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本日の一曲

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さくらMusic officeでは、新企画「本日の一曲」をスタートしました! この「本日の一曲」では、ジャンルにこだわらず、時にはアーティストや時代背景にも触れながら、誰もが知…
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#クラシック音楽

本日の一曲 vol.563 モーツァルト:魔笛 (Wolfgang Amadeus Mozart: Die Zauberflöte K.620, 1791)

「魔笛」は、モーツァルト(1756年1月27日生~1791年12月5日没)さんの死の年である1791年に作曲、初演が行われた2幕からなる「ジングシュピール(音楽劇)」です。曲の合間に劇が入るという構成になっています。 モーツァルトさんは、死の年に鬱々としたレクイエムを作曲しました。 本日ご紹介する「魔笛」は、同じ死の年の作曲ながら、「レクイエム」とは打って変わって、子供を相手にするまるでおとぎ話のような音楽劇になっています。モーツァルトさんの魅力がたくさん詰まっている音楽

本日の一曲 vol.559 ヴァイル:アラバマ・ソング (Kurt Weill & Bertolt Brecht: Alamaba Song, 1927)

マハゴニー本日ご紹介するクルト・ヴァイル(1900年3月2日生)さんの「アラバマ・ソング」は前にご紹介した「三文オペラ」と同時期のナチス時代の1927年に音楽劇(Songspiel)「マハゴニー(Mahagonny)」の中の1曲として作曲されたものです。ロッテ・レーニャ(Lotte Lenya, 1898年10月18日生~1981年11月27日没)さんの歌で、ロジャー・ビーン(Roger Bean, 1919年8月30日生~1979年3月9日没)さん指揮ロジャー・ビーン・ウ

本日の一曲 vol.553 チャイコフスキー:弦楽セレナード (Pyotr Tchaikovsky: Serenade For Strings, 1880) 小澤征爾さんを偲ぶ

昨年2024年の2月6日に小澤征爾さんがお亡くなりになり、約1年が過ぎました。小澤征爾さんを偲んで、小澤征爾さんとサイトウ・キネン・オーケストラの名盤を聴きたいと思います。 1992年9月の長野県岡谷市カノラ・ホールで録音で、弦楽セレナードの第1楽章です。CMを思い出す方も多いかも知れませんが、ハ長調という調性にもかかわらず、イ短調のように始まる曲調が感動的です。 アルバムのプレイリストです。 小澤征爾さんの若い頃の奮闘ぶりを描いたご自身の著書は必読だと思います。 1

本日の一曲 vol.550 ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 (Henryk Wieniawski: Violin Concerto No.1 Op.14, 1853)

ヘンリク・ヴィエニャフスキ(英語読みにすると「ウィニアウスキ」。1835年7月10日生~1880年3月31日没)さんは、ポーランドの19世紀のヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストの一人です。 ヴィエニャフスキさんは、1843年の8歳のときにパリ音楽院に入学して1846年まで通い、卒業後からヨーロッパをツアーしてたくさんのリサイタルを開催しました。本日ご紹介するヴァイオリン協奏曲は18歳の時の作曲であり、その早熟ぶりを聴くことができます。 ギル・シャハム(Gil Shaham

本日の一曲 vol.548 ジョン・アダムス:ハレルヤ・ジャンクション (John Adams: Hallelujah Junction, 1996)

本日ご紹介するアメリカの作曲家ジョン・アダムスさんは、ジョン・クーリッジ・アダムス(John Coolidge Adams, 1947年2月15日生)さんで、ミニマル・ミュージックで有名な作曲家です。 ジョン・アダムスさんの曲は、ピアノ曲からオペラまで広範にわたるのですが、本日のご紹介する2台のピアノのための「ハレルヤ・ジャンクション」は、とても聴きやすい曲かと思います。 アメリカ出身の双子の姉妹クリスティーナ&ミシェル・ノートン(Christina & Michelle

本日の一曲 vol.541 ベートーヴェン:皇帝 (Ludwig van Beethoven: "Emperor" Op.73, 1810, played by Glenn Gould)

ベートーヴェン・皇帝をご紹介するのは2回目になります。最初の紹介記事はこちらをご覧ください。 この曲のルービンシュタイン・バレンボイム盤とともにご紹介したいのは、グレン・グールド(Glenn Gould, 1932年9月25日生~1982年10月4日没)さんがピアノを弾き、レオポルド・ストコフスキー(Leopold Stokowski, 1882年4月18日生~1977年9月13日没)さんがアメリカ交響楽団(The American Symphony Orchestra)を

本日の一曲 vol.538 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 (Johannes Brahms: Violin Sonata No.3 Op.108, 1888)

ヨハネス・ブラームス(1833年5月7日生~1897年4月3日没)さんのヴァイオリン・ソナタは3曲あり、ト長調の第1番「雨の歌」(Op.78)は40代中盤の作品で、交響曲第2番やヴァイオリン協奏曲と同時期のもの、イ長調の第2番(作品100)とこのニ短調の第3番(作品108)は、50代中盤の作品です。ブラームスさんは、1897年に63歳で亡くなっていますから、この3曲のヴァイオリン・ソナタは、ブラームスさんの人生の後半の作品であり、第2番と第3番は人生終盤の作品と言ってよいかと

本日の一曲 vol.531 藤井一興:香る薔薇の雨降る聖テレーゼ (2021)

藤井一興先生の訃報に接しました。 安らかな眠りにつかれますよう、お祈り致します。 2021年の紫園香フルート・リサイタルから、先生ご自身の作曲された「香る薔薇の雨降る聖テレーゼ」です。紫園香さんのフルートと先生のピアノによる演奏です。 以下、アルバムのプレイリストです。 「クープランからクープランの墓へ 愛奏曲集」 「ドビュッシー&ショパン」 「ドビュッシー&ラヴェル」 「ドビュッシー&デュティユー 前奏曲集」 「イーゴル・マルケヴィッチ ピアノ作品集(Igor

本日の一曲 vol.530 モンポウ:ひそやかな音楽第1巻 (Federico Mompou: Música Callada, Vol.1, 1959)

フェデリコ・モンポウ(1893年4月16日生~1987年6月30日没)はスペイン・カタルーニャのバルセロナ出身の作曲家です。作風は、当初、ドビュッシーさんやサティさんからの影響を強く受けたものでしたが、主に小品が多く、とても「静謐」な音楽です。 本日ご紹介するのは、モンポウさんが60代から70代の1959年から1967年にかけて作曲した「ひそやかな音楽(Música Callada)」第1巻から第4巻のうち、一番最初の第1巻第1曲です。「Música Callada」という

本日の一曲 vol.528 ドナカ・デネヒー:冬の国 (Donnacha Dennehy: Land Of Winter, 2024)

ドナカ・デネヒー(1970年8月17日生)さんは、アイルランド・ダブリン出身の現代クラシック音楽の作曲家です。「冬の国(Land Of Winter)」は、かつてローマ人がアイルランドを「Hibernia(冬の地)」と読んでいたことから着想を得たもので、アイルランドの1年間の季節の変化を12月から1月、2月、3月と連続して月ごとに表現したものです。楽器はオーソドックスなものを使っていると思いますが、ミニマリズム、スペクトル音楽、躍動的なパーカッション、人の声などさまざまな手法

本日の一曲 vol.525 ヘンデル:ハープ協奏曲 ( Georg Friedrich Händel: Concerto for Harp, Strings and Basso continuo, 1736)

前に「もしクラシック音楽にヨーロッパ的でリッチでハイソでちょっと格式張ったものを求めるとしたら」ヘンデルさんの音楽かメンデルスゾーンさんの音楽がよいのではないか、とご紹介しました。 本日は、ちょうどベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、ヘンデル(Georg Friedrich Händel, 1685年2月23日生~1759年4月14日没)さんとジェルメーヌ・タイユフェール(Germaine Tailleferre, 1892年4月19日生~1983年11月7日没)さ

本日の一曲 vol.522 グリーグ:ペール・ギュント全曲 (Edvard Grieg: Peer Gynt Op.23, 1875)

「ペール・ギュント」は、ノルウェーの劇作家ヘンリク・イプセン(Henrik Ibsen, 1828年3月20日生~1906年5月23日没)さんが1867年に書いた全5幕の韻文劇であり、これに同じくノルウェーの作曲家エドヴァルド・グリーグ(1843年6月15日生~1907年9月4日没)さんが1875年に曲を付け、1876年2月24日にオスロで初演されたものです。 この全曲の中では、第4幕前奏曲の「朝の気分」が兎にも角にも有名です。 エストニア出身のネーメ・ヤルヴィ(Neem

本日の一曲 vol.516 オネゲル:火刑台のジャンヌ・ダルク (Arthur Honegger: Jeanne d'Arc au bûcher, 1935)

本日は、合唱曲の5曲目として、アルトゥール・オネゲル(Arthur Honegger, 1892年3月10日生~1955年11月27日没)さんの曲をご紹介したいと思います。オネゲルさんについては、「パシフィック231」をご紹介したことがありました。 本日ご紹介する「火刑台のジャンヌ・ダルク」の題材になっているジャンヌ・ダルク(Jeanne d'Arc, 1412年頃1月6日生~1431年5月30日没)さんは、フランスとイングランドとの間の百年戦争(1337年~1453年)中

本日の一曲 vol.514 メンデルスゾーン:交響曲第2番「讃歌」 (Felix Mendelssohn: Symphony No.2 "Lobgesang", 1840)

もしクラシック音楽にヨーロッパ的でリッチでハイソでちょっと格式張ったものを求めるとしたら、ヘンデル(Georg Friedrich Händel, 1685年2月23日生~1759年4月14日没)さんの音楽とメンデルスゾーン(Jakob Ludwig Felix Mendelssohn Bartholdy, 1809年2月3日生~1847年11月4日没)さんの音楽はちょうどよいかもしれません。 メンデルスゾーンさんの交響曲については、今回で2曲目のご紹介になります。1曲目は