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漫画の感想

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「【推しの子】をどう読んだか」をもう一度整理しながら、この物語のどこが好きかを語りたい。

「【推しの子】をどう読んだか」をもう一度整理しながら、この物語のどこが好きかを語りたい。

 ↑で「自分が【推しの子】をどう読んだか」を書いたが、もう少し整理しておきたい。

◆【推しの子】は「ご都合主義の物語」である。

 最初に【推しの子】を読んだ時から、これは「吾郎が必要としたから存在する、吾郎の内面世界に強烈にリンクしたストーリーだろう」と感じていた。

 作内現実が吾郎の妄想でてきている、というわけではなく、「読み手である自分たちが観測しているストーリーは、吾郎が必要としている

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「【推しの子】」とは何だったのか。

「【推しの子】」とは何だったのか。

 最終回を読んだ。

と書いてあるので、一読者である自分にとって【推しの子】とは何だったのか?を語りたい。

◆なぜ吾郎はアクアに生まれ変わったのか?

 自分は【推しの子】で重要なのは、この問いに対する答えだと思う。
 この問いにどう答えるか?で【推しの子】の読み方はかなり変わる。

「なぜ吾郎はアクアに生まれ変わったか?」

「生まれ変わりというズルを神(作品)が許した理由」それは「使命を見つ

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「公正世界仮説」に反する物語が好き。

「公正世界仮説」に反する物語が好き。

 先日、高橋ツトム「ブルーヘヴン」が好きだという記事を書いた。
 上の記事には入れられなかった好きな理由のひとつが「『公正世界仮説』に反する原理が働いているから」だ。

 盛龍たちが乗る漂流船を見つけた時、ブルーヘヴンの社長と船長は「救助すべきか否か」で揉める。

 社運を賭けた豪華クルーズ船の航行中に、漂流船の救助などしていられない、身元不明の人間を乗せるわけにもいかない、人道など知ったことでは

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串刺し公ヴラドを主人公にした「ヴラド・ドラクラ」が、3巻から急激に面白くなるのは何故か。

串刺し公ヴラドを主人公にした「ヴラド・ドラクラ」が、3巻から急激に面白くなるのは何故か。

 ドラキュラのモデルにもなった「串刺し公ヴラド」を主人公にした、「ヴラド・ドラクラ」を既刊7巻まで読んだ。
 実は三巻の途中までそこまで面白いとは思っていなかった。

「ヴラド・ドラクラ」は15世紀に黒海東岸にあったワラキア公国が舞台だ。
 ワラキアはハンガリー王国とオスマン帝国という二つの強国に挟まれているため、この二国、どちらかの後ろ盾を得なければ公座につくことができない。
 政情が不安定で、

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「信頼のできない語り手」の支配と検閲をかいくぐって物語を読む。

「信頼のできない語り手」の支配と検閲をかいくぐって物語を読む。

 少し前に読んだこの話が面白かった。
 自分は「信頼のできない語り手」&独裁国家(※)として読んだが、なぜそう思ったか、どこでそう感じたかについて話したい。

※造語。詳しくは過去記事を参照。

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髙橋ツトム「ブルーヘヴン」が凄く好きなのは、自分にとってコミュニケーションの話だからだ。

髙橋ツトム「ブルーヘヴン」が凄く好きなのは、自分にとってコミュニケーションの話だからだ。

※本記事には高橋ツトム「ブルーヘヴン」のネタバレがあります。

 連載していた時凄く好きだったので、超久しぶりに読んでみた。

 一読しただけだと、この話の何にこんなに引き込まれるのか、なぜこの話がそんなに好きなのか、自分でもよくわからない。
 パニックサスペンスは好きだが、「ブルーヘヴン」は展開が早すぎて、サスペンス要素を味わう暇がない。パニック部分も「タイタニック」のように力を入れて描かれてい

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「閉じられた共同体の論理」を構成するものは何か。そこから脱け出すにはどうしたらいいのか。

「特攻の島」は「人間魚雷・回天をめぐる物語」として読んでも面白いが、「強固な共同体の論理」からどうやって脱け出すかという観点で読んでも面白かった。

 物語の背景が「敗戦間近の日本で特攻を強いられる」という状況であるため、「共同体の論理がどれほど個を抑圧し圧殺するか」がわかりやすい。

「特攻の島」ほど極端でわかりやすくはないが、現代も状況自体はさほど変わらないのではと思う。

「エコーチェンバー

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もうすぐ2巻が発売されるので、「ケントゥリア」のどこが面白いか、どこが好きかを語りたい。

もうすぐ2巻が発売されるので、「ケントゥリア」のどこが面白いか、どこが好きかを語りたい。

※この記事は暗森透「ケントゥリア」の最新話までのネタバレが含まれます。未読のかたは↑から第一話・二話、最新二話が無料で読めます。

「ケントゥリア」はストーリーの進み方や起伏、シーンの緩急のつけかたが独特だと感じる。こう言ってはなんだが「面白く感じるはずがないのに、なぜか面白い」そう思ってしまうのだ(ナニヲイッテイルカワカラナイ)

「ケントゥリア」は孤独な少年ユリアンが奴隷の妊婦ミラと出会うとこ

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「見えないばけもの」は「作品の暴力性」という「見えないばけもの」に自覚的だったら、そうとう面白かったと思う。

 先日読んだ「見えない化けもの」について。

 名端がこう言っているように、この話のメインの言及ターゲットは「男社会」である。

 だが指摘が多く見られるように、描かれている「男社会」にリアリティがない。
 その感覚が正しいかどうかはともかく(問題ではなく)『男社会』に言及することがメインに関わらず、その『男社会』にリアリティを感じなければ話に入り込めない。
 かと言って、「ざまあ」のような「藁人

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なぜ「その物語は何かを隠蔽している」と考えるのか&「隠蔽するための物語」作品まとめ

◆「隠蔽するための物語」とは何なのか。

 先日、コミックDAYSに掲載された「天を夢見て」を読んで、「これは『隠蔽するための物語』ではないか」と思った。

「隠蔽するための物語」とは何か。

「言わない」ことで効果を狙っているわけではなく、「言えないこと」がある。その「言えないこと」を隠すために作品が存在している。
「言えない内容そのもの」と「『言えない(語れない)』という事実」を同時に隠してい

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「親を裏切り家から逃げ出さなければ、自分の人生を生きられない問題」について。

 ↑の記事の続き。
 引き続き、漫画「天を夢見て」について。

 初めて読んだ時は「自己実現のために全てを裏切ることをどう思うか」という話として読んだ。
 だから「そもそも他人からの承認でしか『自分』を保てないなら、それはもはや自分ではないのでは」と思い、あまり興味がわかなかった。

 だがどうも引っかかるものがあったので、もう一度読んでみた。
 その結果、この話は「主人公が自己実現すること(悪魔

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善意や愛情、良識からであったとしても「自分」を浸食されそうになれば、悪魔にならざるえない。

善意や愛情、良識からであったとしても「自分」を浸食されそうになれば、悪魔にならざるえない。

 最初読んだ時は、
 幼い頃から天使になりたかったんじゃないのか? 
 他人に承認されれば(選ばれれば)何でもよかったのか? 
 他人の承認なしでは「自分」がまったく成り立たないということ?
と「?」が十個くらい浮かんでまったくピンとこなかった。
 ただ何か引っかかるものがあるので、少し考えてみた。

 自分が「天を夢見て」で一番引っかかったのは、ガブリエと妹(ラミ)が主人公・ライアンの生き方や考

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【「逃げ上手の若君」キャラ語り】北畠顕家の圧倒的主人公感がまぶしすぎる。

【「逃げ上手の若君」キャラ語り】北畠顕家の圧倒的主人公感がまぶしすぎる。

※本記事には「逃げ上手の若君」の既刊16巻までのネタバレが含まれています。未読のかたはご注意ください。

 北畠顕家が最初出てきたときは「また、濃いキャラが出てきたな」としか思わなかった。
 今や自分も奥州武士になってついていきたいほどだ。カッコ良すぎ。

 以前瘴奸の記事で、歴史モノにおけるリアリティと共感のバランスの難しさについて書いた。

 北畠顕家は公家の名門の御曹司だ。
 この当時の公家

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「逃げ上手の若君」の「悪党」の描き方が好きだ。

「逃げ上手の若君」の「悪党」の描き方が好きだ。

*本記事には「逃げ上手の若君」のネタバレが含まれています。未読のかたはご注意ください。

 アニメが始まったことをきっかけに、六巻で止まっていた「逃げ上手の若君」の続きを読んでいる。
 信濃編で出てきた敵役たちが無茶苦茶好きで参る。特に瘴奸。

 歴史モノを描く時、当時の価値観をどこまで現代に沿わせるか(特に倫理観)、リアリティと共感のバランスが難しいと思う。
「そういう時代だったんだ」と割り切っ

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