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本日の一曲 vol.538 ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 (Johannes Brahms: Violin Sonata No.3 Op.108, 1888)

ヨハネス・ブラームス(1833年5月7日生~1897年4月3日没)さんのヴァイオリン・ソナタは3曲あり、ト長調の第1番「雨の歌」(Op.78)は40代中盤の作品で、交響曲第2番やヴァイオリン協奏曲と同時期のもの、イ長調の第2番(作品100)とこのニ短調の第3番(作品108)は、50代中盤の作品です。ブラームスさんは、1897年に63歳で亡くなっていますから、この3曲のヴァイオリン・ソナタは、ブラームスさんの人生の後半の作品であり、第2番と第3番は人生終盤の作品と言ってよいかと思います。第1番こそ、活力に満ちた作品ですが、渋い作品群であり、ブラームス・ファンにとっては宝物です。

第3番の初演は、1888年12月にブラームスさん自身のピアノとイェネー・フバイ(Jenő Hubay, 1858年9月15日生~1937年3月12日没)さんのヴァイオリンにより行われましたが、フバイさんのお弟子さんであるヨーゼフ・シゲティ(Joseph Szigeti, 1892年9月5日生~1973年2月19日没)さんの録音があります。ピアノはミェチスワフ・ホルショフスキ(Mieczysław Horszowski, 1892年6月23日生~1993年5月22日没)さんです。

ただ、1958年にリリースされた古い録音ですし、シゲティさんの演奏自体、評価が分かれるところでもあります。最近の録音で評判がよいものは、ヴァイオリンのオーギュスタン・デュメイ(Augustin Dumay, 1949年1月17日生)さんとピアノのマリア・ジョアン・ピリス(Maria João Pires, 1944年7月23日生)さんの演奏です。デュメイさんはフランス出身、ピリスさんはポルトガル出身です。

そして、最近の演奏として、2022年1月の吉田南(1998年生)さんのヴァイオリンと福間洸太朗(1982年8月29日生)さんのピアノによる演奏をご紹介します。吉田南さんは、昨年、活動名を「MINAMI」として、今年の秋からベルリン・フィルで活動する予定になっているようです。

(by R)

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