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読書記録・要約

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#東浩紀

【読書記録】東浩紀『動物化するポストモダン: オタクから見た日本社会』を読む。

【読書記録】東浩紀『動物化するポストモダン: オタクから見た日本社会』を読む。

2001年に刊行された『動物化するポストモダン(通称: 動ポモ)』は、批評家である東浩紀のポストモダン論である。また副題の「オタクから見た日本社会」とあるように、同書では20世紀末のオタク系文化に注目し、その特徴を戦後日本の時代精神の変遷に結びつけている。そしてロシア出身の哲学者アレクサンドル・コジェーヴの見立てを横に置くことで、その論考をポストモダン論へと繋げている。

○全体要約

オタク系文

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【読書記録】東浩紀『存在論的、郵便的』を読む①

【読書記録】東浩紀『存在論的、郵便的』を読む①

東浩紀『存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』の第一章「幽霊に憑かれた哲学」に書かれている「散種」概念について整理してみました。「散種」は、「多義性」と異なると言われていますが、一体どのように異なるのでしょうか。この差異を、東浩紀のデリダ理解のパラフレーズで、つまり二次文献からの要約ではありますが、行いたいと思います。ただ郵便本自体がデリダ論というより、デリダ-東論と言ってもいいと思うので、

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【読書記録】東浩紀『存在論的、郵便的』を読む②

【読書記録】東浩紀『存在論的、郵便的』を読む②

東浩紀『存在論的、郵便的 ジャック・デリダについて』の第一章「幽霊に憑かれた哲学」の「2」に書かれている、デリダ『「幾何学の起源」序説』における、フッサールの超越論的歴史への批判を整理してみました。この内容は、①でまとめた「散種」ともつながるとのことで、それらがどのようにつながるのかを丁寧に書いてみたつもりです。あと余談ですが、千葉雅也さんが言っていましたが、この郵便本はまるで「謎解き」みたいであ

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