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#マンガ感想文
「公正世界仮説」に反する物語が好き。
先日、高橋ツトム「ブルーヘヴン」が好きだという記事を書いた。
上の記事には入れられなかった好きな理由のひとつが「『公正世界仮説』に反する原理が働いているから」だ。
盛龍たちが乗る漂流船を見つけた時、ブルーヘヴンの社長と船長は「救助すべきか否か」で揉める。
社運を賭けた豪華クルーズ船の航行中に、漂流船の救助などしていられない、身元不明の人間を乗せるわけにもいかない、人道など知ったことでは
串刺し公ヴラドを主人公にした「ヴラド・ドラクラ」が、3巻から急激に面白くなるのは何故か。
ドラキュラのモデルにもなった「串刺し公ヴラド」を主人公にした、「ヴラド・ドラクラ」を既刊7巻まで読んだ。
実は三巻の途中までそこまで面白いとは思っていなかった。
「ヴラド・ドラクラ」は15世紀に黒海東岸にあったワラキア公国が舞台だ。
ワラキアはハンガリー王国とオスマン帝国という二つの強国に挟まれているため、この二国、どちらかの後ろ盾を得なければ公座につくことができない。
政情が不安定で、
「信頼のできない語り手」の支配と検閲をかいくぐって物語を読む。
少し前に読んだこの話が面白かった。
自分は「信頼のできない語り手」&独裁国家(※)として読んだが、なぜそう思ったか、どこでそう感じたかについて話したい。
※造語。詳しくは過去記事を参照。
髙橋ツトム「ブルーヘヴン」が凄く好きなのは、自分にとってコミュニケーションの話だからだ。
※本記事には高橋ツトム「ブルーヘヴン」のネタバレがあります。
連載していた時凄く好きだったので、超久しぶりに読んでみた。
一読しただけだと、この話の何にこんなに引き込まれるのか、なぜこの話がそんなに好きなのか、自分でもよくわからない。
パニックサスペンスは好きだが、「ブルーヘヴン」は展開が早すぎて、サスペンス要素を味わう暇がない。パニック部分も「タイタニック」のように力を入れて描かれてい
もうすぐ2巻が発売されるので、「ケントゥリア」のどこが面白いか、どこが好きかを語りたい。
※この記事は暗森透「ケントゥリア」の最新話までのネタバレが含まれます。未読のかたは↑から第一話・二話、最新二話が無料で読めます。
「ケントゥリア」はストーリーの進み方や起伏、シーンの緩急のつけかたが独特だと感じる。こう言ってはなんだが「面白く感じるはずがないのに、なぜか面白い」そう思ってしまうのだ(ナニヲイッテイルカワカラナイ)
「ケントゥリア」は孤独な少年ユリアンが奴隷の妊婦ミラと出会うとこ
「見えないばけもの」は「作品の暴力性」という「見えないばけもの」に自覚的だったら、そうとう面白かったと思う。
先日読んだ「見えない化けもの」について。
名端がこう言っているように、この話のメインの言及ターゲットは「男社会」である。
だが指摘が多く見られるように、描かれている「男社会」にリアリティがない。
その感覚が正しいかどうかはともかく(問題ではなく)『男社会』に言及することがメインに関わらず、その『男社会』にリアリティを感じなければ話に入り込めない。
かと言って、「ざまあ」のような「藁人
なぜ「その物語は何かを隠蔽している」と考えるのか&「隠蔽するための物語」作品まとめ
◆「隠蔽するための物語」とは何なのか。
先日、コミックDAYSに掲載された「天を夢見て」を読んで、「これは『隠蔽するための物語』ではないか」と思った。
「隠蔽するための物語」とは何か。
「言わない」ことで効果を狙っているわけではなく、「言えないこと」がある。その「言えないこと」を隠すために作品が存在している。
「言えない内容そのもの」と「『言えない(語れない)』という事実」を同時に隠してい
「親を裏切り家から逃げ出さなければ、自分の人生を生きられない問題」について。
↑の記事の続き。
引き続き、漫画「天を夢見て」について。
初めて読んだ時は「自己実現のために全てを裏切ることをどう思うか」という話として読んだ。
だから「そもそも他人からの承認でしか『自分』を保てないなら、それはもはや自分ではないのでは」と思い、あまり興味がわかなかった。
だがどうも引っかかるものがあったので、もう一度読んでみた。
その結果、この話は「主人公が自己実現すること(悪魔
善意や愛情、良識からであったとしても「自分」を浸食されそうになれば、悪魔にならざるえない。
最初読んだ時は、
幼い頃から天使になりたかったんじゃないのか?
他人に承認されれば(選ばれれば)何でもよかったのか?
他人の承認なしでは「自分」がまったく成り立たないということ?
と「?」が十個くらい浮かんでまったくピンとこなかった。
ただ何か引っかかるものがあるので、少し考えてみた。
自分が「天を夢見て」で一番引っかかったのは、ガブリエと妹(ラミ)が主人公・ライアンの生き方や考