その中で学んだ考え方や心構えを大事にしている。

高齢者や子供、障害者の支援が大まかに言えば職域なのだけれど、その分野分野にはまたその分野の専門家がいて、その専門家ゆえの

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ホットサンドを焼く時間

ホットサンドを焼く時間

先日のnoteを書いていて、コロナ禍にホットサンドを焼くことにハマったことを思い出した。

あの時期は空前のキャンプブームで、ネットやテレビを眺めていても『山を買うならどこそこ』『キャンプアイテム比較、1番いいテントは?』とかそんな話題がそこかしこにあった。
今でもそうだが、キャンプ道具を揃える財力も時間もない彼女と私は唯一気軽に買えそうかつ日常的なキャンプ道具であったホットサンドメーカを買うこと

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深夜ドラマに観る夢

深夜ドラマに観る夢

深夜ドラマにハマっている。
きっかけはコロナで、当時定職にもついていなかった私は永遠とNetflixで『深夜食堂』や『孤独のグルメ』を毎晩見るのが日課だった。

これといった目標もなく、されど漠然と何かをしたいという気持ちが強くあり流れゆく日々の中で少しでも誰かの人生に触れたい、そしてできれば誰かの人生に影響を与えたいと思っていた。

元々ドラマより映画派で「ドラマは端的に言いたいことが言えない人

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栄養ドリンクとの距離

栄養ドリンクとの距離

栄養ドリンクをよく飲むようになった。
正確には今の業界で仕事するようになってから『飲まないと仕事がまともにできない時があるので渋々飲んでいる』という状態に至っている。

前の仕事は夜勤が当たり前で、夜勤中深夜3時を超えてくると目が霞み、意識も朦朧としてきて仕事にならなかったのだ。
今の仕事は以前ほどではないにせよ、疲れが溜まっている時などは栄養ドリンクは手放せない。



小学生の頃、クラブ活動

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カレーうどん

カレーうどん

「服が汚れるからよしなよ」
連れ合いが言葉とは裏腹に笑みを浮かべて忠告してくれる。

どうしてか昔から白いTシャツを着ている時ほど服が汚れるものを食べたくなる。喫茶店のナポリタン、イタリアンでのワイン、洋食屋のハンバーグ、そしてなんと言っても蕎麦屋での『カレーうどん』。

ふと休みの日に知らない街で気取らない地元の蕎麦屋といった風体の蕎麦屋を見つけると入ってみたくなる。
だいたい店構えがしっかりし

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月と散文を読む

月と散文を読む

毎晩、寝る前に読んでいた又吉直樹さん著『月と散文』を読み終えた。

このところZINEばかり読んでいたものだから、単行本で読むということの良さを噛み締めて読むことができたように思う。やはり単行本は文と向き合うにはとてもよい、紙の重みを感じその質量が文にも質量を持たせているように感じられる。

『月と散文』は又吉直樹オフィシャルコミュニティ『月と散文』に2021年8月から2023年1月までに投稿され

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30歳

午前1時40分。寝付くことができずMacBookを立ち上げて気怠さを覚えながら文字を打ち込んでいる。

来月私は無職になり、再来月には誕生日を迎え28歳になる。

あと数年で30歳。私の青年期もほんの数年で終わろうとしている。20代を総括するにはまだ早い。けれど、自身の人生の航路を決める猶予として残された時間が多いとは言えない。

村上春樹さんが小説を書き始めたのが29歳。デビューが30歳。又吉直

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我孫子にて

我孫子にて

2022年11月26日天候曇り。いつものように日記として記そうと思っていたのだが、今日はだらだらとながく書きそうだなというのときっといつかこの文章もネットに上げている以上消えてしまうのだから他と判別しやすいように見出しも変えて自身読み返してもいいように記そうとそう考えたわけだ。前置きを引き延ばしても仕方がないからこの辺にしていつものように時系列にけれど寄り道して文章を紡ぐことにしようと思う。

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並みの付き合い

並みの付き合い

友達でも家族でもない、簡単に言えばお互いにあまり関心のない人との付き合いが苦手だ。
今の職場は個人的な付き合いのある人は一人もおらず、全員がたまに雑談する人ぐらいの距離を保ったまま日々多忙な交代勤務をこなしている。そうした関係が決して嫌なわけではないのだけれど、コロナが静かにあらゆる常識を変えてしまったように、無駄なのかどうかの議論もないままコミュニケーションが固定化・定型化されることが進められる

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家族の風景

家族の風景

ハナレグミというアーティストの楽曲に今回表題にした「家族の風景」という曲がある。その曲は以下の歌詞から始まる。

この曲の特筆すべき点はこの歌詞に集約されているように思う。キッチンにハイライトとウイスキーグラスがある光景を
どこにでもある家族の風景だと歌っていることだ。

どれほどそうした家庭が一般的かなんてことはここで語るつもりはないが、少なくとも私が育った家庭はそうした光景がどこにでもあるもの

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本の街

本の街

本が好きだ。新刊の真新しい紙の匂いが好きだ。古本独特の多くの時間が積み重なった煤けた匂いが好きだ。だから街中が本に包まれている神保町が好きだ。

三年ぶりに開催された「神田古本まつり」&「神保町ブックフェスティバル」に行ってきた。久しぶりの開催ということもあり会場は大盛況だった。古本まつりは靖国通りに、ブックフェスティバルはすずらん通りにそれぞれ古本屋と出版社がブースを構えて本を売っているというイ

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眠れない夜

眠れない夜

端的に言えば今日は寝れない夜だ。彼女を起こさぬようにそっと布団から抜け出してレンジでミルクを温める。
シフト制の交替勤務で働くようになって夜勤もあるので寝ようと思っても中々寝付けない夜がごく稀にあるようになった。それでこうしてパソコンを立ち上げてブログを書いている。

最も昔はもっと頻繁に眠れない夜があった。例えば空回りばかり失恋を量産していた大学時代、人が怖すぎて死にたい夜ばかりだったフリーター

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ライド・イン・カンバーティブル

ライド・イン・カンバーティブル

仕事終わり。日中来ていたLINEを整理していると友人から「今日ワンチャッンある?」という短いメッセージに目を止めた。

小説で書き出すならそう書き出すけれど、これは小説ではないのでやめる。昔はエッセイばかり書いていたからそちらの方が得意だったけれどここ数年は書きかけの小説ばかり書いていたので文章を書いているとすぐに小説みたいな文になる。仕事でもなにやらレポートのようなものを度々提出する必要があるの

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